†【another story】†

□†【struggle】†
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学校帰りに
そのまま俺はバイトへ向かう
そのバイトへ向かう道は
たくさんのラブホと
風俗店が並んでいる

学生服で歩く俺に
声をかけてくる
馬鹿な女を避けながら
今日もバイトへ向かっていた

【………】

ある1つのラブホから
予期せぬ者が出てきた
咄嗟に俺は建物と建物の隙間へ

ー…また明日ー

中年男がヤラシク
その人物の手を撫でて
そいつのポケットに
…たぶん金だろうな

【………マジかよ
あの馬鹿】

すげぇ…みちゃイケナイ
モノをみちまって
その日は落ち着かなかった




一番早く起きる兄貴が
台所で水を飲んでいた

《…おはようディーン》

1つ上の高3の兄貴の
カスティエルだ
【………】
そう昨日
ラブホから中年男と
よろしくやって出てきたのは
この兄貴のカスティエルだった

《どうしたのだ?
体調でも悪いのか?》

体調が悪いとしたら
【いや…おはよう】
テメェのせいだよカスティエル…

学生服を標準で着こなし
上の一番ボタンさえしめて
超がつく程優秀と言われ
大学も選びたい放題
特に…それで窮屈になり
非行に走るとは思えなかったが

《…そうか
では…私は先に行くよ》

あれは…非行…だよな?

【ああ〜…兄貴?】

《??》
俺は兄貴を誇りに思ってる
誰にでも優しく
親からのプレッシャーからも逃げず
寧ろ淡々と対応してて
寧ろプレッシャーとも感じてない太い神経

外見も…男なのに綺麗だし

学校の門を一緒に潜れば
女が騒ぎながら走りより
兄貴を囲んで教室へ行く

《どうしたのだ?
今日は…おかしいなディーン》

【今日さ
一緒に帰らねぇ?】

俺?
俺も人気はあるぜ
だが…兄貴の様な脳は無い
おまえも綺麗な顔だが
兄貴は綺麗な上に頭脳もずば抜けてる
羨ましいな…くらいか?

《今日は用事があるから
真っ直ぐは帰らない…》
【何処に?】

《それは伝える必要か?》
【言えない事でもしてるのかよ?】

言えない事
しんてんだよな?兄貴は

《…人と会う
おまえは知らない人間だ
これ以上は
私のプライベートだ
弟であろうと詳しく
言わなければいけない事か?

【……い…いや
ただキャスが心配なだけさ】

《きみより空手は上手いが》

【空手は必要か?そいつとは】

《………うむ
必要では無いな安全だから》

【…安全だからね】

こんなにすげぇ兄貴は
俺の誇りで自慢で
小さな頃から
俺にもすげぇ優しいから
俺はブラコンなのだろうな

優等生は良い悪いなんてわかる
それに当たり前に判別できる歳だ
それとも何か?
勉強と…コッチは
脳の使い勝手が違うのか?

《今日は
変だな?ディーン…》

【い"??
そ…そうか?】

《ああ…いつも
私に興味がないのにな》

そんな事はねぇよ
【そうか…】
いつもカスティエルを考えてら!

だが…
そんな剥き出しの弟は
煙たくなるだろ?

んな態度を兄貴にされたら
俺は…この世の終わりだ

《はい…お弁当》

【あ…ありがとう】

この愛妻弁当みたいな
兄貴の手作り弁当を
《今日はディーンの好きな
お肉が入っているぞ…》
【…*】
毎日楽しみにしてんだ




ー…ディーン
また学食で弁当かよー

【美味いぜ?】

ー見りゃわかるよ美味そうだ
なんだよ
バイトしてんだから学食でいいじゃん
おまえくらいだ母親の弁当食ってるやつー

【違う】

ーへ?ー

【兄貴が作ってる
俺の弁当♪】

ーカスティエル先輩が!?
あの人…料理も出来るのか!
さ…最高…ー

【………】

兄貴のfanは男女問わない
ーディーンも綺麗な顔だが
カスティエル先輩みたいな
‥襲いたくなる衝動は出ないなー
【変態め…】
学園の一番の注目を集める男

そりゃ中年オヤジなんざ
一撃必殺だろうな…

兄貴まさか
マジで
あんなオヤジとラブホで
ヤってねぇよな…

ーディーン?
一口くれよ…ー

【おまえさ
もし兄貴がさ
金をくれんならsexさせてやるって言ったら
金を払ってヤるか?】

ーえ!?いくら!?
マジで!?いくらでも払うし!ー

【…財布を出すな】

いかんいかん
童貞兄貴が
女よりオヤジを知るなんて
絶対に駄目だ!

