†SPECIAL story†

□†【5】†
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や…やぁ
俺の名前はチャック
物資担当を任されている


全くそれとは
関係無いんだけど
今日は息抜きをしようと
生存者が皆
比較的に広い広場で集合し
バーベキューをするんだ

今日は
何故か知らないけど
…オ偉いさんの番犬たちも
混ざるらしい

ああ〜…だから
そうそうリーダーは
ご機嫌があまりよくない
来た理由が
元天使のカスティエルが
兵士の一人にナンパされ
逃げる口実に話したら
救援物資と共に来ちゃったからだ

いやぁ
ラリってるって
怖いものしらずになるのかな
ずっと楽しそうで
戦車なんかにも乗せてもらってさ
銃は苦手だって言ってたのは
何十年も前みたいだよ

マジでラリってたからね


その元天使のカスティエルは…
《…これは何だ?》
ーカレーだ
大勢でやるならカレーと
焼き肉に限るぜー
そのイケメンな●イの兵士と
仲良く話している

断食中で何も食べないくせにね
世渡り上手になったものさ
この何年かの間でさ…

あの仏頂面は
影も形も無いよ

え?
うんうん
それを引き継いだ
2代目の仏頂面のリーダーは…
【………】
そんな元天使を睨みながら
包丁研ぎで鉈を研いでいる

その鉈でどなたを斬るのか

「!」

ーチャック!ー

「ジェニファー♪」

ー何
突っ立ってんの!?
肉を捌いてよ!ー

「は〜い♪」

今日は夕方から雨らしいから
手際よく
バーベキューの準備をしなきゃなんだな

ーキャシー…味見するか?ー
《……キャシー?》

ーああ〜…カスティエルー
《…キャシーで構わない
親友を思い出しただけだ…》

ー…親友を?ー
《ああ…どうしているかなと》

ー…その彼は…此処に居ないのか?ー
《ああ…》

あれ?…なんか
雲行きが曇るトークをしている?

ーああ〜…ごめん
聞いちゃいけなかったな
奥まで土足で入りすぎたー
《??…構わない
何でも聞いてくれ
きみの話も聞こうか♪》

大丈夫…そうだな

「………」


大丈夫じゃないのは
【………】
寧ろ俺らのリーダーの
堪忍袋がキレそうな事だけかな

肉を捌きながら
いまだに鉈を研いでいるディーンを見る

イケメンゲ●の兵士が
元天使のカスティエルに触れる度に
方眉がピクピク動いてる

あんなに女に囲まれてるのに
今のディーンには
彼女達はただのオブジェ化だな

羨ましいな〜…

「………」

てか
いつまでカレーのルーを
混ぜてんだよ
あのクソ兵士

「…いかんいかん」

知ってる知ってる
カレーのルー混ぜは
ただの会話の口実

《……♪
いい匂いだ》

元天使はやはり天使
相手の感情には
人間ほど感じとれてない
=疎い
はたから見れば天然

大きく言えば寛大だ

【……ッ!】

お…リーダーが動き出した
元天使のカスティエルのとこに
行くのかな?

「??」

ちがう…みたいだな
茂みに入っていった

《………》
ー…カスティエル?ー

あ…元天使もリーダーを見てる
もしやわざと
イケメンゲ●と
イチャブリ見せつけてたの?

もしそうなら
案外…小悪魔だな

「ジェニファー」

ー??ー

元天使のカスティエルも動いた
俺も…リーダーの元へ
もしかしたらリーダーは
こんな事をしてる時じゃないと
思っているかもしれないし

元天使と口論するかもしれない

「トイレ行きたい…続きは頼む!」

俺はそんな二人の止め役でもあるから


リーダーのディーンと元天使が消えた茂みへ
遅れて俺も入っていった

ディーンは…
「………」
廃車になったインパラを
険しい顔で眺めてた

【………】

背後で生存者達と兵士の
笑い声が聴こえる中
ディーン…一人だけ
空間がまるで違った

「……ディーン」

あの…インパラは
ここを収容所にした時に
彼は乗ってきた
そしてインパラを
彼は自身で廃車にした

何度も何度も何度も
彼は…愛しているインパラを
鉄パイプで叩き続けていた

サムの面影を
追ってしまうからだろうか…

【………】

ところで…
「??」
元天使は何処に??

そう言えば…
あのイケメン●イの兵士も
「!!…ディーン!」
消えて……いたかも

【??】

やばいあの箱入り天使
また無防備を発揮したに違いない!

