外殻大地

戦うということ ‡ セントビナー
2ページ/21ページ


48




「ルークもステラも。
 えらくややこしい事に巻き込まれたなぁ・・・」


ガイがそう言ったのには理由がある。
実はステラからマルクトに接触した、というのは内緒なのだ。

グランコクマに滞在中の彼女に。
マルクトからお願いされたという事になっており、イオンとアニスにもそう説明されている。


「ファブレ公爵の使用人ならキムラスカ人ですね。
 ルークを捜しに来たのですか?」


ジェイドが。
話題を変えるように訊いた。


「ああ、旦那様から命じられてな。
 マルクトの領土に消えてったのは判ってたから」


自分は陸伝いにケセドニアから。
ヴァンは海を渡ってカイツールから捜索している。
と、ガイは説明した。


「陸伝い?
 ローテルロー橋は使えない筈だけど・・・」


とステラは疑問を口にした。

国境を跨ぐケセドニアには。
北と南に、国へ続く出入口がある。

マルクト側の出入口があるイスパニア半島と。
この北ルグニカ大陸を結ぶローテルロー橋は、漆黒の翼によって分断されてしまったのだ。


「使えるぜ。
 破壊されたところに仮設橋がかかってな。
 そこを通ったんだ。

 今ならもう・・・
 馬車くらいは通れるんじゃないかな」


とガイは返した。
ローテルロー橋は世界最大の橋で。
帝都とケセドニアを繋ぐ陸路の要だ。

修理はすぐに始まったのだろう。
とステラが解釈した。


師匠(せんせい)も捜してくれてるんだ!」

「・・・兄さん」

「兄さん?
 兄さんって・・・」


兄さん≠ニはまさかと。
ガイはティアに訊ねようとする前に。

ガチャガチャと鎧を鳴らしながら。
走ってくる足音が聞こえた。


「やれやれ。
 ゆっくり話している暇はなくなったようですよ」


ジェイドが槍を出現させた時には。
ステラ、ティア、ガイは立ち上がって武器を手にしていた。

追手がきたのだ。
ルークも、剣を抜いて構えるが、


「ルーク下がって!
 あなたじゃ人は斬れないでしょう!」

「ルーク!
 イオンをお願い!」


返事をする暇も与えることなく。
「逃がすか!」と神託の盾(オラクル)兵3人が襲いかかってきた。

前線で戦うジェイドとガイ。
イオンを狙う兵士に、懸命に剣を振るうルーク。
治癒術でサポートするティア。




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