†ANGEL story U†

□†【3】†
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天使のキャスを助手席へ
こいつが助手席に座るのは
一年ぶりだな…と
あの最後の日を思い出した

あの時は一人残され
キャスを…
と言うか天使を恨んだ
俺はあの墓の下で
眠っていたかったと

だが…
その選択のまま逝っていたら
サムは…どうしていただろうと

だってそうだろ?
きっとサムは
ルシファーに狙われていた
兄貴の俺が居ない世界でも

一人で戦っていたんだ

それを考えたら
…天使だけを恨むのは出来なかった
俺は少なくとも
サムの最後まで
あの時一緒にいれたのは
よかったと思うとこもあるから


キャスを先に飲み屋へ行かせ
俺は掛かってきた電話に出た
最初にサムで

次はリサだった
近くにいるのか?
電話だけじゃなく…逢いたいと
こんな俺に
こんな状況にさせてる俺に
言ってくれる事が
何よりも嬉しいと



飲み屋の中へ
テーブル席にトレンチコートは見あたらず
カウンター席を見たら
【……♪】
バーテンの目の前で見つけた

人を掻き分け歩いて行くと
天使の隣に
密着する様に座っている女がいた

【……*】

まぁ中身が天使だと考えなければ
キャスは中々の美形だ
たまに変な色気が出る程に


少しの間
俺とキャスの空白

その少しの間で天使のキャスの
カウンターテーブルには
たくさんの山のような空のグラスが置いてあった
【おいおい…】
あいつが酔うのは実証済みで
あんだけ飲んでりゃ
流石の天使も酔うだろう

一人で始めていた
天使のキャスに近寄ろうとし
少し躊躇った

理由は天使のキャスに
密着し座っている女の存在だ
あの女は確実に
キャスに興味をしめしている
…俺が行って邪魔をするべきか
単に躊躇った

あいつは女を知る前に
俺が…教えちまったが
やはり男として
女の良さは知るべきだと思うわけよ俺は

密着し座っている女が
キャスの背中を撫でる
微動だにしない天使のキャスに
そのゴツイ手をキャスの頬へと

【……ゴツイ?】

て…待てよ
あの密着し座っている女は
まさか…

ー…もっと飲みなよ
たくさん奢るわ
可愛い天使さん♪ー
《……ああ
私は…天使だ》

声が…野太ッ!
ビンゴあいつは男だ


男とわかれば
天使のカスティエルの隣は
【お待たせ…キャス】
《………ディーン》
俺だけだ譲らねぇ

ーまあぁ
友達も可愛いわね♪ー

【…そんな事はない】
《ディーン…は…美しい》

ーそうね♪
カスティエルちゃんが可愛い坊やなら
貴方は綺麗な坊やね
貴方にも奢るわ飲みなさいー

【いや…いい】
《…中々美味いぞ》

ー…いくらでも
奢るわよ?ー

【キャス…ご馳走さまと
彼に言え】
《あ…ああ
ご馳走さま…》

天使のキャスに密着していた女の様な男は
名残惜しそうにキャスの頬を撫でて
ーカスティエル…首輪をつけて
裸にして置いて置きたかったわ
私の部屋に…ー
《???…私は犬じゃ》

キャスが言葉を最後まで言う前に
【ッ!!】
強烈なキスをした

天使のキャスの首根っこを掴み
強引に引き離し
《………》
目を大きく見開き
驚いて固まるキャスの口を
【クソッ!無防備すぎだ!】
手拭きタオルで拭きまくり

そのまま引き摺り出す様に
飲み屋から出ていった

《…ディーン
歩きにくいから放してくれ》

何とも鈍感なクソ天使
オカマにキスをされ
何とも感じてないクソ天使

腹立って思いっきり
掴んでいた首根っこを放した

【…おまえ
あのまま一人でいたら
どうなってたと思う?】

《?…女だと思ったら
男だった人間…とか?》

【そうだ!答えろ!クソ餓鬼!】

《…???》


おいおいマジかよ
首を傾げるのか?
こんなわかりきった事に
【おまえ
お持ち帰りされて
その尻を喰われてたんだぞ!】
《…く…喰うのか?
私の…尻を??》

【喰われてたってのは
その尻にチ●コをぶちこまれてたって事だ!
s●xさせられてたって事だ!
この無防備の箱入り天使が!】

《……そ…そうなのか》

【……クソ天使!
大事に扱え!そのおまえの尻は
俺ダケの専用の尻だ!】

《???
す…すまない…ディーン
よくわからないが気を付ける》

【本当に気を付けるのかよ!?
見ず知らずの人間の奢りで
棚のグラス空にするくらいの
ピッチで飲み続けて!阿呆か!!
アレでマジでどっかの金持ちの
ニューハーフじゃなくトンズラされてたら
誰があの酒代を払うんだ!!
俺が居なきゃそのまま何にも知らずに
お持ち帰りされて
バコ●コ尻を掘られて傷物に
されてたんだぞ!?
全てに置いておまえは……】

