長編
□一から
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「総司 離れないでね」
あの言葉が脳裏で木霊する
鮮やかな君の声で
何度も何度も繰り返される
誰よりも孤独を
嫌っていたのは君?
いや違う
僕の方だったんだ
僕を置いて行かないでよ。。。
ねぇ名無しさん。。。
***
「誰って。。。
君 本気でそんなこと言ってるの?
その冗談笑えないんだけど」
冷静を装って彼女に沖田は笑顔を向けた
起き上がろうとした彼女の躰が
ぐらりと傾いたのを
咄嗟に沖田は抱きとめた
力のない眼差しがこちらに向けられる
「ここは。。。?
私はいったい。。。っ」
そこまで紡ぐと再び彼女は
意識を失った
「。。。なんの冗談だよ名無しさん
僕のこと。。。」
僕のこと本気で覚えてないの?
沖田は震える腕で
彼女を再び寝かせつけ
その唇を指でなぞった
息が苦しい
あれ 呼吸ってどうやってするんだっけ?
当たり前のことが
当たり前じゃなくなる
僕はこんなに弱かった?
君の言葉一つで
僕は
僕は
こんなにも。。。
。