†ANGEL story W†

□†【16】†
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瀕死の弟を救うために
弟を騙して承諾させ
天使を憑依させた
一番の俺の今の過ちだ

サミーの中には天使がいる
内から癒し
天使本人もサムの中で癒される
だがソレを決断したのは
その天使をうちの天使は良いやつだと
言ったからだ

そのサムを器にした天使が
最近めんどくせぇ事を言い出している
カスティエルを追い出せ
カスティエルは天使の標的で
自分も狙われると然もないと
弟を癒さず出ていくと威圧する

【………】

サムも天使の憑依を知ったらキレるだろう
カスティエルは…どうだろうか
カスティエルは俺の味方をするだろうか

もう今は
考える必要は無い事だが
巻き戻す気が無いからだ

俺は
唯一の肉親に生きてほしい
家族を守りたい
サムを守るのは俺の生きる意味で
今も昔もずっと
それだけだからだ
それだけは死なないと消せない
自分の意思だ
《‥ディーン?》

【どうした…】

《サムの調子はどうなのだ?》

【ああ〜…調子はいいらしいぜ】

《‥たまに
人格が変わるのだが…》

【流行ってんだよ今それ】

《‥人間の中で?》

【サミーだけ】

《‥‥本気か?》

【何だっていいだろ
それより美味いか?】

《ああ〜…美味いよ
チーズバーガ♪
分子レベルで味がしない》

【そりゃよかったよ…】

《きみは?珍しく
食が進んでいないが…》

【‥昨日飲みすぎて
胃の調子が悪いんだ】

《私も左の腹が
何だか痛いのだが…》

【う●こ溜まってんだろ
出してこいよ】

《‥‥疲れるから嫌だ》

【……おいおい
んなんで疲れるとか言うな】

カスティエルといると
不思議な空間にいる感じだ

家族 親友 戦友 恋人
この感覚に
全てがあてはまり
初めて味わう空間

【…キャス】

《??》

何があっても
コイツも変わらないんだ
暴走した時だって
リバイアサンに操られちまう前まで

本当にギリギリまで
俺に理解を求めてきた
俺は家族だと言い

【……どうだ?
なれたか?人間の生活は】
《どうだろうか…》

【…そうだよな
まだ日は浅い】
《………》

【天界に帰りそびれたな…キャス】
《…そうだな
死にそこねたな》

【…ばか野郎
んな事を言うなよ】
《私が騙されていなくて
アレを実行していたら
きっと幽閉されていたか
抹消されていた…
それくらいの事を私はした》

【…そうだよな
だがなキャス
おまえに死なれちゃ困るんだよ】
《??》

【…俺には
おまえが必要なんだ
勿論戦う上でもだが
それだけじゃねぇんだ】
《…うむ》

【俺はな
俺より強くて頼れて
滅多に死なねぇ
おまえが現れて
やっと…見つけたんだよ】
《…家族》

【ああ〜…そうだ
おまえは家族であり
俺の親友でもあるんだ…】
《…ディーン》

【??】
《きみが
そんなに素直に
言葉を放つと少し…怖いな》


ファーストフード店に
カスティエルと居る

何故…此所にいるんだと
考えたが
理由が見つけられなかった

外は
感覚だけで言うが
とても平和な空間が漂う

悪魔や魔物や天使が居ない
とても…平和な

まるでダチと
ファーストフード店に意味もなく
寄った
そんな感じだ

コレってさ…

【…だって夢だろ?】
《??》

俺が見ている夢の中だ

【くく…
おまえは今なら飛べるよキャス】
《…何故?》

【周りを見ろよ
みんな見ているぜ?
おまえの背中にある物を】
《??》

携帯の画面に
カスティエルをうつして見せた
《…羽だ》
真っ白な羽が共にうつった


俺の夢の中に現れるおまえには
いつも
本来は見ることがない
真っ白な羽が見えるよカスティエル

美しい真っ白な羽だ

そして…
《…捨てた筈なのに
私は…何故?トレンチコートを着ている?》
【‥買ってやったんじゃないか?
俺か…もしくはサムが♪】
出会った頃の風貌

これは夢ならば
話してしまいたい
今の俺の…話をキャスに

だが
それは俺の性格上無理らしい

【‥さて
何処へ行こうかbaby】
《そうだな…
きみとならば
何処へでも行きたい》

【……死の世界でも?】

青い海の様な
濁りが無く透き通る
天使カスティエルの瞳は
言葉よりも物を語るんだ

夢の中でもリアルでも

《…構わない
だが…きみには生きてほしいが》

【‥‥くく】

《きみが死んだら
私はきみと会えないよディーン…》

【何故?】

《私は…天へ戻れない
故にきみを生きかえさせる事が不可能だ》

【…ん】

《そしてきみは
甦る事を…望まない
違うか?ディーン…
きっとサムもそうだろう》

【………】

サムを死なせたくないが
自分は…もう
