コート上の女王様!!
□コート上の女王様!! 11
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『すごい.....。』
今日は土曜日。彼らが試合をする日。最初はチグハグなコンビネーションで負けていた彼らが身につけた攻撃。
その巧みなコンビネーションに目を見張った。
....日向くんがトスを見ないで打ったのだ。
影山くんのトスの技術が半端ないのはもちろん。信じて翔ぶ日向くんの度胸もすばらしいものだ。
『(私も打ってみたい....。)』
...私もあんなトス打ってみたいな。決まったら気持ちよさそう。だって、あんなキラキラしてるんだもん。いいな、いいな。
『.........。』
「どうしたの?....具合悪い?」
喋らない私を気遣ってくれたのか、潔子さんが覗きこむようにこちらをみていた。
『だいじょーぶですよ!』
...ああ、私はちゃんと笑えているのだろうか?
顔が強張っているのではないか?気を悪くさせてしまう...。笑わなきゃ...。笑え、笑え、笑え...。
「ならいいわ。」
なんの疑問もなく反らされた目線。笑えてた。良かった。もう、同じ過ちは繰り返さないわ....。
「綾伽さん!!おれ逹勝ちましたよ!!」
元気な日向くん。笑わなきゃ。
『見てたよ〜!凄かった!!』
「エヘヘ。綾伽さんのおかげです!!」
『ちょっ!それ、大きな声で言わないの!!』
「あっ!スミマセン!!」
...誰にも聞かれてないな...。
他の一年とも軽く会話をして、潔子先輩とジャージを取りに行く。もう、大丈夫。普通に笑える。
『さあ!!行きましょう!潔子先輩!!』