†ANGEL story U†
□†【7】†
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《‥‥サム
またディーンを…》
[大丈夫
死んでない
気絶しているだけだ]
【‥‥‥】
[僕はただ…
いい釣り場所があるから
行こうよって言っただけだ]
【‥‥‥】
《‥水属性の魔物が
そこに住み着いていたのを
知っていたのだろ?》
[たまたまだ
兄貴は引き寄せるから
人間以外の化け物を]
【‥ッ…ごほッはぁはぁ
え?…俺
もしかして溺れた?】
《‥いや
ディーンきみは…》
[ああ〜…兄貴はデカイ魚を釣って
そのデカイ魚の力に負けて
海に落ちて溺れたんだよ]
【‥??
俺…泳げるはず…】
《‥‥‥‥‥》
[キャス
ところで何のよう?
僕達祈ってないし
忙しいんだろ?上の仕事が]
【あ…キャス
どうした?
…来てたのか】
《‥大丈夫か?ディーン》
【ああ…大丈夫だ
多分…未確認物体に
海に引き込まれたんだろうな
魚が釣れないはずだ】
[僕は釣れたけど?
ほら…大量だろ?]
《‥‥‥》
【マジかよ…】
[‥‥♪]
僕が兄貴を
魔物を呼び寄せる為の餌にしてるって?
違うよ違う
兄貴が用心深く無いだけだ僕に対して
魂が無い僕を
監視しているわりに
僕の言葉を聞き流さない
まぁ僕も…
兄貴が引っ掛かる様に
上手く言ってはいるけど
普通の人間じゃ駄目なんだ
場数をこなしていて
対処の仕方を知っている
ハンターの兄貴じゃないと
僕には駄目だ使えない
[帰ろうかディーン…]
【‥ああ
何か足がいてぇ】
[豪快に落ちたから
水面に勢いよく打ったんだろ
直ぐに治るよ]
【‥‥親身になれサム
肩を貸せ】
狩りをするスリルも欲しいけど
早めに退治したい時は
何かにひきつけた方が
効率が高い
《私が…治そうディーン》
[……]
【いいの?
…頼むわキャス】
兄貴は僕に
何だかんだ甘いから
ただ…
《…気を付けろディーン
用心しろ》
【ああ〜…わかってる
俺だからこの程度で済むんだ
日頃鍛えてるからな
な?サミー…】
ディーンにまとわりつく
この天使が…少し邪魔だ
監視されるのは兄貴だけで充分だ
そもそも感情の無い天使が
感情の無い僕の監視なんて
できるはずないし
どうでもいいけど
[そうだな…]
僕はこれでも
兄貴に合わせている
それってもの凄く…疲れる
感情があると苦しむならば
魂なんて僕はいらない
今のままで充分だ
今の僕は最強だ
何も怖くない
魔物も悪魔も…天使も
兄貴が死んだって
何も感じない
だが彼は兄貴だ
だから一緒に居て守るよ
《サム…》
【…】
[何?ようがないなら帰りなよ]
僕は今のままでいい
魂なんていらない
邪魔なだけだ感情なんて
僕は今がいいんだから
元のサムなんていらないよ
【…おまえ
今度はデカイ魚がいるなら
早めに言えよ
それに合った竿を持っていく】
[それじゃあ
釣った時の面白みが減る]
女も酒も娯楽も深くは興味ない
協力者ならいればいい
裏切ったら殺せばいい
【…サミー…
俺が死んだら
おまえのせいだ!クソ!】
[何で蹴るんだよ]
【わからないのか!?
ロボサム!】
[全く
…風呂はいろう
先に帰るな]
【え!?インパラで!?】
[キャスと帰れよ]
【てめぇ!!魂無いからって
調子にのんなよ!!】
[なんで叩くの?]
【おまえが悪い子だからだッ!】
[…………どこが?]
《…そうか
…ディーンが甘やかすのだな》