ドラクエ11s
□火の里と砂漠の国と貿易港
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サマディー王国
「賑わってますね、お姉様。
なんだかお祭りが始まるみたい」
妹の言葉を聞いたベロニカは。
この国に始めて来たイレブンとカミュへ、サマディー王国について説明する。
騎士の国≠ニ言われるこの国では。
城の裏のオアシスの上に馬レース場があり、年に一度の特別なレースが開催される。
「きっと今は。
それで賑わっているのよ」
「ふ〜ん。
馬のレースも面白そうだが、オレたちの目的を忘れんなよ。おチビちゃん」
「なによ、ノリが悪いわね。
イレブン、あんな奴はほっといて、この街を楽しみましょう」
街路に沿って並ぶ露店。
砂漠の国独特の意匠を凝らした絨毯、金と銀の食器、この気候特有の植木などなど・・・
沢山の商品を眺めては目を楽しませて。
小腹が空けば軽食を食べ歩き、店に入っては喉を潤したりとサマディー王国を満喫して・・・
気が付いたら空が赤みを帯びてきた。
流石にまずい、と思ったユーリが、
「大変。
そろそろ宿を取らないとヤバいわ」
「あっ もうそんな時間!?」
楽しい時間はあっと言う間だ。
砂漠の民の服装になったイレブンとカミュも、野宿は嫌だという顔をした。
ユーリが地図を取り出す。
サマディー王国にある繁華街、宿屋が並ぶ区画が書かれた観光客用の簡易地図だ。
そこへ足早で向かい、何とか男女で分けられる部屋を確保した。
「さてと、晩ご飯を食べましょうか。
美味しいカレー屋さんがあるの」
ユーリが勧めた飲食店は。
観光客を多く収容できる所ではなく、地元民が通うようなカレー店だった。
なぜこんな所を知っているのかと訊くと。
サマディーの意匠とか植物とかを、勉強も兼ねてスケッチしていたら声をかけられたらしい。
たれ目が特長的なその人のお勧めが、
「このお店だったのよ」
なるほど。
とイレブンたちは納得した。
そして料理の待ち時間に。
スケッチに興味を持ったセーニャが、帳面を眺めて質問してはユーリが応えるという会話を、聞き役になったイレブンたちも楽しんだ。
そして運ばれてきたカレーは。
始めて食べる味だったが、大変美味しかった。