†【another story】†
□†【小生意気の恋人】†
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ーサム!ー
[??]
ーおまえさ
アルバイト探してたよな?ー
[あ…ああ〜…
探そうと思ってるけど…]
ー家庭教師なんて
どう?ー
[え?]
ー彼女の
高校生の弟なんだけどさ
成績悪くて留年しそうで
困っててさ…ははー
[……いい顔をしたいんだ
僕を使って]
ーああ
悪いかい?ー
[いいけど…
家庭教師だけじゃ
アルバイトにならないから
他にもさがなきゃな]
ーお小遣いはいいぜ
彼女金持ちだからさ♪ー
[…………ふーん]
スケジュールを見ながら
その彼女に連絡を
早速明日から
彼女の家に行き
弟の家庭教師をする事にした
高校生か…小生意気そうだな
大学生の僕を
先生としてみるかな
まぁ…金ないし
金額もよかったし
三ヶ月だし…やるか
[やぁ
こんにちは
僕の名前はサム
よろしくディーン]
当日
夕方の指定された時刻に
僕が訪れると
生意気そうだが
モデルのように綺麗な容姿の
高校生が部屋のベットで…
【サムはさ
どっちの女が好み?】
エロ本を読んで待っていた
[………………えっと
こ…こっちか…な]
【照れてんじゃねぇよ
俺より大人なクセに
気持ちわりぃな…】
[!!]
【…くく
で?サミュエル先生は
今日は何の授業を?
性教育の授業は
間に合ってっからな】
ドヤ顔の高校生は
やっぱ…想像通りの
小生意気な子だった
[…教科書だして
今は何処をやってる?
そこから先を教えるよ
そこから前は
子供じゃないなら自分でやって]
【………】
早速教科書の問題の回答を
高校生のディーンに
ノートに書かせてみた
[……??]
思わず首を傾けた
何故かって
【……】
スラスラと回答を書いていて
しかもどれも
答えは正解だったからだ
[…きみさ
留年させられるくらいの
成績だと聞いたけど
猿芝居をしてるのか?]
【猿芝居…くく
そうそう猿芝居をしているよ】
[何故だ?]
【いいなりになりたくないからだ】
[は?]
【親父の仕事を
継ぐ気なんて更々ねぇから
猿芝居をして
成績が最低のダメ息子を演じてるのさ】
[…………ふーん
じゃあ
僕は必要無いから
断るわ家庭教師]
【え?】
[え?じゃないだろう
勉強が出来るなら
勉強を教える目的で
家庭教師を受けた僕は
此処にいる意味がない
僕だって暇じゃないんだぞ]
【………】
[なに?]
【俺
楽しみにしてたんだけど
アンタが家庭教師で来ることを】
[…………は?]
【俺さ
一度さ姉貴の忘れ物で
大学の中にはいってんだ
その時にさアンタを見てるんだ】
[………………]
【確か…
複数の女が同じ方を遠くから
ちらちら見ててさ
その視線を辿ったら
ベンチに座ってアンタが本を読んでて
ああ〜…なるほどなって】
[…………はぁ]
【カッコいいなって♪】
[………そうか
ありがとう]
【友達がアンタの名前を
サミュエルって呼んでさ
まるで天使みたいな名前で
ああ〜…絵になるなって】
[…………ん]
高校生のディーンは
僕の膝に掌を乗せて
【俺さ
カッコいい男
好きなんだよね♪
だからさ
もう一度見たいと思ってさ
したら家庭教師で
アンタが来るって知ってさ
ドキドキしていたんだ】
[!!]
顔を近づけた
"美"とは彼の事を言うのだろう
とても
男なのに美しくて
[だ!だめだ!
僕は男は興味が無い!]
【…え?】
少しグラツイタ…
【興味が無くても
きっと俺を好きになるさ】
な…なんだ??
この2次元から出てきた
俺様的な傲慢な男は
[……………]
【ん??】
怖いモノを知らないとは
こーゆー事なんだろうな
危うく高校生のディーンの
言葉通りになるとこだった
美しい容姿は罪だな
女も…男も
[…帰る
きみと遊ぶくらいなら
僕はアルバイトを探して
勉強をしなくちゃならないんだよ]
高校生のディーンの身体を退けて
僕は荷物を肩に掛け
部屋から出て行こうとした
すると…
背後から服の裾を
クイッと引かれ
[??]
