†【another story】†

□†【優しい男】†
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[ああ〜…もしもし!?
あの交通事故にあった
野良猫を診察してもらえますか!?]

ーわかりました
裏の玄関からお入りくださいー


夜中に仕事帰りに
交通事故の白猫をみつけ
僕は
近所で有名な動物病院に
ダメ元で連絡をした

快く引き受けてくれた
動物病院へ
そのまま僕は
事故にあった野良猫を車に乗せ向かった

何故
近所で有名かと言うと
獣医が若くて美人だからだ
美人だからだといっても
男性の獣医だけどね

「……エコーで内蔵を診ました
あとは血液検査
レントゲンもとりました
で…結果なんですが」

[は…はい]

「外傷だけでした
誰かに虐待を受け
皮膚を切られたのかもしれない
外傷は縫いましたので
安静にして
あとは自分で抜糸をしないように
このエリザベスカラーをつけての
暫くは生活になりますが…」

[??]

「……飼い主さんに
なられるのですか?」

[とりあえず
怪我を治して
飼い主になれる人間を
あたるつもりです…
僕の兄貴は猫アレルギーなので
兄貴をいつまでも
隔離するわけにはいかないので]

「!?」

[??]

「くく…いや
すみません
野良猫を隔離ではなく
家族の者を隔離しますって
初めて聞いたもので」

[ああ〜…だって
怪我をしてるのに
更に隔離なんて
可哀想だし
兄貴は居候だからさ
…はは]

「…えっと
サム.ウィンチェスターさんですよね
このフードよかったら使って下さい
サンプルで業者から
いただいた物です」

[……え?]

「この時間では
ショップは空いてはいないですから」

[助かります先生…]

「今日は…痛み止の注射しときますね
抜糸までの10日間の間は
内服薬を飲ませてくださいね」

[はい…
あの飼うの初めてなんで
わからない事があったら
電話をしてもいいですか?]

「勿論♪
いつでもかけてください
あ…僕の携帯を教えます
ああ〜…あまり
コレはしないので…その」

[大丈夫です
番号は僕だけに留めますから
でも…いいんですか?
こんな事まで…]

「あ…迷惑ですか?」

[いや!
勿論…助かります
えっと…]

「ジミーです♪」

近所で有名な
ジミー獣医は
凄く気さくで優しくて
噂通りに男なのに美人だった
一番印象的なのは
青い海の様な瞳だ

[今日はすみませんでした
診療時間外に…]

「ああ〜…気にしないで
今日はね夜オペがあったから
まだ居たんです
電話に出れてよかった
救える命は救いたいからね♪」

[………*]

「??」

[いや…その
素晴らしいなと思って]

「‥‥素晴らしくなんてないよ
僕は…救えなかった子の為に
たくさんの犬や猫を救いたいんだ」

僕は肩を落として俯いてしまった
獣医のジミーの肩に手をあて
[ジミーさん
誰もが出来る事じゃないだろ?
全てを救うのは無理だよ
だって貴方は
神や魔法使いじゃないんだ
獣医である術の中で
一生懸命な姿が
僕はやっぱ素晴らしく思うよ]
「‥‥サムくん」
言葉を投げた

[‥ありがとう本当に
あとは僕次第だね
元気になるように頑張るよ]
「うん…*」

インパラに乗り込み
怪我をした野良猫を
助手席に乗せ
車を出すまで獣医のジミーさんが
外で見送ってくれた

ダークブラウンのクセのある髪に
色白な身体で
タレ目の青い瞳
堀の深い容姿は端麗で
よく笑う愛らしい優しい性格

近所のおばさんと同じように
僕も彼に惚れてしまった

また逢いたいな
次は…
[‥大丈夫か?]
ー…ミャーー
抜糸をする日だね






【‥‥‥】

[た…だいま]
ー…ミャーー

【ハックション!!…マジだよな】

[ああ…マジだよ
悪いけど治るまでいい?]
ーミャー…ー

【駄目とは言えねぇよな
んな…包帯クルクルの猫に】

[仕事帰りにみつけたんだ
獣医が言うには
虐待をうけたんじゃないかって
‥酷い事をするよな
この子はね僕に擦りよったんだ
きっと助けてくれって
傷をつけた人間と同じ人間なのに
この子はね…許したんだよ]
ー…ミャーー

