†ANGEL story†

□†【8】†
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この地球の猿人は
なぜ 林檎を食べたのだろうか
彼らが今生存している理由は
その林檎から始まった

私には
理解し難い
勿論私は人間とは違い
食事をしなければ睡眠も
もし私が食事をする生き物ならば
その衝動の意味が
理解できたのだろうか…

《……林檎だ》

木に生る林檎を1つ
もぎ取る

《………》

真っ赤な真っ赤な林檎は
血の様だ

《……わからない》

私にはこれは
地球の屋外にある
花や雑草と同じ
1色にしかみえない

《………》

不思議だ人間という生き物は
何でも口にする

この地球が真っ白な時代に
海から陸に魚が
ーその魚は踏むなカスティエル
とても重要な役割があるー
その始まりの魚から
地球を今現在も見守っている

永く永く居る事は
苦痛ではなかった
私は神の指示を受け忙しく動いていたからだ

《…雨だ?》

青く晴れた空から
パラパラと雨が降ってきた
この現象は日本では
狐の嫁入りと言うと
老いた酒飲みが私に教えた

少し前の私なら
ただの水でしかなかったが

雨に濡れながら
道端で子供が泣いている
《…どうした?》
私がそう言葉を投げると

子供が泣きながら母親とはぐれたと言った

びしょ濡れになる前に私は
《…こっちへ》
トレンチコートの中へ
そして抱き上げて

《…私が探してあげよう》
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