外殻大地
□戦うということ ‡ セントビナー
3ページ/21ページ
49
「これが地の激情の攪拌・・・
グランドダッシャー!」
地属性の第二音素≠フ譜術が発動された。
地面に亀裂が入る。
そこで出た岩と石礫が、兵士たちに襲いかかった。
ステラの速すぎる上級譜術の発動に、皆は驚きを隠せない。
大ダメージを受けた兵士たちは・・・
倒れ込んだきり、動くことはなかった。
「はぁ、はぁ・・・」
残りはこの兵士だけ。
他の2人は骸となっていた。
「ルーク、とどめを!」
ジェイドが促す。
この兵士がまだ生きているのは、ルークが相手だったからと言ってもいい。
剣を支えに膝を着いている兵士に。
ルークは剣を振り上げて、
「・・・う・・・・・・」
できない。
振り下ろせない。兵士と目が合う。
ルークは目を閉じて。
振り下ろした剣は、立ち上がった兵士の剣に弾き飛ばされてしまった。
形勢を逆転された。
「ボーッとすんな、ルーク!」
ガイが叫んだ。
直後、ステラは走った。
ルークは。
自分に振り下ろされる剣を見つめ、
ザンッ
ステラは剣で兵士にトドメを刺し。
ティアはルークを庇って左腕を斬られた。
ドサッ、と彼女が倒れる。
「・・・ティア。
・・・お、オレ・・・」
左腕から、血が流れている。
「・・・ばか・・・・・・」
か細く呟いて。
ティアが気を失ったのとの同時。
カランカラン、と血に濡れた剣が落ちた。
ステラは両膝を着く。
「ステラ!!」
ガイが駆け寄る。
ミュウを抱えたイオンも駆け寄った。
そして顔を覗きこむが、ステラの顔色は真っ青だった。
ハー、ハーと大きく息を吸い。
強く目を閉じていた。
「ルークは・・・無事・・・?」
「ルークは無事です。
彼を庇って、ティアが負傷しました」
ジェイドがやってきて淡々と告げた。
まるで、今のステラの状態が見えていないかの様に。
「大丈夫か?」
「・・・大丈夫」
とてもそうには見えないが。
ステラはヨロヨロと立ち上がると、ティアに向かって歩き出す。
地面に転がったままの剣を。
ジェイドは一瞥してから、ティアに治癒術をかけるステラを見つめた。