♂情報屋♀ (デュラララ!!)
□初めての危機
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銃ともなれば、折りたたみ式ナイフでは歯が立ちそうにない。
臨也「いやいや、乃木野さん…僕は何でも屋じゃなく情報屋ですよ?倒産した会社を立て直すなんて無理に決まってるじゃないですか」
乃木野「俺の会社はお前のせいで潰れたんだぞ?何がなんでも会社を返してもらう…」
臨也「はぁ?」
(ノギノ…やっぱり聞き覚えのある名前だったか…確か…)
臨也は以前、“乃木野の会社を倒産させたい”と乃木野のライバル会社から依頼を受けた。
それで、臨也は会社の弱点や今までの不始末を調べ上げ、情報として売ったのだった。
(あぁ…何かそんなことあった気がするな…面倒なことに巻き込まれた…)
仕事上、被害を受けたものから恨みを買うことはよくあったが、どいつも最後には臨也に“恐怖”を覚えて逃げていくのであった。
臨也「あぁ、確かに情報を売ったのは俺だよ?でも、もうその依頼は片付いたんだからさ…これから俺が、銃を突きつけてきた君の情報をどう使おうが、勝手だよ、ねぇ…?」
(どうせ、こいつも諦めるんだろ?)
そんなことを思いながら余裕をかましていると、乃木野は鼻で笑ってこう答えた。
乃木野「まぁいいですよ、僕だって、あなたの情報を持ってないわけじゃないんですから…」
臨也「…?」
乃木野「この世の中には、“あなた以上”の情報屋がいるんですから…」
臨也「…」
臨也は、正直戸惑った。
今まで、あまり他の情報屋のことなど気にしてこなかったのだ。
乃木野「フフフ…何のこと?って顔してますね。あんたみたいな奴を困らせることができるなんて…こんなに楽しいことはないよ!」
臨也「あんまり調子にのるんじゃないよ?乃木野さん。さっきも言った通り、情報次第で君の人生なんて……
「人身売買に戸籍の販売」
臨也「…!?」
乃木野「それに、保険金だって貰ってますよね?いいーなー、そんなにお金が入るルートを知ってて。貧乏人にとっては神様の存在ですよ」
臨也「お前……
乃木野「それに、あなたの親は貿易会社?を経営してますよね?小さい頃からお坊ちゃんで、苦労したことなんてないんでしょうね…
あ!その情報を流せば、金になるだろうなぁ〜!」
臨也「何処で手に入れた」
明らかに、低く鋭い声だった。
両親のことなんてどこにも流れているはずがなかったし、ましてや人身売買のことなんて知られるはずがない。
つい最近も、カラオケ屋で自殺オフと称して2人ほどからかってきた。(この時はもう飽きてしまい、セルティに適当に運んでおくよう指示したのだが)
乃木野「まぁ、このことに関しては、今すぐに返事を求めたりしませんから…考えておいてくださいよっっっ!」
完全に気が動転していた。
いつもならひょいっと避けられるはずのパンチを顔面にくらい、その場に倒れこんでしまった。
乃木野「へー!情報屋も軽いもんじゃーん!もっと楽しみにしてたのにー。じゃあね!“2番目の情報屋さん”!」
乃木野は、そんなことをワーワーと言いながら臨也のもとを車で去って行った。
(完璧に調子のってんな…あいつ…)
と、憂鬱な気分の臨也だったが、どこか笑みを浮かべたような表情だった。
その理由は_____
臨也「まったく…人間ってどうしてテンションが上がりすぎると、あんなにもガードが甘くなるんだろうね…
フフフフ…!【しぐれ】ちゃんか…どんな子か楽しみだなぁ…!」
乃木野は、言ってはいけない“情報源となる人物”の名前を言ってしまったのだから…