長編
□本命は
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いつものように幹部が集まると名無しさんはお茶を持っていく。
何気無く言葉が入ってきて思わず
「違います!本命は池田屋です!」
会話に割って入ってしまった。
「どういう意味です?雪村君。なぜそんなことが言えるのです?」
冷静に。でも冷たい空気を放って山南さんは名無しさんを一瞥した。
「どういう意味だ?」
土方さんも低い声色で問てくる。
「ゲームでも、映画でも、本でも、ドラマでも池田屋なんです!これだけは絶対!!」
「。。。げーむ?」
藤堂が名無しさんの言葉に疑問付を浮かべるが意外なところから声が上がった。
「。。。げーむとやらはなんのことだか理解出来ませんが、貴方の言う未来では池田屋だった。。。と言うことで間違いありませんか?」
山南さんがまっすぐに名無しさんを見据えると何度もそうですと頷く。
「どうする?トシ。」
「。。。名無しさんの言うことがあっているのかもしれねぇが、あいつが未来人だという証拠もねえ。隊を分けた方がいいと思うが。」
土方は否を述べたかの様に思えたが
「池田屋の人員を厚くしよう。」
土方、斉藤、原田と平隊士合わせて12名と残りは池田屋へと向かうこととなった。
「山南さん。留守を頼んだぞ。」
低い声色で土方はそう紡ぐと門をくぐる。
それを見送る名無しさんは顔色を変えブツブツと何か呟いていると
「雪村君、どうしたのです?何か問題でもあるのですか?」
「山南さん。。。池田屋には。。。もしかして風間達がいるかも。。。総司と平助が。。。」
「風間とは何者です?」
山南の問いに名無しさんは
「鬼。。。なんです。羅刹の。。。完全体。。。」
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