窮地に立たされたら

確かにもう

【…おまえに会えないのは
嫌だなカスティエル…】

《ディーン…》

此処は夢の中
パイの様に甘い空気が漂い
静かな空間が漂う

鳥の囀りが聴こえそうな程の

此処は夢の中
何だって出来るさ
今だけはリアルは置いておこう

【…キスをbaby】
《……》

顔を突き出すと
カスティエルが少し
照れた様に笑い
俺の額にキスをした

《…きみに祝福を
きみの幸せが
私の幸せだよディーン…》
【ありがとうよ…守護神
違うとこにもキスをしろ】

《…周りが見ているが》
【構わねぇよ…
この小さな世界では気にしねぇ】

青い澄んだ瞳は
ジッと俺をとらえたまま
ゆっくりと近づく

俺は
真っ白な頬へと掌をあてて
ゆっくり撫でたら顎を掴む

少し強引に顔を引き寄せて
くくッと笑えば
《……》
長い睫毛が震えて

【………キャス?】

夢の中の特権だ
青い瞳が濡れていき
ポロポロと涙が頬を伝った

《幸せ過ぎて…怖いよディーン》

そして俺の唇へ唇をあてた

【幸せ過ぎて怖いとか
くく…おかしな話だなキャス】
《…ッ‥》

【泣き顔も…可愛いなキャス】
《泣いているのか?私は》

【ああ…泣いている】
《…そうか
初めてだよ…ディーン》

【おまえは
よく泣くよ】
《??》

俺の夢の中では…な

【さて…どうしようかカスティエル】
《??》

【…俺さ
仕事と酒と女とsexとギャンブルしか
知らねぇんだ
なんかあるか?したい事】
《…きみと?》

【ああ…
こんなに良い日は
此処でしかない
平和を楽しもうぜカスティエル】
《…ディーン
私は…狙われている
此所にいる事も
本当は…危険だきみも》

【…大丈夫だっつってんの
なんかねぇのかよ…】
《何かと…言われても
私も戦いときみしか知らない》

【……くく】
《??》

【じゃあ
ドライブしようカスティエル
その道に何かあったら
そこへ寄ろう】
《あ…牧場があった
牧場には生き物がいるのだろう?
ケビンに聞いた
そこへ行ってみたいディーン》

【OK♪
そこへ行こうかbaby】
《…うむ♪行こう》

インパラへ二人乗り込み
俺はエンジンをかける
それをカスティエルが
ジッと見つめている

【助手席好きだな】
《一番開放的だ
それに…》

【それに?】
《…きみが…近い》

【…何だよそれ】
《私は
きみの隣が好きだ
きみの後ろに立つのも好きだ》

【…前は?】
《前は…きみが見えなければ
少し隙ができる
前に立つと言うことは
あまり好きではないな
例えれば私は神の前には立たない
きみにもそうだ
目の前の者と戦う時は‥別だが》

俺の前には親父や母が

俺の少し前にはボビーが
エレンやジョーや

全て…居なくなり

隣には常にサムが居て

ふと
第三者的に自分を見るんだ
真横に常にいるサムが消えちまったら

俺には…何が残るか?と
【…そうだな】
《うむ…》

おまえが現れたら
俺の後ろに
暖かさを感じたんだ

【背後は俺の弱点だ
しっかり守れよ守護神‥くく】
《任せろディーン
ああ〜…今は無理かな》

【おまえの背後は
俺に任せろキャス…くく】
《‥くく》

背中合わせで戦う強さに
勝るものは何処にもない
おまえは俺に
ソレを与えた

【あ…あれ牧場か?】
《…生き物が好きだ
早く見たいよディーン…》


【‥ああ
直ぐに見れるよキャス】
《…♪》


牧場にインパラを停めて
車内から出たら…
【!!】
残念だ…夢が覚めた

《….。o○》

だが…
寒くて布団に潜りこんでいた
天使が目を覚ましこう言った

《…ディーン
牧場に入れなかった》

ああ〜…こいつ
僅かな力で
俺の夢の中に来たのかな?

【俺も見たかったよ
おまえと牧場が…くく】
《…きみも
夢で牧場を?》

【…そうだよ
同じ夢を見ていたらしい】
《もう一度みたいな…》

【じゃあ
手を繋いで寝ようかキャス】
《…うむ》

天使とは未知な生き物だ
恩寵があった時は
ソレは証明してみせている

《…手を繋いで寝ると
同じ場所で夢を見れるのか?》
【言い伝えだが
望めば出来るさ…】

《…そうか
では…望んでみよう》
【くく…】

サムがカスティエルを
こんな風に例えた

"心地よい猫

トロいやつ

完璧な器械

そして巨大な神の仔犬"

【…おまえは
愛されキャラだなカスティエル】
《??》

歪んだ者さえ
おまえには手をくださなかった

《…そんな事はない
きみの方が
よっぽど周りに愛されているさ》
【…俺は
サムとおまえが居ればいい
サムとおまえに愛されりゃ
それだけでいい】

《…私も
きみに愛されれば
それだけで構わない》
【…ん】

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