腹黒王子と毒舌王女
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目が覚めると自分の部屋だった。
服もパジャマになっている。
枕元に置いてある携帯をチェックすると、時間はもう朝の7時を回っていた。
(やばい!遅刻〜ッ!!!!)
「ぅ…」
遅刻だと思い起き上がろうとすると、あまりの頭の痛さと体の重さに耐えきれず、倒れこんでしまう。
母親に『起きた』とメールを送るとパタパタと階段を上る音が聞こえてきた。
「莉子、大丈夫?とりあえず今日は学校休むって迎えに来た徹君に言っておいたから。熱計って食べれそうならお粥食べて薬飲んで今日1日ゆっくりしなさい」
「…徹君、来たの?」
(…昨日、あんなに酷いこと言ったのに…)
「何言ってんの。昨日、徹君があんたのこと抱きかかえて帰ってきたのよ?」
(抱きかかえて!?徹君が…!?)
いきなりの母親の言葉に驚きすぎて声も出ない。
目を見開いて口を開け、本当に間抜けな顔をしていただろう。
母はそんな顔を見て呆れたのか、体温計を渡してくる。
計ると38.7℃もあった。
食欲も無く、少しだけお粥を口にして薬を飲んでまた布団に入る。
熱が高いからかすぐに眠気が来てしまう。
少し寝ていると携帯が何度も鳴り、その音で目が覚めた。
画面を開くとみんなからメールが来ていた。
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差出人 : 宮本 遥
件名 : おーい
05/** 10:30
本文
熱大丈夫(・・;)?
ノートはちゃーんと取って見せるから
あんたはゆっくりしてなよ!
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(遥ってば良い友達すぎる〜…!)
しみじみと思い、次のメールを開ける。
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差出人 : 国見 英
件名 : Re:Re:
05/** 10:31
本文
結局風邪引いたのかよ
バーカ
お大事に
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(うわぁ、英らしいメール〜)
みんなからのメールを見て表情が緩む。
少しでも心配してくれているのが嬉しかった。
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差出人 : 山根 真奈
件名 : 平気?
05/** 10:31
本文
熱なんて珍しいじゃん!
なんかあったの?
この素敵な親友が何でも聞いてやるから
言いたくなったら言いなよ!
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(真奈まで…ありがたいなぁ…)
皆の、何も言わなくても察してくれるところに本当に救われる。
熱が下がったら話を聞いてもらおうと思い、返事を返す気力はまだ無かった為に、画面を落としてまた少し寝ようと目を閉じた。