♂情報屋♀ (デュラララ!!)
□初めての危機
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波江「…!なにそれ!ひどい顔ね!あなたがそんな顔して帰ってくるなんて、あの日以来じゃない?」
臨也「…」
自宅に帰ると、早速、秘書である波江さんに笑われた。
確かに前、一度だけサイモンからパンチをくらったことがある。
あの時はサイモンだったからまだしも、今回はどこにでもいるような奴だ。
しかし、臨也は怒ったりはしない。
なぜなら彼は___
臨也「まったく、人間という生き物は僕の予想をはるかに超えてくれる…
これだから俺は、“人間が好き”なんだ…!」
“人間を愛している”
波江「何度も言うようだけど、人間の方は、あなたのことを愛していないと思うけど?」
波江さんは決まってこのセリフを返す。
臨也「しかし、今回は参ったな…こっちの弱みを握られてるなんて。しぐれちゃんはどれだけ有能な情報屋なんだろうね」
波江「しぐれ?」
臨也「ああ。神谷しぐれさ。前に一度だけ名前を聞いたことがある。彼女も新宿や池袋を中心としているらしい。さっそくお手並み拝見といきますか…!」
臨也は勢いよくパソコンのスイッチを入れ、情報収集を始めた。
臨也「んー…」
開始してから一時間。
彼女の情報を手に入れることは出来なかった。
波江「あなたがてこずってるなんて珍しいわね」
臨也「それだけの人物ってことさ。彼女自身信の情報だけでなく、依頼者の乃木野の情報まで隠してる」
波江「“あなた以上の情報屋”がいるなんてね」
臨也「ふっ…楽しませてくれるじゃないか…しぐれちゃん」
臨也の表情は凍りきっていた。
もしかしたら彼女に、中学時代以来の“嫉妬心”を抱いていたのかもしれない。