血鬼盛ん!!
□初対面で馴れ馴れしい男とは話すなってお母さん言ったでしょ!!
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いまさらだが私の家、もとい血鬼一族の村は日ノ本最北端。蝦夷国にある。
『さあ、どこに行こうかなー。』
こっから一番近いのは陸奥国。あの有名な奥州の独眼竜の領地だ。ちなみに私は武器、もとい相棒の紅子さん(紅鮭5匹と交換した鉄扇だから紅子さん。)に乗ってお空の旅だ。うん。婆裟羅って超便利!!
『んー....。奥州はたしかずんだ餅がおいしいって小梅が言ってたっけ。』
そんなことを考えてるとぐう〜っとなる腹の虫。
『...奥州についたら腹ごしらえだな!』
待ってろよ!私の甘味たち!!
『ん〜、おっいし〜!!あっ!お姉さん!!団子50本とずんだ餅10個追加〜!』
「ハイッ!少々お待ちください!!」
空のお皿が、塔の様に積み重なっている私のいる席を、
お客さんの大半が物珍しげにこちらを見ている。
「Oh....。これはすげえな....。」
私が顔をあげると、右目に眼帯をし、蒼い着流しをきたお兄さんがいた。
『なにひゃよおふぇふゅか?「飲み込んでから喋れ。」
(ゴクン)..何か用ですか?』
「ああ、どこも席が空いてなくてな...。悪いが、相席してもいいか?」
『全然構いませんよー。じゃ、ちょっとお皿よけますねー。』
「ああ、悪いな。」
もぐもぐもぐもぐ....。
『.....あの、お兄さん?注文しないんですか?』
注文もしないでこちらをじーっと見つめてくる眼帯お兄さん。...甘味屋来たなら甘味を食えよ。
「いや...。結構cuteなgirlだと思ってな。」
!?....このお兄さん南蛮語話せるってことはただの村人じゃないな。私は南蛮と貿易をするので、少しは話したり聞いたりできる。
「それより、お前はここの者じゃねーな?」
『はい。旅してまわる予定でして、最初にここに寄ったんです。』
「Hmm....。What´s your name?」
『....怪しい人に名前教えちゃいけないってうちのオカン(小梅)に(とても)厳しく教えられたから....。』
正直、お偉いさんとは関わらないでゆっくり旅をしたいのだ私は。
『....じゃあ、私はこれで...。お姉さ〜ん!お勘定〜!!』
軽く荷物をまとめ鑑定をすませようとしたとき...。
「Σ!?...お前それはなんだ?」
『......?...あっ。』
いままで机の下に置いてて見えなかったが、十分目立つ私の相棒。紅子さん。でかい鉄扇をただの旅人が持ってるはずもなく...。それにこの人は(たぶん)お偉いさんで....。
「...とりあえず城まできてもらうぜ。話しはそれからだ。」
『いやだ「拒否権はないぜ。You see?」...I see.』
拝啓、小梅、松雲、竹人。私の旅は前途多難の様です....。
初対面で馴れ馴れしい男とは話すなってお母さん言ったでしょ!!
(離してくださいよお兄さん。)
(答えはNoだ。)