†ANGEL story W†

□†【5】†
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《…ディーン》

真夜中に天使が
部屋にやってきた

何だ?と聞くと

《羊は…どう数えるのだ?
羊は…どの羊だ?》

そう言葉を投げた

【…あん?.。o○】

更に何だ?と言うと

《………眠り方が
よくわからないのだ
放浪者の者に
そんな時は羊を数えろと言われた》

そりゃそうか
今まで眠っていなかったからな
ってか‥眠り方?
眠るのに何か方法があったか??
【羊は毛ガリされる前の
あの真っ白でモコモコしたヤツだ
ああ〜…ほら星座とかのよ】

《‥うむ》

【んで…それを
1から100までは数えていくんだよ】

《‥そんなので
眠れるのか?》

【おまえは無理だろうな
淡々と数えていきそうだ】

《……他には?》

眠る方法か…
【ん〜……】
単純に言ってみるか

【目を閉じて
"無"になるんだ
何も考えないで…出来るか?】
《………考えてしまう》

【駄目か…じゃあ
幸せな事を考えるとか
どうだ?
おまえが嵌まった蜂とかよ
花とか草とか動物とか
癒しを想像するんだ】
《癒しをか…》

【出来るか?】
《やってみよう…
ありがとうディーン》

天使が部屋へと戻って行った
そして翌朝

「ふあぁ〜….。o○」

【よぉ
おはようケビン
今日は一段と眠そうだな】

「‥真夜中にさ
キャスが来てさ…」

【?】

「羊を数えても
癒しを想像しても
眠れないとか言いに来て
僕のヒーリングの音楽を貸そうか?って
選んでいいよって話したら
‥‥部屋で聴きだして
ヒーリングが気になって
眠れなかったんだよね」

【その音楽は効果無いな】

そして
[‥おはよう.。o○]
珍しく俺よりも遅く
サムが起きてきた

【珍しいなサムが
俺よりも起きるの遅いとは
体調わるいのか?】

[‥‥キャスが真夜中に来てさ
羊を数えるのも
癒しを想像するのも
ヒーリング音楽を聴くのも
どれをしても眠れないから
何か方法が無いかって来てさ
眠気はあるみたいだから
絵本を読んだんだよ]

【‥絵本?】

[昔
子供の頃に
僕が眠れなかったときさ
ディーンは絵本を読んだんだよ
それをキャスをベットに寝かせて
ベット横で座って読んだんだ
‥‥‥で
全然寝なくてさ
僕が限界で部屋に戻ったんだけど
‥‥‥‥‥眠いよね.。o○]


どうやら
一通り回って
眠る方法を探したようだ


天使の部屋に行くと
《…zzzz》
流石に人間になり
疲労などからの眠りに
入っていたが…

人間で言うと
不眠症なんだろうな…

【‥‥‥】

その日の夜
トイレヘ行くと
談話室から何かが聴こえた

談話室を覗くと
キャスが絵本を
朗読していた

《…?》

【‥よぉ
ガキはもう寝る時間だぜ?】

《…眠くない》

【嘘をつくなよ
眠い筈だ】

天使は…
《…静寂が
私に色々な事を考えさせる
胸辺りがザワつきだし
眠れない…》
絵本をテーブルに置き
言葉を投げた

ガキの頃に俺が眠れなかったとき
恐怖や寂しさや
不安を持っていた時だった

そんな時は
母親が絵本を読んだ
それを俺はサムにやった
サムがキャスにやったそれは
効果を表さなかったのは

何故か?

【…それ貸せよ
俺の部屋に来いキャス】
《………》

それは相手が
自分のどの重要な
位置にいるかで変わるんだ

ベット二人で寝転がる
半身に当たる
キャスが冷えていたのに気がつき
俺は半身を擦りながら
絵本を読んでやった

めんどくせぇが
真夜中に起こされるならば
起きた時にやる方がいいだろ?

【………】

コレはどういう意味だ?とか
質問がいつの間にか消えて
ふとキャスに目をやると
《…zzzz》
俺の腕に顔をあてて
小さな寝息を……眠ってら

【最初から
眠れるようになるまで
ベットにいれときゃよかったんだな】
《‥zzzz》

【…キャスおやすみ
ふあぁ〜….。o○】
《zzzz…》

眠れない時に
一番必要こと
俺が思うに最後の1つは
最も安心できる場所だ
信頼できる大きな者に守られていると
昔餓鬼の頃に
親父のベットで寝ていた自分みたいに

キャスはその日から
いつの間にか
朝起きると真横で眠っていた
起こされる事が無くなった
サムは嫌がるらしく
ケビンと俺のベットにランダムで潜っている
それが習慣になった

そして
いつの間にか
朝起きると
ケビンや俺の真横にキャスは居なくて
《おはようディーン…》

キャスは一人で眠れるようになった

【おはようキャス
今日は夢をみたか?】

《…うむ
きみと浜辺を歩く夢を見た
波の音や潮風が
とても気持ちがよかった》

夢も見るようになった

【‥そうか】

《きみは…
突然消えてしまったが
私はその後
何もない砂浜を
ひたすら一人で歩いていった
初めて見た夢にしては
あまり嬉しくなかったな…》

【俺もおまえが消える夢を見たことある
随分あん時は魘され続けたよ】

《‥私が消える夢を?》

【おまえが
リバイアサンに完全に乗っ取られて
湖に消えた時の…姿だ】

《‥‥そうか》

【あれは…悪夢だった】

《悪夢?》

【2度と見たくないような
夢の事を悪夢というんだ】

《‥そうか
きみが消えた夢は
私には悪夢といえよう
私はきみといるのが
とても…好きだから》

【悪夢の後は
寝付きが悪い
そんな時は…俺のベットに来いよ?】

《…ああ
きみの声と存在と匂いと
体温が一番の
私の安眠方法だからな…》

いつまでも
同じベットで
おまえと眠っていたいよ…キャス

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