†ANGEL story V †

□†【5】†
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煉獄から戻り
ハンターの仕事と
ケビンの行方を探しながら
サムと過ごしていたある日


[キャスを見たの?]
【…ああ】

真夜中に目が覚めた
理由は
ハンター帰りのインパラ内で
山道を歩いてる
天使の姿を見たからだ

[…で?]

インパラを止めて
キャスを見た場所を探したが
結局姿は見失った

いや…
俺の幻覚だったのか?
【探したが…居なかった】


アイツは自分だけでは
煉獄から抜け出す事は不可能だ
確実に
彼処に一緒に居た俺が
見ていたキャスからは
そう思えてならない

[…ああ〜…そうか
ディーン…疲れているんじゃない?]
【………そうかもな】

携帯が鳴る
携帯を鳴らした者は
煉獄で出会ったバンパイアのベニーだった

俺はサムに
空気を吸いにいくといい
ホテルから出て
電話に出た

ー…ディーン?ー

【どうした?ベニー…】

ー手伝ってくれないか?
数が…多すぎるんだー

【…なんの?】

ー…俺をバンパイアにした奴を
殺すのをさー

【………】

ーディーン?ー

【ああ〜…ベニー
手伝ってやりてぇのは
やまやまだが
弟が魔物と居るのを良くは思わない】

ー…そうだろうな
兄弟で凄腕ハンターだもんな
こっちで噂を聞いたよディーン
はは…光栄だよ
きみと煉獄で共に背中を合わせ戦えてー

【………嫌みか?】

ーまさか…
ディーン…頼むよ
俺はどうしても
奴を殺したいんだー

【おまえの親父だろ?
そのバンパイアは…】

ー…それは違う
俺の親父は人間だ
アイツは…親父じゃない
復讐相手だよディーンー

【……OK
準備をして出るよ
ただ…わりぃがベニー
今回だけだぜ?】

ーわかっているさ…
ありがとうディーンー

ベニー…
【いや…
直ぐに行く待ってろ】


ホテルへ戻り
サムに少し出ると嘘を伝え
俺はベニーの元へと車を走らせた

そして
(…ディーン)
俺とベニーはクルーザーに乗り込み
海の先の孤島を目指した

【…立派な家じゃねぇか】
(いつのまにか
引っ越ししていたよ
こんな悪趣味な家にな…)

【…………何人?】
(俺が知るのと噂では
5人だ…+ヘッド)

【6か…
まぁ‥俺達なら殺れる】
(くく…)

孤島にはデカイ屋敷が
その中に
ベニーの過去の復讐相手がいる
俺はベニーの復讐の
手助けをする為に
屋敷の中へと侵入した

二人で
手分けをし5体のバンパイアを倒すのは
そう困難では無かった

が…

ベニーは
昔の女もバンパイアにさせられ
傍に置かれて居たのを知った
そして
愛していた女のバンパイアと
頭を殺した

(…ディーン
助かった…ありがとうよ)
【いや…
大丈夫か??】

(ああ…大丈夫だ)
【‥そうか】

(おまえが居てくれたから
だと思うがな…)
ぎゆッ…
【おいおい…やめろ】


(??…アレは?
きみの知り合いか?)
【??】


船着き場の近くにサムが
少し出ると伝え出た俺が
流石に2日帰らなければ
こう…なるよな

[…ディーン
何をしてた?狩か?]

【…ああ
この先の孤島でな】
(………どうも)

【ベニーだ
こいつは俺の弟のサムだ】

(ああ〜…あんたが
ディーンの弟か
よろしくベニーだ…)

[どうも…]
ベニーが手を差し出した
それに律儀にサムは
手を握る…そして
大したもんだ

その瞬間にナイフを
[……おまえは誰だ?]
ベニーに向けた
サムはベニーが
人間では無いとわかった

(バンパイアだ…
俺は兄貴の知り合いだ
あんたと揉める気は無い)

[バンパイア!?
ディーン…どうゆう事だ?
いつからバンパイアの友達が?]

【‥‥ベニー
俺達は帰るよ
サム…ホテルで話す】
[‥‥‥]

(ああ…
ありがとうなディーン)

サムにベニーの存在を知られ
俺はもう
ベニーとは…逢えない


インパラの中で
[‥‥‥ふん
バンパイアのベニーが
兄貴を煉獄から出る方法をね
‥‥彼は自分の利益の為に
人間の兄貴を利用したとはおもわない?
あの男は…魔物だディーン
バンパイアだ…]
【…人を襲ってはいねぇ
俺は人を襲ってねぇ奴は
狩らねぇ】
[……襲うよ
兄貴が殺した
僕の…初恋の魔物の様にね]
【アイツは人間を殺した
息子の為とはいえ
…また息子に何かがあったら
おまえの初恋の魔物は
また人間を襲っていた
それに…息子は生かした】
[………]
【サム…
ベニーは…人を襲わない】
バンパイアのベニーの話を

[……襲うさ
バンパイアは腐ってもバンパイアだ
僕が腐ってもハンターの様にね
兄貴がやらないなら
僕が彼を殺す
彼が人を襲わない事を祈るよ]
【………】

[ディーン…]
【……なんだよ】

[僕は
兄貴が心配なんだよ…]
【わかってるよ…サミー】

ホテルへ戻る
荷物をベッドへと放り
降りだした雨を
窓から見た

その窓ガラスに
【!?】
……一瞬…キャスが見えた

[…どうした?]

【また…キャスが見えた】

[どこ?]

【…………もう見えない】

[ディーン…
自分を余り責めるなよ]

【…幻覚?
俺はまだ
今日は酒を飲んでないぜ?】

サムは俺に
シャワーでも浴びてこいと
背中を叩いた

会いたいさキャスに

会いたい…会いたいが

幻覚を見る事は有り得ない
俺は今日はシラフだし
ドラッグなんてやらねぇし

じゃあ
何故…おまえが見えた?

服を脱ぎ
熱いくらいのシャワーを浴びる
顔を掌で拭い
【……】
ふと…背後に気配を感じて
振り返ると

《‥‥やぁ
ディーン》

【……キャス?】

天使が地上へ戻っていた
煉獄で見ていたキャスのままの
汚れた身体と服で

《‥‥‥》

【…一緒に…浴びる?
それとも酒を飲むか?】

俺の元へとまた戻った

《あ…ああ
身体が汚れたから
一緒に浴びよう…》

【OK…
さぁ…こっちに来いよ
その服は後で自分で
綺麗にしろ
身体を洗ってやる】

《??…自分で洗えるが》
ぎゆッ…
【いいからやらせよ♪
キャス…よかった】

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