腹黒王子と毒舌王女

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体育館の前に並び、挨拶をする。


入畑も相手の顧問もペコペコと頭を下げまくり、烏野が帰って行くのを見送った。



「莉子ちゃん、行くよ!」

「へっ!?はっ!?」


体育館に戻ろうとすると及川に腕を引かれ校門まで連れて行かれる。


「挨拶しなきゃね?」と校門に寄り掛かる及川に訝しげな視線を送っていると、烏野が来るのが見えた。



「なんだコラ。やんのかコラ」



…完璧に嫌われている。



「そんな邪険にしないでよ〜アイサツに来ただけじゃ〜〜ん」

「及川さん、あんまり失礼なこと言わないで下さいね〜…」


「分かってるよ〜」



絶対分かっていない。

分かっていない時の返事だ。



はぁ、と溜息をついて様子を見守ることにする。


「今日は少ししか出来なかったけど、次は最初から全開でやろうね。あ、そうそう。サーブも磨いておくからね」


日向と眼鏡の子を意味深に見ながら言う。

完璧に挑発だ。



「インハイ予選はもうすぐだ。
ちゃんと生き残ってよ?」


(なんでこう性格が悪いんだろう…)


「俺はこの…クソ可愛い後輩を公式戦で同じセッターとして正々堂々と叩き潰したいんだからサ」



そう言って影山をの目の前まで行って指をさし、挑発的な笑みを浮かべた。
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