腹黒王子と毒舌王女

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そして次の日の部活後、莉子が部室に入ってきたかと思うと、


「用事があるから先に帰ってほしい」と言い出した。



「やだ。どこ行くの?何話すの?」
(告白だったらありえないムカつく)


「え…と、内容は知らないけど、3年1組に来て〜って。内容は聞かれたくないって言ってたから着いて来ないでね〜?」


他の男に会いに行くことに少なからず嫉妬を覚え、莉子を壁に追い詰め、逃げられない様にと壁に手をついた。



「なんでこんな詰め寄るの〜…」


「だって俺の莉子ちゃんが他の男のとこ行くなんて許せない」

「及川さんのじゃないから…」



大体の女の子はこうすると顔を真っ赤にして喜んだり、照れたりする。

しかし、眉を寄せて見上げて来る莉子はさすがと言うべきだろうか。


自分のことじゃなく、今から会いに行く男のことを考えているであろう莉子は俯いた。



面白くない。

顎をくいっと上げ、ぐっと莉子の顔との距離を詰める。


流石に目を見開いて緊張している様だった。



「おい、及川。ヤメロ」

「ったく、お前、必死すぎ」

「落ち着け。話してくるだけだろーが」



松川、花巻、岩泉に抑えられ、壁と莉子から引き剥がされる。


その間に莉子はちゃっかり部室のドアの前まで移動し、国見と話していた。


「だって俺の莉子ちゃんが!!」

「お前のじゃねーよ!」

「ちょっと話すだけだろ!落ち着けって!」



バタバタと暴れると3人係で力を加えられる。

国見と話していた莉子が、こっちを向いて笑顔で手を振った。


「じゃあ行ってくるね〜」

「莉子ちゃんっ!男は皆狼なんだよっ!気をつけないとダメなんだよぉっ!」
(って言うか行かないで!)


「莉子にとっちゃテメーが1番狼だっつの!」


「落ち着け!すぐ帰ってくるから!」



莉子の元に行こうと暴れたが抵抗も虚しく、騒いでいる間に莉子は出て行ってしまった。



「なんかあったらすぐ電話しろって言ったんで大丈夫ですよ」

「どーせ岩ちゃんにかかるもん」


「いじけんな、うぜえな」



胡座をかいて座り込むと、パシンと岩泉に頭を叩かれる。


いつ何が起きてもいい様に、莉子の帰りを皆で待つことにした。
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