ドラクエ11s

火の里と砂漠の国と貿易港
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荒野の地下迷宮




「気をつけて行っておいで」

「はい。
 行ってきます!」


ニマ大師らに見送られて。
ユーリはキメラの翼を空へ放り投げた――





この世界にやって来てから約3年。
ようやく海を渡ることができた。

自分がトリップした先は。
どうやらドラゴンの名を関する超有名ゲームの世界・ロトゼタシアにあるドゥルダ郷だった。
先代勇者の縁の地で、各地から修行者が集まる修練の場だ。

後見人であるニマ大師から。
ようやくお墨付きを貰い、中央大陸から出る事ができた初めての一人旅。

港町ダーハルーネから赴くこと。
南東大陸の果て、温泉地・ホムラの里にやって来て満喫したところで。
姉がどうやら魔物に攫われたらしいと、困り果てた様子のセーニャの手助けをする事にした。


それがまさか・・・
類い稀なる出逢いをするとは、思いもしなかった。





「セーニャ!
 セーニャったら!
 なに本気で爆睡してるのよ!」


という幼子の声でユーリは目を覚ました。
魔物がどうたらと噂がある荒野の地下迷宮≠ノ、何故かある女神像が安置されてある泉の間(セーフティーゾーン)
で、セーニャと共に昼寝をしていたのだ。

迷宮というよりかつて神殿か何かだったのか。
この部屋は清浄な空気に溢れ、聖なる加護を与えし女神像の効果なのか迷宮中に蔓延る魔物たちは、この部屋には来ないようだ。

セーニャと知り合いだろう幼子から。
訳を聞こうか話そうと、ユーリは野営用の敷物から体を起こすと、


「えーと・・・あなたたちは。
 セーニャの知り合いですか?」

「あ!そうだわ。
 先に起きた、あんたの方から聞きましょうか」


勝ち気そうで聡明そうな幼子は。
小さな身体を大きく見せるように、腰に手を置き胸を張ると、


「酒場のマスターから聞いたわ。
 セーニャに付き合って、あたしを捜しに来たみたいね。どうもありがとう」

「いえいえ・・・という事は。
 あなたがセーニャのお姉さん?」

「そうよ!
 訳あって縮んじゃったけどね」


その後すぐに目覚めたセーニャと。
ベロニカと名乗った幼女は、連れの若者イレブン、カミュに自己紹介をした。

そして振り返ったセーニャは。
「ユーリ様」と呼び、促してきたので。
立ち上がったユーリは軽く袴を整え、手を合わせてお辞儀すると、


「ドゥルダ郷から参りましたユーリと申します。
 見聞を広めるため旅をしており、疲れを癒やすためホムラの里まで赴いた所。
 セーニャさんがお困りの様子だったため、声をかけさせて頂きました」


そこにセーニャは説明する。
回復魔法が主体の自分一人では、ここに来るのに不安があったので同行をお願いした。

ユーリは弓を主体にしつつ。
攻撃魔法も使えるので、自分と攻守のバランスが取れて、難なくこの迷宮までやって来れたので感謝していると。




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