外殻大地

戦うということ ‡ セントビナー
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「これが地の激情の攪拌(かくはん)・・・
 グランドダッシャー!」


地属性の第二音素(セカンドフォニム)≠フ譜術が発動された。

地面に亀裂が入る。
そこで出た岩と石礫が、兵士たちに襲いかかった。
ステラの速すぎる上級譜術の発動に、皆は驚きを隠せない。

大ダメージを受けた兵士たちは・・・
倒れ込んだきり、動くことはなかった。


「はぁ、はぁ・・・」


残りはこの兵士だけ。
他の2人は骸となっていた。


「ルーク、とどめを!」


ジェイドが促す。
この兵士がまだ生きているのは、ルークが相手だったからと言ってもいい。

剣を支えに膝を着いている兵士に。
ルークは剣を振り上げて、


「・・・う・・・・・・」


できない。
振り下ろせない。兵士と目が合う。

ルークは目を閉じて。
振り下ろした剣は、立ち上がった兵士の剣に弾き飛ばされてしまった。

形勢を逆転された。


「ボーッとすんな、ルーク!」


ガイが叫んだ。
直後、ステラは走った。

ルークは。
自分に振り下ろされる剣を見つめ、


    ザンッ


ステラは剣で兵士にトドメを刺し。

ティアはルークを庇って左腕を斬られた。
ドサッ、と彼女が倒れる。


「・・・ティア。
 ・・・お、オレ・・・」


左腕から、血が流れている。


「・・・ばか・・・・・・」


か細く呟いて。
ティアが気を失ったのとの同時。

カランカラン、と血に濡れた剣が落ちた。
ステラは両膝を着く。


「ステラ!!」


ガイが駆け寄る。
ミュウを抱えたイオンも駆け寄った。
そして顔を覗きこむが、ステラの顔色は真っ青だった。

ハー、ハーと大きく息を吸い。
強く目を閉じていた。


「ルークは・・・無事・・・?」

「ルークは無事です。
 彼を庇って、ティアが負傷しました」


ジェイドがやってきて淡々と告げた。
まるで、今のステラの状態が見えていないかの様に。


「大丈夫か?」

「・・・大丈夫」


とてもそうには見えないが。
ステラはヨロヨロと立ち上がると、ティアに向かって歩き出す。

地面に転がったままの剣を。
ジェイドは一瞥してから、ティアに治癒術をかけるステラを見つめた。




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