NO NAME

□俺の両親は仮面夫婦だ
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僕の両親は仮面夫婦です。
両親のなかが悪いわけではありませんが夫婦のはずなのにまるで友人同士くらいの距離感でその上二人とも別に相手がいるみたい。
僕には妹がいます。可愛い可愛い妹です。
まだ幼いので両親が仮面夫婦だということはわかっていないようです。

別に両親が仮面夫婦だろうが同性愛者だろうがなんでもいいんですが。

ちょっと子どもの気持ちも考えてほしいものです。


さてここで問題です。
僕は今何をしているでしょう。

「別れたって言っていたじゃないか!!」
「危ないから包丁を下ろせ!」

「裏切ったの!?私のこと一番愛してるって言ったじゃない!!」
「落ち着いて!話せばわかるわ!」

どうやら両親は修羅場というやつらしい。
両親はどちらも相手に家庭のことを隠していたようです。

たまたま偶然鉢合わせてしまったらしい両親とその恋人二人。

家もバレたようで押し掛けてきたようです。

「お兄ちゃん…?」

おっと、どうやら妹が起きて来てしまいました。

「「!!」」

しまった、両親の恋人二人にこちらを認識されてしまったようです。

「「そうか、子供がいるから別れられなかったの(か)(ね)」」

あぁ、刃物を持った二人がこちらを睨み付けていますこのままでは命が危ないかも。

「お前さえ」「アナタたちさえ」「「いなければ」」振り上げられた包丁の先には妹が。


赤い血が宙を舞った。

みればお腹に深々と何かが。
何か、じゃない包丁だったっけ。
一度刺さった包丁が抜かれてもう一度。
刺さる前に両親が恋人二人を止めていた。
だけど一度空いた穴はやっぱりどうしようもないようでお腹からは血が赤く赤く。

そうだ。妹は大丈夫だったかな。

「おにいちゃ…」

どうやら怪我はない様子。
だけどもなんだか泣いてしまいそう。
泣かないで泣かないで。
ポロポロこぼれ始めた涙は僕のせい。
泣かないで、
お願いだから。
お兄ちゃんはきっと大丈夫だから。

体が傾いた。
どうやらもう立っていられるほどの力もないようです。

ポロポロ、
ポロポロ。
妹の目から落ちる涙を拭いてあげることもできない弱い僕を許してください。

声をかけてあげたかったけどその声ももう出ないみたいです。

ごめんなさい。
もう起きれないかもしれません。
残してしまうことを許してください。

声はでないけどこれだけは伝えたいのです。

「 」


そこから先の記憶はありません。


To be continued...
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