《………す…すまない↓↓》

【…もういい…クソ
何でこんなに腹立つんだ俺も
はぁはぁはぁ】

《だが…》

【?】

《…きみとしか
今は行く暇はない…》

【今だけの話じゃ……って
この箱入り天使が
おまえのせいじゃねぇ
おまえを育ては親の責任だ!】

《……私は
誰にも育てられては居ない
家族は居ない》

【……キャス】

《???》

【おまえは…俺が育てる
俺を信じて
言われた事は全て吸収するんだ
OK?】

《??…OK》


すまない
わかった
こいつはポンポン言葉に出すが
毎回同じ事を繰り返す
不用心なんだよ基本
弱い猿の惑星だからと
危機感がねぇんだ

猿の惑星だってな
危険な事はあるんだキャス
おまえはお人好しな天使
無闇に人間は殺せないんだ

【…今日は帰る
俺なんか疲れたわ】

《!》

もっと無い脳に
その優秀な記憶力を使って
覚えろってんだよ!

《待て…ディーン…ディーン》

何が神の神聖な戦士の天使だ!
此処に来たらただの餓鬼じゃねーか
マジでトレンチコートを着た…

【………】
ぎゆッ…
《………》

赤ん坊だカスティエル

【離れろよ…】
ぎゆッ…
《帰らない…》

【俺は帰る…】
ぎゆッ…
《ディーンは帰らない…》

俺より歳上で
俺より少し身長が低くて
普段は眉間にシワをいれ
仏頂面のタレ目の青い目
真っ黒な髪に無精髭

歳上の大人が…
【??
…俺は帰らないの?】
ぎゆッ…
《…ああ》
何故…こんなに可愛いのか

【…じゃあさ*】
《???》

【ホテル…行こうか♪】
《…ッ!?》

【…おまえは俺のだって
もっと脳の中に
刻まなきゃいけないだろ?
危機感を生ませる為に】
《???》

【いや…身体にも
覚えてもらわなきゃな】
《…ディーン?》

【逃げるなよキャス!!
俺を信じて着いてこい!】
《…あ…ああ》


そして…
朝方
小さなベットに大の大人が
二人で真っ裸で寝ている

キャスはまだ地上に居ると
隣で密着している肌を感じ
その人物の髪を撫でて顔を向ける
【おはようキャス
一応聞くな…睡眠とったの?】
《天使は寝ない
…テレビを見ていた》
【すげぇな…おまえ
あんなに鳴いてたのにな】
《ッ!》
普通の顔したキャスが
確かにテレビを見ていた

【………】
《…?》

【起きたら
どうするって教えた?】
《あ…お…おはようディーン》

天使のキャスが俺の顔に
顔を近づけて
【♪♪】
《…ディーン》
頬にキスを

[…………]
〔………〕

している姿を
[ああ〜…好きだよな兄貴
そんな感じのベタな朝の爽やか系]
〔…カ…カスティエル//
何故…は…裸??〕

[だれだ?おまえ]
〔あ…迎えに来たんです
カスティエルを…カスティエル!!〕

【な……なななな】
《??》

【何で居るんだ!!!!】
《…ディーン
私は戻らなくては》

[え?朝まで帰って来ないから
GPSを使用して
鍵はキーピックであけたけど?]

【帰りを待てないくらい暇なら
ジョギングでもしにいけよ!
俺は未成年の女子か!?】

[危なっかしいから兄貴は
直ぐに魔物に狙われるし]

【おまえが今は
そうしてんだろが!】

[人のせいにするなよ
ほら事件見つけたから行くぞ
兄貴も早く用意しろよ]

用意?
【!!】

隣を見ると
若い少年がキャスが服を着るのを
手伝おうとしていて
そのキャスの姿は
勿論真っ裸で…

[へぇ…歩かないくせに
引き締まった身体を
維持してるんだ…]

丸い丸い真っ白な尻を披露しながら
〔み…見ないでください!〕
《??……》
割れ目から…

[中出し派か兄貴は]


〔βδΣΡΠΖッ!〕
《‥??》

【キャスにだけだ!
きちんと避妊してるわ!】

まるで俺が天使のキャスを
汚したかの様な目で
連れ戻しに来たと言った
可愛い坊やの天使に睨まれ

サムはサムで
普通…こんな場面を見たら
弟だったら慌てふためくだろうが
淡々と俺の脱ぎ捨てている
服を拾い集め

天使のキャスはキャスで
服に着替えたら
いつもの仏頂面で俺を見て

《‥ディーンは
してくれないのか?
朝の挨拶と共にするのだろ?》

新しく覚えた知識を
俺に促し
小さな顔を近づけて
【‥‥】
《‥♪》
全くもって普通の態度

迎えに来たと言った
天使の少年が一番
人間臭いのに俺がショックを受けた

当分また逢えないんだろうなキャス
そう思い
《‥*》
背後に天使が叫んでいたが
取り合えずキスをし
丸い真っ白な尻を撫でた

[‥変態親父か兄貴]

冷ややかな目線を
弟から受けたが…

【また逢いに来いキャス…】
《‥‥ああ》
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