青の騎士と護られ姫

□1章 1
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高校1年、4月。


どの高校でもやる事は変わらない。


勉強、部活、遊び…
どの高校でも良かったのだが、小学校からの幼馴染みである真奈が行くと言った高校に入った。



「真奈とやっと同じクラスになれたね〜!」


「中学の3年間は見事にバラバラだったしねー」


「でも高校で同じクラスになれて良かった〜!ねね、遊びに行こう〜」



幼馴染みの真奈と中学時代には同じクラスになれず、普段の会話もあまり出来ずに寂しい思いをした分、同じクラスになった喜びが隠せない。



「…あ。また同じクラスかよ」


「英〜!また前後だね〜!」


「…ま、知らない奴よりかは良いか」



きゃっきゃとはしゃぐ2人を見て、教室に入ってきた男子が眉を寄せる。


その男子は中学でも同じクラスになった事のある国見英というバレー部の男の子だった。


国見は自分の席に座ると欠伸をしてさっさと突っ伏して眠りに入る。



(英、相変わらずだなぁ…)


「そういえば、知ってるの?及川さんと岩泉さんは!」


「…言ってない、けど〜…多分知って
「莉子ちゃぁぁーーーーーーん!」


「来たぁ…」



真奈に話を振られ、答えようとしたその瞬間、当の本人が大声で廊下を走り、クラスのドアを勢い良く開けた。


文武両道、容姿端麗、見た目と多々才能は努力家ということもあり申し分ない及川徹。


幼稚園くらいからの幼馴染みの及川は自分にとって兄の様な存在であった。


ただ及川は過保護なほどの心配性でカナリ性格が悪い。


ニコニコとしていれば女子は寄ってたかり嬉しそうに黄色い声をあげる。



「莉子ちゃん!もー!青城来るなら言ってよー!!」


(声が大きい、存在感がありすぎる〜…)


「うっわ!ちょ、莉子ちゃん立って立って!!制服姿見せて!!ほら!!」



及川に関わるとロクなことがない。
だからこそあまり目立つことはして欲しくないが、当の及川はそんな事は気にしない。


笑顔で及川を見ながら“やめて”と訴えるが、気付きながらもわざとやっている所は態度からして丸わかりだった。



「うるっせぇよ!!黙れクソ及川!!!」


「あだッ!!!!????」


「ハジメ君〜っ!久しぶり〜!」


「岩ちゃんヒドイよ!莉子ちゃんもなんで岩ちゃんにはそんなに普通の笑顔なの!?」



及川徹を殴れる唯一の存在の岩泉一。

彼は小学校の頃からの及川徹の友人であり、バレーボールでの相棒でもある。


手のかかる及川に苛立ちつつも側にいる姿は親友であり兄弟であり親子に見えることもある程に、2人は仲良しだ。



「…よう、莉子。久しぶりだな。制服似合ってんじゃねーか」


「ホント!?ありがと〜!」



岩泉はわしゃわしゃと頭を撫でてニッと笑い、岩泉の笑顔につられて及川に対する笑顔とは違う、自然の笑顔で笑い返した。



「待って岩ちゃんそれ俺が先に言おうとしてたのに!」


「あ?知るか。…おい、もう戻るぞ、チャイム鳴る」


「えぇー!?俺莉子ちゃんともっと話し
「お引き取り下さ〜い」


「ヒドイ!!!!!」



駄々をこねる及川に笑顔で告げ、引き摺られながら笑顔で手を振る及川にため息をついた。
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