「カスティエルが!あの兵士と
茂みに消えた!」

【…は?】


俺とリーダーのディーンは
バラバラに別れて
元天使と消えたイケメンゲ●の兵士を
茂みの中で探す

今日も元天使は
マジでラリってるから
きっと
あんなガタイのいい男に
襲われたら……太刀打ちはできない

寧ろ普通の元天使でも
無理そうな兵士だったけどね

「はぁはぁ…キャス?」

ガサガサと茂みを走り
元天使のカスティエルの姿を
追いかける

何処にも…居ない

「……マジかよ……!?」

あ…居た


ああ〜…案の定
追っかけ回されている

ただし
俺の想像と1つ違うのは

《…ははは♪》

ーま!待ってくれ!カスティエル!
頼む!パンツを履いてくれ!ー

きっとイケメン●イの兵士は襲ったが
元天使のカスティエルは何とか抜け出し
楽しくなっちゃって
遊んでると思っているのだろう…

「……ブラブラさせちゃって」

あそこまで下半身露出で
走り回られると
フェロモンだだ漏れと言うより
ただの変態だよカスティエル…

でも
イケメン●イの兵士も
キャンプへ行かれては不味く
待てと慌ててはいるが
鼻息荒くしてるから同等か

《…くく♪》

元天使がイケメンゲ●の兵士と向き合い
ピタッと止まり
ー…??ー
ケラケラと後ろを指差し笑っている

もしや…
「!!」

思った通り
【‥‥‥】
研いで研いで研ぎまくった
鉈を握り
我等の狂犬リーダーが
仁王立ちで睨み立っていた

流石の気迫
だてに人間より倍強い
悪魔や魔物の殺しのスペシャリストの
ハンターディーン

オ偉いさんのエリート番犬は
ー…す…すまない!
あ、あまりに可愛かったから
つ!つい!すまない!ー
我等のリーダー
ディーンに平謝り

我等のリーダーは
スタスタとイケメン●イの兵士へ近づき
【すみませんの一言ですむなら
警察なんて必要無いんだよ!】
鉈の持ち方を変えて
刃ではないほうで
ーぎやッ!ー
思いっきり頭を殴った

《………》

なぜ元天使が…凹む?

「ディーン!ストーープッ!」

ああ〜…彼は一応
平和主義者なんだよな

【!!】

もう一度倒れた兵士を
ディーンも殴ろうとしたけど…
悲しい目をした
青い瞳にその腕を止めた

《…生きてる?》
【生きてる】

《今のきみは…
躊躇い無く人を殺すから》
【感染した人間だけだ】

《…ディーン》
【なんだ?】

《…ありがとう》
ぎゆッ…
【下着を履けキャス】

イケメンゲ●の兵士の手から
元天使のカスティエルの下着を取り返して
「…はいキャス」
カスティエルに差し出した
すると…

《…汚れたから履きたくない》

【……】
「……」

《土がついてるから
履きたくない…》

【……】
「…拗ねちゃった」
首を横に向けて
絶対に履きたくないポーズ

仕方ない…
「ノーパンでズボンを履いて帰ろう」
木の枝に引っ掛かっていた
元天使のカスティエルのズボンを渡した

カスティエルはズボンを履いて
《……》
ー……ー
イケメン●イの兵士を
支えて立たせ
背中に背負った

少し前を歩く我等のリーダーが
置いてけと怒鳴るけど
《…駄目だディーン
救援物資が届かなくなる
嫌でも仲良くしなくては》
ごもっともな返答を

「??」
ドラッグ効果薄れてる?

我等のリーダーは
スタスタと歩いていく

その後ろを俺と
元天使のカスティエルで
イケメンゲ●の兵士を支えて歩いて

ー……うぅ…ー

イケメンゲ●の兵士が
目を覚ました瞬間…
【……】
我等のリーダーは
カスティエルから奪い取り背負った

《…*》
案外嫉妬深い
「流石リーダー
軽々だね♪」

カスティエルはそれを見て
優しく微笑んだ
我等のリーダーの背中で兵士が
すみませんと謝っていた


バーベキューは始まっていた
イケメンゲ●の兵士の頭には
保冷剤つきのタオルを
ー……*ー
《…♪》
元天使のカスティエルが当てて
更に肉を食わせている

まるで…超VIP体制なってるから少し
見ていて周りはドキドキしている

【………】
ビールを飲みまくる
不機嫌な我等のリーダーの
堪忍袋がいつ…キレるかにね

《…あ》
ー??ー

《俺…ノーパンなんだった》
ー!!ー

《履かなきゃ
不安定過ぎて気になる》
ーあ…ー

《??》
ーは…履かなくていいんじゃないー

【キャス!!履いてこい!!】

《…くく》
ーすみません!!ー

懲りない兵士だな…
暫く彼等の場所には
カスティエルは連れて行けないな
リーダーの許可が下りないだろうからね

《…チャック》
「??」

《部屋から下着を持ってこい》
「あ…はいはい」

自分でいかないんかい!
いいよ
どうせ俺はパシりキャラだよ…

天使のカスティエルの部屋から
パッと下着を掴み
本人へ手渡した

カスティエルはズボンを脱ぎ
そこで履こうとしたのを
全力で止めて
建物の裏へと移動させ
《………》
「み!みてないよ!」
俺は見張りを…

《ははは
男なんだ見張りなんていらない》

……ついさっき
男なのに襲われたのは誰だよ
「…着た?」
全く天然なんだよな元々は

着替えたと俺の顔を覗き込んで言う元天使

ドラッグでとろんとしていて
たれ目の二重
そして綺麗な青い瞳
《…??》
昔の様に首を横に傾げられると
無精髭の年上の男なのに
可愛すぎて驚く

「…い…行こうかキャス」
《…♪》

「キャス…
此処は…好きかい?
ああ〜…こんな世界で
この質問は…おかしいな」
《…チャック?》

鉄板に肉を焼いて
オ偉いさんの番犬達が
生存者達に肉を分け与えている

イケメン●イの兵士は
結構度胸がある…ディーンへと
肉をよそった紙皿を
そしてそれを受けとるディーンを
ジッと…元天使のカスティエルは見つめて

《…好きだよ
チャックも…好きになった
彼の周りの者や世界は
私は…大好きだ
今も昔も変わらない》

「♪♪」

暑い暑い太陽の下
今日は戦いを忘れた
珍しい1日だった

《暑いなぁ…
上着は脱いでもいいか?》

「上着は許すよ」

《なぜ
きみに私は許可求めなくては
ならないのだ…》

「え!生還中!?
久しぶりカスティエル♪」

《くく…ははは♪
ああ〜…海に行きたいな俺
そうしたら下着も脱いでいいよな》

「……駄目でしょ」

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