後ろを振り返る
高校生のディーンは
小さな小瓶を僕に見せて
ニコニコと愛らしい笑みを向けて立っている
[……それは?]
高校生のディーンは
小瓶から
僕が飲んだティーカップを指差し
【睡眠役だよ
…無防備なワンコせんせー♪】
淡々と言葉を投げた
す…睡眠…薬?!
急に目眩がした
と…言うか
[な!何錠いれた!?]
急激な睡魔が襲った
【死なない程度に
即効力がある程度♪】
この小生意気な雰囲気で
女の様な容姿な
頭のキレる高校生の…ディーンに
[…うぅ….。o○]
や…やられた…
目を覚ました後が…怖い
目を覚ますと
スヤスヤと気持ちよさそうに
眠る高校生のディーンが
僕とベットに眠っていた
[!!]
そして僕は
案の定身包みを剥がされていて
【……サミー
凄い筋肉だね身体
だからか?凄く
具合がよかったよ♪】
狸寝入りしていた高校生のディーンが
僕にiPhoneの画面を向けて
[うわあぁッ!]
撮影された…ぼ…僕が
高校生のディーンに
【…またさ
抱かせてよサミー先生♪】
[……頭が…痛い]
身体を奪われている
動画が…流れていた
【俺さ
男を取っ替えひっかえ
して連れてきては
sexばっかしてる姉を
見てきたからさマジで
この容姿にだけで釣られる女が
てか…女が嫌いなんだ
俺さ本当にあの日
大学のキャンパスでアンタを見て
かっこよくて惚れたんだよ】
[……ディーン…くん
それ…消してくれ
僕の前で今直ぐに]
【いいよ
その代わり
家庭教師の契約は破棄にして
俺の恋人になるって契約してくれよ】
[恋人!?
ぼ!僕にはジェンって言う
彼女がいる!!]
【おいおい…消してくれって
頼んだんだろ?
別れろよ…サミー】
[こんな…脅迫だぞ?]
【やり方は良くなかったけど
俺はアンタにマジなんだ
家庭教師に来なければ
アンタと俺は一生合わなかったのにな】
[…………]
【…来なければよかったのにサム】
今
ふと…この家を見回した
何故かって
高校生のディーンの瞳が
凄く暗くて哀しい色を浮かべたからだ
この家に訪れたら直ぐに
高校生のディーンの声がし
勝手に上がって部屋まで来いと誘導された
そう
今は深夜だ
真っ暗な部屋には静寂
部屋の外からも
物音ひとつもしない
【…アンタも
クソ姉貴がチラつかせた
高額の金に
ふらついて来ただけだよな?
わかっている
わかっているよ!
たまたま…アンタが…来ちまったんだって】
彼は…一人ぼっちで
寂しかったのだろうか
[…わかった
今直ぐに消してくれ
代わりにきみの
恋人になるよディーン…]
大きな二重瞼の
ヘーゼルグリーンの綺麗な瞳から
ポロポロと涙を流す
高校生のディーンを僕は
【…本当?】
ぎゆッ…
[ああ…]
抱き締めて
そう言葉を投げた
僕の顔の一個文背の低い身体を
爪先で立ち高校生のディーンは
誓いのキスをと
僕にキスを求めた
僕は軽くディーンの唇に唇をあてた
この小生意気な美しい
高校生のディーンに
嵌まるのは時間の問題だろうか
高校生のディーンは
ニコニコと笑みを向けて
[!?]
僕に目薬を見せた
【くく…ははは
泣きながら言ってみるもんだ】
ああ〜…ディーン
やっぱり子供だね
[そうだね…くく]
【??】
その目薬の液の色は赤で
きみが流した涙は透明だ
[きみが僕に
抱かせてくれる日がくるかな]
【無いね】
小生意気な恋人も
勉強やアルバイトで
忙しくなる日々に
楽しさや刺激をくれるかもね