オヤジなら
俺でいいじゃねぇか!

ーなぁ…マジでさ
したいんだけど…ー

俺で…俺で!?
【…………】
ああ〜…そうか
金が欲しいんだか
男の肉棒が欲しいんだか
よくわからねぇけど
俺がそれを叶えればいいんだ!

【よっしッ!】

ーえ!?嘘!!
叶えてくれるの!?ー

【アホかッ!】

ーいってッ!ー





放課後…
俺は兄貴の後を
探偵の様について歩く

昨日と同じラブホの前に
昨日と同じ中年男が立っていて
兄貴はそいつに着いて
【ストープッ!】
ラブホの中へと入ったら

ーわッ!?ー
《‥ディーン?》

兄貴の前に立ち
【おっさん!
これは立派な犯罪だぜッ!】
《………》
俺は中年男を指差し言葉を投げた

中年男はワタワタと
ラブホから走って逃げていき
残されたカスティエルは
ポカンと俺を眺めてた

【…ナニやろうと
してたんだ?兄貴
このホテルが
何の為にあるかわかるよな?】
《勉強をする為だろ?》

【……………は?】
《性教育の勉強の為だろ?》

what?

【な…なに騙されてんだよ!!
んな場所な訳ねぇだろうが!!】
《嘘だよディーン…》


【は??】
《…彼は
私に勉強を習っていたのだ
学問の方の》

【………】
《あの歳で
学生服の私から
勉強を習っているのだと
周りに見られるのは嫌だと
そこで…ラブホでしていたのだ
お駄賃もいただいた》

【…マジかよ】
《ああ〜…マジだよディーン》

【はあぁ〜…そっか
なら…いいのか??】
《何をそんなに必死になる?
私が不道徳な行為を
しているとでも思ったのか?
私はけして馬鹿ではない》

まぁ…そうだよな
【………】
兄貴に限って
非行に走るのは
あり得ない事だよな…

《…まぁ
間に入ってくれて助かったが
昨日の彼は
勉強から少しはみ出していた
やはりラブホは不味かったのだろうな》

【はい?】

《…押し倒されたのだ
我にかえり
私の身体から退いたが
少し危機を感じてはいた》

少し?
【もっと危機を感じろ!
自分がどんだけ
周りから行為を抱かれてるか
兄貴は知らなすぎる!!】

《………そ…そうなのか?
気にした事はなかった》

ああ〜…やっぱ
どこか抜けてるよ兄貴は
《…ありがとうディーン》

それはそうか

【…帰ろうキャス】

毎日傍にいる俺の
兄貴への好意に
気がつかない天然だしな

《…きみの手は
いつの間にこんなに
大きくなったのだろうな…》
【兄貴はかわらないな
真っ白な綺麗な手だ…】

《やはり
ディーンといる時が
一番…私は落ち着くよ
最も大事な人間だからな》
【…え?
それって…】

《兄弟とは
やはり良いものだなディーン♪》
【……ちッ
クソ兄貴】

《……クソとはなんだ》
【俺は宇宙で一番
キャスが好きだよ
愛してるよ】

《……ありがとうディーン*
宇宙で一番の幸せ者だ私は》
【……いいえ】

兄貴は珍しく
仏頂面を解きニコニコと笑みを向け
俺の肩に腕をまわし引き寄せて
《私も
宇宙で一番ディーンを愛しているよ》
【!】
軽く頬にキスをした


俺の恋は
【…ちッ///
やめろよ…】
《くく…》
長期戦になりそうだな…

兄貴が宇宙で一番
俺の欲しいものだ



ーendー

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