†ANGEL story W†

□†【7】†
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((《……寒い》))
[‥もう冬だからね]

((《こんなに寒い♪》))
[…う…うん]

((《身体が痒い…》))
[乾燥してるね
ボディクリーム塗りなよ]

《ボディクリーム??》
真夏でもトレンチコートを
平気な顔して着ていた天使は
人間になり
外気温の上がり下がりで
肌に感じる感覚を知ったからか
何だか…嬉しそうだ

((《………♪》))

【おいキャス
窓閉めろよ!!さみーな!!】

兄貴に怒鳴られ
渋々カスティエルは窓を閉めた
そして…
((《ディーン…
外へ行きたいのだが》))
そう言葉を投げた

ディーンは一言
【駄目だキャス
おまえは天使からも
死神からも狙われている】
まぁ そうだよな

[……兄貴
買いものくらいなら
外出してもいいんじゃない?
近くにあったろ?
もうさ随分此処に籠りっぱなしだし]

【………】
((《ディーン…外に出たい》))

[僕も行くからさ]

兄貴は腕を組
渋い顔をしながら舌打ちをし
【…わかったよ
出掛けるからジャケットを着ろキャス】
自分の厚手のジャケットを
カスティエルに投げて言葉を放った

《‥‥♪》

【………】
[キャス…嬉しそうだね]

スタスタと駐車場を
僕達の前を歩きインパラの前へ
そして早く鍵を開けろと
ディーンに目で訴える

【…メタトロンに騙され
人間にされ
挙げ句に羽も奪われて
アイツは今
どんな気持ちなんかな】
[…辛いよ
僕だったら暫く塞ぎこむかな]

《ディーン♪…早く開けろ》

【‥‥‥】
[‥‥‥たぶんね]


カスティエルにカートを持たせ
その中へ物を入れていく
カートが止まったかと思うと
《………
ジッとチョコバーを眺めている
天使がいた

【アイツ
隣の餓鬼と
同じ事してるぜ…くく】
[………]

子供は持っていた菓子を親に回収され
陳列棚に戻され
泣きながら菓子ゾーンから去った
その姿を
首を傾げながら天使は見ていて
自分が持っていたチョコバーを
陳列棚に戻そうとした

それを…
【おいキャス
カートを止めるなよ】
カスティエルをカートへと押して
欲しがっていたチョコバーを二つとり
《!》
カゴの中へと放って
【食ってみたかったんだろ?
俺が大好きなチョコバーを♪】
《…ありがとうディーン♪》
背中を軽く叩いて言葉を投げた

天使の石板を持って消えて
それをクラウリーに奪われた時は
兄貴は本当にキレていて

僕は…複雑な気分の中でも
いつか僕が兄貴より先に逝き
兄貴を一人残すくらいなら
信頼できて且つスーパーマンのキャスが
傍にいてくれればと思っていた
から

メタトロンに騙され人間になってしまったけど
またカスティエルと
珍しい笑みを浮かべながら
過ごす兄貴にホッとした

《ディーン…
歯磨き粉が無くなりそうだった
あと洗濯用洗剤と
トイレットペーパー》
【OK
それを買おう】

[歯磨き粉はさ
二人とも必要以上に
口のなかに先にいれるから
直ぐに無くなるんだよ?]

