†ANGEL story V †

□†【8】†
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【……♪♪】
《……》

【おいキャス…
もっと楽しめよ!】
《……》

【なんで固まってたんだよ!
進歩しねぇなー】

《何故あの女は
私の身体に必要以上に触れたのだ》

【今日は一人対一人じゃなく
一人に数人女がついて
飲むってゆー店だからだ!】
《ディーン…真っ直ぐ歩け》

【俺はな!キャス
酔ってんだよ確実に!】
《…見ればわかる》

今日は昼に
サムとキャスと超がつくほど
久し振りに映画館で
映画を観に行った

そしてその後
サムはホテルに戻り
キャスは俺と風俗へ呑みに行った

勿論天使は
固まったまま
微動だにせずに終わり
今 俺と夜道を歩く

【ああ〜…ッ…】

《…ディーン?》

あんなに女に触れていても
一瞬でも本当は息抜きしてねぇ
不安な事が常に付きまとうからだ

ケビンは…無事か?と

【何でもねぇよ…
帰ったらサムに
ケビンの何かを掴んだか
聞かなくちゃな…】
《…予言者の彼か》

【いつになったら
アイツを俺は救えんだよ!!】

苛立ちゴミ箱を蹴る俺を
天使は静かに見ている
そして…

《…ディーン
彼は無事だ
新しい予言者の名が
悪魔や天使の中で
語られていない》

【そうだよな
確かに無事なんだろうが!
生死だけの問題じゃねぇよ
この鈍感野郎のクソ天使!】

《??》

【あんな…喧嘩も知らねぇ様な
一般人が急に予言者ですって言われて
リバイアサンや天使や
最悪な事に悪魔にラチられて
………石板が理由だ
拷問を受けてるかもしれねぇ】

《………》

【おまえには痛みが
わからねぇもんな…
鈍った身体じゃ
天使の刀で殺られない限り
ただ器が血を流してるだけだろ】

《……ディーン》

【俺達人間は
全ての暴力から受ける苦痛は
天使の刀で切られるのと
同じだと思え!】

《……きみは
痛みに強いのか?》

【鍛えてるからな身体を…
だが いてぇに決まってんだろうが
俺はドMじゃねぇ】

《凄いな…きみは
あんなにボロボロになるまで
殴られる時があるのに…
あ…すまない》

【??】

《私もきみに
暴力をふるった時があった…》

【……あん時の暴力は
暴力だが暴力じゃねぇ
おまえの密かな俺への
反抗期だっただけだ】

《はんこうき?》

【…後で携帯でググレ】

《なんだ?それは…》

【とにかく!
人間には労れキャス
って…おまえ以外の天使に言いたいな】

《ディーン…》

【??】

《きみが殴られる姿は
私も痛みを感じる…》

【ああ〜…そうか
俺もキャスが傷つく姿を見ると
いてぇよ…同じだ】

《ケビンの行方は
私も探している…》

【ん…
まだ本調子じゃねぇからキャスは
無理はするなよ?】

隣にピッタリとつく天使は
マジで変わったやつ
お互いが相手をペットとか彼氏とか
色々言われるが…

【…おいキャス
肩を貸せよ】
《ああ…》

早早言われる事じゃなく
そんな相手は早早
現れるものじゃねぇ

【キャス…煉獄から
戻れてよかった】
《………ああ》

【??】
《……》

何でそんな顔をする?
何でも話せよbaby
俺はいつだって
おまえの話を聞けるんだぜ

【おまえは俺に
もう隠し事はすんなよ?】
《隠し事はしていない》

俺はキャスの頭と心臓を
軽く叩き
【内面的な考えだ
外部からの隠し事は
おまえはもうしないだろう】
《…わたしの心の?》

【そうだ…】
《……わかった》

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