†ANGEL story†

□†【7】†
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【‥‥‥‥】
[‥‥‥…]


【…………‥】
[………………ディーン?]


【なんだ?】
[…キャスとは
連絡はついたのか?]


【…いや】
[兄貴が虐めるから…]


【は!?
いつ俺が虐めたんだよ!】
[……僕達の為に
協力してくれてる
悪魔や魔物よりも強い天使に
充電切れの時はトレンチコートを着た赤ん坊だとか
女関係では童貞かとか
散々言ってきただろ?]


【…………愛情表現だサミー】
[それ…伝わりにくいから
とっとと謝ってこいよディーン]


【…何処に?】
[祈れば?]


【さんざん祈ったわッ!】
[もっともっと
祈りが足らないんじゃないか!?]

【…はぁはぁ】
[…インパラ無くしたくらいに
キャスが反応無くてショックなクセに
維持はってないで
きちんと祈れよディーン]


【キャスをインパラと
同じにするな…】
[はッ…
振られた女みたいな顔して
溜め息ついて
気持ち悪いんだよ
兄貴らしくない]


【女とか言うな…
女はおまえだサミー】
[いいから祈れよディーン]


【キャスが悪い
俺がさんざん
夜道は気を付けろって教えたのに
あいつまたフラフラと
夜道を歩いて痴女に
襲われそうになったんだぞ!?】
[…フラフラって
浮浪者じゃないんだから]


【たまたま通った俺が
助けて説教したら何て言ったと?!】
[違う裏路地を通ったディーン…だろ]


【あの馬鹿野郎
違う裏路地を歩いても
裏路地じゃねーか!!な!?サム】
[…………仕方ないよキャスだから]

【…あいつは
此処にずっとずっと居たくせに
何でこんなにも無知なんだ?】
[それは無関心だったからだろ
神の指示以外の事は]]


【………】
[思い出して見ろよ
初めてキャスに逢った時を]


【…?】
[まるでロボキャスだった
目には威圧しか無くて
神は神はと口癖で
指示の為なら僕とアンナの命を
天秤にかけて兄貴を脅したろ?
それくらい神の指示は絶対で
他の猿共の生活には干渉が無かったんだよ
それか…地上は実話
久しぶりだったとか?]


【…まぁ確かに最初は私はきみを地獄に戻す事もできると
言われて
脅された事がある…】
[…僕と言うか
兄貴の熱血で弱い者を守りたいって考える人柄に
キャスはきっと
悪魔や魔物や天使に比べ
虫並みの只の弱小猿から
悪魔や魔物や天使に比べ
虫並みの弱小猿でも
猿は猿なりに
とてつもない強い奴等に
立ち向かう為に
必死で解決策を考えているんだと
昔より干渉する様に
なったんじゃないかな…]


【……ああ】
[いわばキャスは
小鳥だよディーン
母親の姿を見て
その行動を刷り込む
大人になる段階のね
だいぶ…遅かったとは思うけど]


【キャスが…小鳥
あいつは猫だサム】
[…容姿は確かに品がある猫だけど
今のキャスは小鳥だよディーン]


【…危うくて
心配で仕方ない】
[……ん]


【お人好しの天使
それはきっと天使であるキャスには
弱点だよな…
キャスが天使の考えのままでいたら
とっくに悪魔と天使に
俺達は捕まって器にされて
この世界は終わっていたかもな】
[僕らは人間
守る方法を必死に探して
防御する事が出来ても
束になって
襲いかかられたら
…キャスの一撃必殺を
四方八方から受ける事になって
一瞬であの世行きだよ]


【…あいつを
守ってやれるやつはいるか?
きっと神の命令で
堕ちたキャスの名が出たら悪魔と天使の両方から狙われる
俺は唯一あいつを守ってやれる
相手でいたい】
[キャスと兄貴は…違うよ
生き物が違う]


【……俺をあいつが頼る限り
俺は絶対にあいつの味方だサム】
[そうだな…
兄貴はそうだよきっと]


【…さて
祈るかな真面目に…】
[……]


【…カスティエル
頼む姿をあらわせ
話したいんだ…】
[カスティエル…
僕からも頼むよ]


【…俺はただ
おまえが心配なんだ
おまえは俺の兄弟で
家族なんだよ】
[…僕の弟?]


【…おまえの兄貴だサミー】
[…はッ…笑える]


【…!】
[やぁ…キャス]


【何処に言ってたんだ?
俺の声は聞こえなかったか?キャス】
[……兄貴]


《‥‥天国にいっていた》


【家に帰ったのか?仕事か?それとも
拗ねてたのか?】
[‥ディーン
仲直りしたいんだろ?
やめろよ皮肉を言うの]


《私の故郷は天国だ
そこには家はないが
気に入っている楽園がある》


【…?】
[気に入っている…楽園?]


《天国に導かれた魂は
個々で楽園を持つことができる
私は自閉症の彼の楽園が気に入り
そこにいた
彼はずっと同じ火曜日を繰り返し
綺麗な庭園で
あお空に凧を上げて過ごしている
…私はそれをずっと眺めていた》


【‥そうか】
[キャス?兄貴の口調は強いけど
けして間違った事は言わないんだ
だから…その
もう気にしないでくれ…]


《…私は
ただ彼を眺めていたわけじゃない
考えていたディーンが言った事を
きみは正しいとわかり
私は此処へきたんだ》


【‥キャス
次からは気を付けろよ
いつまでも俺は
おまえと一緒には
いられないんだからな】
[‥‥‥]


《…生き返らせる》


【それはやめろ
おまえが罪を重ねるだけだし
俺はその死を受け入れる】
[…ディーン]


《死ぬなディーン…
私はきみたちの…》

【わかっている…キャス
なにも言うな】
[………兄貴は言ってやれよ]


《?》
[謝れよディーン]

【……いつも
ありがとうな!キャス
ははは♪】
 

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