青の騎士と護られ姫

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-莉子side-



2人を避けて1週間が経ち、火曜日にまでになってしまった。


IHは今週末で、入畑との約束では今日から復帰の予定だが、2人が仲直りするまでは顔を合わせたくないとため息をつく。


廊下が騒つき、何だろうと思いつつも席に座ったままでいると、廊下から視線を感じた。



「…倉澤さん、ちょっといい?」


「…あ。…………はい…」

「ちょっ…平気?莉子…!」


「大丈夫、何かあったら今度は絶対すぐに言うから〜」



廊下にはあの日、髪を切った女生徒やその場にいた数人が立っており、見た瞬間の顔色で真奈は彼女達がどういう人達かを悟ったらしい。


廊下へと向かう腕を慌てて引き、心配そうに声をかけてくる真奈にとびきりの笑顔で答えた。



「…放課後、話したいんだけど…」


「…どこでですか?」

「…屋上でもいい?」

「わかりました」



散々啖呵をきっておきながら、岩泉を避けている上に関係を発展させることすらしていないこの状況で彼女達と合わせる顔が正直なかった。


事を穏便に済ませるために、停学も1週間ほどに抑えてもらったからか、今日から登校らしい。



(また嫌味かな?嫌味だったらどうしよう)


「この前みたいな内容じゃないから」


「えっ!あ、はい〜…」



顔に出てしまっていのか少し気まずそうに女生徒が言い、思い切り声と顔に驚きの色を出してしまい慌てて押し黙る。


小さく頭を下げて歩いて行く上級生達を見送り、慌てて真奈の元に戻って話をすると眉を寄せて何かを考えていた。



*****



放課後、部活に行くか迷いつつ約束通りに屋上まで来てしまった。


話すのも憂鬱だが、部活も同じくらい憂鬱で全てから逃げ出したい衝動に駆られる。



「…倉澤さん…」

「…話ってなんでしょう〜…?」


「「ごめんなさい」」



意を決して扉を開け、あの日と同じメンバーの前に立つと一斉に頭を下げられてたじろぐ。


何も反応できずに固まったまま頭を下げている上級生達をポカンと見ていると、髪を切った女生徒が頭を上げた。



「酷い事も言ったし、酷い事もしたから、許してくれるなんて思ってないけど…でも
「莉子っ!!!」


「っ!ハジメ君…!?」

「莉子、お前また…!おい、お前らいい加減に…
「違うよ、違うの、ハジメ君ちょっと待って!!」



女生徒が泣きそうな顔で話している途中で扉が開き、驚いて振り返ると岩泉が息を切らせてそこに立っていた。


背に庇うように立ち女生徒達を睨みつける岩泉の腕を引いて慌てて止めると眉を寄せながらも口を閉ざす。
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