英雄と呼ばれた男

□9
1ページ/1ページ

可笑しな人間の女。


「あぁ、お前に力を貸してやろうか?」

悪魔の囁きが聞こえる。

「愛する者を殺した者たちへの憎しみを怨みを辛さを苦しみを、全てを背負わせた人間にやり返すための力を」

耳に優しくそして甘く脳に響くように囁かれる、声。

「全てを壊すための、力を」

抗えない魔力に思わず頷いた。

「貸してやろう」

悪魔が笑った、気がした。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