キャスはディーンの真似をして
口の中に大量の
歯磨き粉を入れてから
歯を磨く…
見本は本当に大事なんだけど
兄貴は細かい事は気にしないからな

駐車場を歩いていると
目の前に誰かが立っていた

無意識に僕達は
隠しながら武器を握る
これは直感で
その誰かは人ではないと感じたからだ

ー…カスティエル?
憑依に成功したばかりで
バーソロミュー様の命令を
捕らえる事が出来るなんて
俺はラッキーだー

【…たまに出たら
ドンピシャかよ…クソ!】
[やるしかないよ兄貴…]
《……すまない》

カスティエルを狙う天使が
一瞬で
僕達の目の前に移動した

僕と兄貴は軽く
宙へ飛ばされ
兄貴は車に
僕は壁へと激しくぶつかり落下した

兄貴がカスティエルと睨み合う天使の
背中に銃弾を撃ち込む
勿論天使はケロッとしていて
兄貴の方へと瞬間移動をした

兄貴は咄嗟に
天使の刀を振り上げ
攻撃を交わしながら
ーくわあああッ!ー
敵の肩を切り裂いた

天使の攻撃で兄貴は更に
遠くへ飛ばされて
兄貴の手から放り出された
天使の刀が僕の元へと飛んできて
[…人間だってやるだろ?]
ー!?ー
背後にまわっていた僕は
天使の刀で敵を倒した



《……ディーン??》
【…ッ!】


カスティエルが兄貴の前に座り
《…すまない》
肩を竦めて弱々しい顔つきで
頭を下げた
兄貴はそんなキャスに
【すまないじゃねぇだろ?
ありがとうだ!覚えろ
てか…身体がいてぇから
起こしてくれキャス…】
そう言葉を投げた

キャスが前から両腕を
兄貴の腰に巻き付け
抱き起こそうとしたら
【……】
《……》
兄貴の体重が重すぎたのか
兄貴の身体に前のめりに崩れた

[…………]
昔のキャスなら
1トン軽々持ち上げてたからな

【キャス…鍛えなきゃな
ジミーの腕力じゃ
俺を抱えるのは難しいだろうな】
ぎゆッ…
《………ッ》

暫くジッとディーンに
抱きついたまま
動かないキャスを
ディーンが…
《ッ!!ははははは!》
脇を擽り笑わせて
【くく♪】

キャスを退かし
代わりにキャスを抱き起こし
【人間歴が長い俺を
そう簡単に勝れると思うなキャス】
《……》
頬を軽く叩いて言葉を投げた


[キャス…手首が赤いよ?]
【…あ】

《さっき掴まれたからだろう…》

[痛い?]
【……】

《きみたちの方が
痛いはずだ…私は大丈夫だ》

少し…手首が震えてた
[………]
怯えている
力の差にキャスが怯えている





それからキャスは
外に出たいと言わなくなり
キャスは賢人の基地に籠る

[………ディーン
キャスの恩寵どうにかならないかな]
【ケビンに調べさせてる
アンナの時のように
回収出来ればいいが…】

キャスは談話室のテーブルで
ケビンの仕事を眺めながら
ディーンが渡した
此処の書物を手に
「キャス…」
《…??》
「…僕もディーンは
持ち上げられないよ」
《!……そうだろうな
きみなら私は持ち上げられる》
「くく…
僕はキャスを持ち上げられないな
あ…キャスごめん
ソコのとってくれる?」
《…だが私は
石板の文字は読めない》
ケビンと会話をしていた

【…………】

ディーンは何だか
険しい顔でジッと天使を見ていて
髪を掻きながら風呂場へ向かい
ーキャス!風呂に入るぞ!来い
あとボディクリームも持ってこいよ!ー
言葉を投げた

僕は
とにかく今何をするか
狙われているキャスの事と
落ちて地上に危害を与えるバーソロミューの事とか…
メタトロンの事とか…
最近現れた
もう1つの天使の
バーソロミューに対立しながら
キャスを狙う派閥組織の事を
どう対処するかを

「??」
[ああ〜…気にしないで
僕も調べものをする]

………考える事にした


取りあえず
兄と僕の天使は
此処に閉じ込めとくのは
見ていて忍びないが
一番安全だから居てもらいたい

「……大の大人で
男同士で一緒に風呂か…」
[?]

「……楽しいのか?
それって…」
[うーん…
あれじゃない?
親子で背中を洗い合うやつ
男同士のさ…]

「たまにカスティエル…
身体中に赤い痕を残してくるけど…
あれもそう言えるの?」
[ケビンもキャスと入ってみたら?
何かわかるかもよ
ディーンの衝動が…くく]

「……いい///」
[はは♪]

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