長編

□日常
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「終わった〜っっよし。お茶でもいれてくるか。」

名無しさんの一声に
俺も俺もと声が続く。

「大丈夫!みんなの分入れてくるから。土方さん達も居るのかな?」

「近藤さんとでかけてるよ。一君は巡察。山南さんは。。。」

平助の声が小さくすぼめられる。
それで充分察する事が出来た。

「オッケー。ちょっと待っててね。」


パタパタと炊事場へ向かう。
名無しさんの姿が消えるか否か原田は口を開いた。


「おっけーってなんだ??」

「名無しさんってさぁ。本当に未来人なんじゃねぇかな。ちょいちょい変な言葉使うし。」


藤堂に永倉もかぶせる。


「だな。ここへ来た時のこと思い出してみろ〜。なにを見ても目ぇ丸くするし。」

「自分で着物着れねえってのにはわざとかと思ったけどな。」


ククッと笑いを堪えて原田は言う。

「着物着れねぇ奴なんて早々いねえよなぁ。着付けを土方さんが教えたのもびっくりしたがな。」



「へぇ。そうだったんだ。だったら名無しさんちゃんの裸見たのかな?」

「総司っっまさか土方さんが。。。名無しさんの裸を。。」

「だってそうじゃない??平助。襦袢もなにも知らなそうだったじゃない。彼女。」


居間にむかうと
みんなの会話が聞こえる。


。。。は?
私の裸がなんだって??


バンっと襖をあけて


「服の上から着付けをしたから見せてません。」


お茶を乗せたお盆を持ちながら
名無しさんはきっぱりと言い切った。


「なんだぁ。土方さんもそこまで物好きじゃないってことだね。ここに居る三人みたいにさ。」


「そっ。。。」
「おい。。。」
「そりゃ。。。」


3人が同時に沖田へ向かい声を上げた。


「。。。年増で悪うございました!!」


ばんっとお盆をおくと


「仕事が残っておりますので!!」


ぴしゃんと襖を閉めてそこを後にした。




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