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□ジニア
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「・・・終わった。」
「何が。」
「いろいろ。」
「何で。」
「球技大会・・・。」





少し暑くなってきた今日この頃。
この時期になると、球技大会が近くなる。
うちはバレーボール、バスケットボール、ドッヂボールの三つから選ぶことになる。
それを決める時間に、私はというと花壇に植える花の種を選んでいたわけで。
今思えば何してるんだって話だけど。
「紫苑ちゃん。」
「うん?」
「決まっちゃうよ?いいの?」
さつきちゃんに言われて、黒板を見る。
「ん!?」
バスケットボールのところに私の名前が入っていた。
「じゃあこれで決まりでー。」
「え、ちょ、!」





「というわけです・・・。」
「お前が悪いんじゃん。」
「うう・・・。」
そうだよ。
そんな大事なこと決めるのに、私は君と一緒に植えたい花の種を考えていたんだよ!
アホ以外の何者でもないよ!!
「つかバスケ好きなんだろ?よかったじゃん。」
「バスケは好きだけどできないの!!!」
青峰くんはポカンとしてから、笑った。
「まじか。」
「運動神経ほんとにないんだよ!」
青峰くんは背中を震わせながら笑っている。そんな笑わなくていいじゃないか。
「よし。そんじゃ、ちょっと行くか。」
「ん?」
「ストバス行くんだよ。ほら、」
「え、どうして?」
どうしてって、と青峰くんがニヤリと笑う。
「俺が教えてやる。」
まじですか。




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