腹黒王子と毒舌王女

□5
2ページ/12ページ




「体育館は簡単で、あちらがお手洗いです〜。ボールはこちらのをご用意してますので、ウォーミングアップの際にご自由にお使い下さいね。」


「はい」


「試合後、お着替えになるならあちらの更衣室をお使い下さい〜。あと、ドリンクですが…」


「ドリンクはこちらも用意してます、お水さえ頂ければ…」


「あ、はい、では私も作りますので後で一緒に行きましょう〜!」



烏野が靴を履き替えている間に大方の説明をする。

烏野のマネージャーが綺麗すぎて見惚れてしまう程だった。


烏野は見た目が怖い人もいるが、主将はとても丁寧な対応だった。

全員が履き替えるのを待っていると影山が話しかけて来た。



「お前、なんでマネージャーなんかやってんだよ」

「うーん、半分無理矢理やらされたものだけどね〜…」


「影山、知り合いなのか?」

「あ、ハイ。中学の同級生です」

「ね〜!…あ、今から体育館入ります〜。ボールに気をつけて下さいね〜」


ニッコリと笑い、扉に手をかけて思い切り開けた。



「岩泉さーん!烏野の皆さんが到着されました〜!」



扉を開けて声を張ると、練習していた手を止め、入り口を見た。


端に避けると、烏野の主将が声を張った。



「挨拶!!」


「「「お願いしあーす!!!」」」



「「「お願いしあーす!!!」」」


岩泉筆頭に挨拶を返し、ウォーミングアップが始まる。

ドリンクのボトルを持って烏野のマネージャーに声をかけた。



「あの、ドリンク作りに行きませんか〜?」

「ああ、はい、お願いします」


烏野のマネージャーは清水さんと言うそうだ。

清水さんは3年生だと知って納得。

元々綺麗な人が3年になると磨きがかかるのだと思った。


「清水さん、マネージャーって楽しいですか〜?」

「うん、楽しいよ。ちょっと問題児が多いけどね」


「私も楽しくなるといいな〜」


「青城のマネって大変そうだね、人も多いし」


ふわりと笑うその笑顔に思わず見惚れる。

自分もこんな綺麗な人に生まれたかった、と切実に思った。



「私、レギュラー専門ですから、人数的には清水さんとは変わらないのですよ〜」

「お互いこれからの時期が大変だけど、頑張ろうね」


2人で笑いながら話し、体育館に戻ると試合が始まった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