†ANGEL story W†

□†【6】†
1ページ/1ページ



「…キャス
お腹すいたんだけど
何かある?」
《ケビン…
うむ…今食材を切らしていて
ブリトーしか無いのだが
彼等が帰りに買ってくると行って出た
…食パンと余りの野菜と
ひき肉がある
何かを作ろう少し待て》

「ありがとう
…ねぇキャス?」
《???》

「僕のママは…生きてるかな」
《……すまないケビン
今の私にはわからないが
クラウリーの本質を考えると
きみがまだクラウリーにとって
重要な人物であれば
きみの弱点である
きみの母親を取引に
使用するだろうな…》

「そうか…アイツは
僕が聞いても何も答えないから」
《??
何か言ったか?》

「いや…何でもない
じゃあ僕
出来るの待ってるね
お腹が空きすぎて
仕事が捗らないからさ」
《そうだな
腹が減ると思考能力や
集中力や動作が鈍る
直ぐに用意してやる…》

不思議だ
正直カスティエルを知らなかったら
ただの傲慢なマフィアの
組織のような天使のイメージ

不思議だ
彼は何故…
《…♪》
同じ天使なのに
エプロンを着けて
人間…いや彼等にしては猿か
その猿の為にご飯を作っているのだろう

「…今日はピンクのエプロンか
ディーンどんな顔して
買うんだろうな」

セッセと手際よく
食事を作るカスティエル…
確かに彼は
会った時も手際よく食事を
兄弟や僕に作っていたな

どうやって
覚えたんだろう…

《…???》
「キャスは
なんで料理が出来るの?」

《…ジミーが作っていたからだろうか
切るという動作が身体が覚えていて出来た
それに私の武器は刀だ
包丁は使いやすい
料理のレシピはサムがくれた
それを暗記し脳につめた》
「…全てを暗記??」

《私達天使は
兄弟全員の名前や
神々の名前や死神に悪魔
人類の歴史に
悪魔や魔物や天使の歴史
そして武器やら呪文
全てを暗記できる能力を持っていて
私はその中でも
暗記は更に得意なのだ》
「…凄いなキャスは
もし…きみが人間だったら
僕が必死になって
勉強し行くはずだった大学も
小学生の勉強くらいに
簡単なんだろうね」

《…だが私は
それ以外の人間の事には
まだまだ知識不足だ
きみの方が
今の私には凄いと思うぞケビン》
「……そうか
ありがとう」

僕がこの世界に入らなければ
きっと
普通の人生を送っていて
架空上の者だと思っていた
天使となんて
話すことなどなかったんだろう

《…ケビン
もう少しかかる
休んでいるといい
部屋まで運ぶ》
「…いや
見ていていい?」

《??》
「エプロンの柄は違うけどさ
何だか
その姿で料理している
後ろ姿を見ると…ママを思い出すから
見ていたんだ…」

《…そうか》
「……はは」


この天使は
何故
本来の天使らしさを
思い出したんだろう

数千年も生きてきて
本来の自分の在り方を
忘れてしまったナオミ達天使と
同じ生き方をしていて…

"貴方がカスティエルを壊した
地獄から貴方を救いだした瞬間に"

何処かの天使が言った言葉
そうか

【ただいま…】
[…ただいま
あれ?ケビンとキャス
何やってんの?]

疑問には在った筈だ
本来の天使の在り方は
常に消えない筈だ
それを塗り潰してしまっていただけで
彼は今の在り方に
疑問を常に考えていたのだろう

そして思い出したんだろう
未来よりも今の在り方を
まず修正し正すという彼を通し
修正し正すと言うことは守ると言うこと

【ケビン…
おまえはきちんと寝て
飯を食って仕事しろって
いってんだろ!?
あと部屋に鍵はかけるな!
俺たちは家族だ
鍵は必要ねぇ】

「…ディーン」

僕は彼を
最初は凄く怖いと感じ
僕の世界を壊す者だと感じていた

そんな彼は
給料がでるわけでも無く
感謝を全ての者に
されるわけでもないのに
常に死と向き合い
道を真っ直ぐ歩いていて

そんな正義感溢れた彼に
僕は触発されたんだ
そして信頼し
そして今は…

[出来たの?]
《…うむ
焼いた食パンに
キャベツとチーズ
そしてデミグラスがついた
ハンバーグを挟んでみた♪》

【…美味そう♪】

彼がとても大好きだ

「駄目だよ
僕のなんだから♪」
【キャス!俺のも作れ!】

[子供かよ兄貴は…]
《…くく♪》

カスティエルも彼が好きになった
僕もカスティエルが好きだから




兄弟が狩の仕事に出掛けると
この大きな賢人の基地には
天使と僕だけになる

天使の頭に浮かんだ?マークを
答えるのは僕になる

今日はディーンの脱ぎ捨てられた
ジャケットを畳んでいて
見つけたモノを持ってきて
《…ケビン
これは…なんだ??》
いつもの様にコンドームを見せ
言葉を投げた

「完結に知りたい?
詳しく知りたい?」

《ケビンは忙しいから
完結でいい…》

「それはsexする際に
男の生殖器に被せ
妊娠を防ぐ為に重要なモノだ
特にディーンの様に
sexする相手がコロコロ変わる者には
必需品だ」

《……………なるほど》

「??」

《…私も
持っておかなければならないな》

「相手がいればね」

《ケビンはあるか?》

「僕にはsexは
今は必要ない行為だから
必要ないから持ってないよ
カスティエルも今は必要ないでしょ」

《………そうだな
ディーンが持っていれば必要ないな》

「………………」

《男同士は必要ないか?》

「あるよ」

《そうか…ならば
ディーンには使用させなくては
ならないな
ジミーが病気になるのは困る》

「そうだね…」

たまに早く帰ってこいと
心から思うのは
カスティエルには秘密だ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