【俺は暫く
マスクで過ごすさ…】

[悪いね…]
ーミャー…ー

【しかし…
こんな時間で診てくれる
獣医がよくいたもんだ】

[ああ〜…彼処だよ
近所で有名なangel動物病院の
獣医のジミーさん♪]
ーミャー…ー

【ああ〜…相変わらず
お人よりな野郎だなジミーのやつ】

[え!?…兄貴
ジミーさんと知り合い!?]
ー…ミャーー

【高校の同級生だよ
近々同窓会があるから
俺も礼を言っておくよ】

[‥‥ん]
ーミャー…ー

兄貴の同級生か…
今度病院に言ったら
その話もしてみよう

[‥にゃんこ先生
ご飯を食べるかい?]
ーミャー…ミャーー

[よしよし…可愛いね]
ー…ミャーー

そして抜糸の日が
この日は
仕事が早く終わらなくて
僕は明日にしようと思い
そのまま直帰した


家の玄関扉を開けると
ー…ミャー♪ー
元気になった猫が駆け寄ってきた

[??‥濡れてるよ?
にゃんこ先生]
ーミャー…ー

濡れている猫を抱き上げたら
タタタタと
駆け寄ってきた足音が

「あ!…おかえりサムくん♪」

[え!?…ジミーさん?」
ー…ミャーー

「抜糸をして
傷口大丈夫だったから
そこ以外を洗って
乾かしてたんだけど
嫌々して逃げちゃったんだ〜
ディーンは今
お酒を買いにいったよ♪
同じ名字だと思ったら
やっぱディーンの弟だったんだね」

いやジミーさん
何故いるんですか?
[あ…ああ
そうなんです弟です
酒を買いに
そうですか…はは]

「あ…ごめんね
今日はさ同窓会だったから
そのまま来ちゃったんだ
サムくん遅くなるみたいだったから」

[すみません助かりました…
ありがとうございます]

「‥ディーンとサムくんは
性格が当たり前だけど違うね
二人とも優しくて
良い兄弟だけどね♪」

ー‥ただいまー

「あ♪帰ってきた」
[??]

やけに嬉しそうなのは
久しぶりの同級生だから?

【あれ
びしょ濡れじゃん…】

「猫アレルギーだから
せめて綺麗にと思って♪」

【‥気が利くなジミーは
昔から】

「‥♪」

いや…なんか違う

兄貴が部屋の奥へ
獣医のジミーさんも
猫を抱き奥へと着いていった

まさか…ジミーさんは

「ありがとうディーン
おさえてくれて♪」
【ハックション!ハックション…駄目だ
サム!代われ】

兄貴の事を…
[あ…ああ…はいはい]
まるで少女漫画の
ヒロインの様な熱い眼差しで見てるのは
好きだから…か?!

likeじゃなく…LOVEで


結局遅くまで
ジミーさんは
兄貴の酒に付き合い
素面の僕はジミーさんを
インパラで送り届けた

「ありがとう.。o○
今日は久しぶりに
楽しかったよ♪」

[ああ〜…それは良かった]

酔ったジミーさんは
なんだか可愛くて
見ていてドキドキしてまった…

「やっぱ…
今も昔もかっこいいなディーンは…」
[え?]

「あ…えっと
僕とディーンは
高校の時…こっそり
付き合っていたんだ…
あ!…やばい!
嘘だよ!忘れてね!」

[‥‥‥]
ナンダッテ?

つ…付き合っていたんだ?

////」

[‥‥‥ほう]

また‥またかよディーン
いつも
僕の気に入った人は
兄貴が先に‥‥

「‥サムくん?
わ…忘れてくれ
本当もう当分
酒は飲まない…ッ」

[でも
別れてるんでしょ?]

この人は駄目だ

「‥‥‥うん
卒業した後に
ディーンは…彼女をつくった」

もう‥

[良かった…]
「‥え?」

[だって僕は貴方を好きだ]
ぎゆッ…
「‥‥ッ!」

僕のジミーだよ





ーendー

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