BL小説

□君と出会えて...
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敦が事故に遭ったと聞いて、
僕はすぐ、病院へ向かった。


******

「...つし!あつし...!」

僕は必死になって、敦の名前を呼ぶ。

「あつし..!敦...!」

涙がポタポタと零れ堕ちる。

「頼むから...目を、開けてくれ...。」

「あか...ちん。」

「っ....!」

敦の声がして、顔をのぞきこむ。

「赤ちん...泣かない、で?」

手を伸ばし、僕の涙を拭う。
僕はその手をギュッと握りしめた。

「ねぇ、赤...ちん。」

「なに?」

「大好き。」

弱々しい声だが、はっきりと聞き取った。

「!?どうした?急に。」

「うーん、言いたかった、だけー。」

いつもの様に無邪気に笑う。

「赤、ちん...は?」

僕は握りしめていた手を、強く握り、

「僕も、敦の事、大好きだよ。」

笑ってみせた。

「えへへ、ありがと。」

すると、

「ゲホッ...ゲホッ...。」

急に咳き込み出した。

「敦!」

「だ、ダイショーブだし。心配しなくていーし。」

ふぅと大きな息をついてから、

「赤ちん、オレがいなくなったら、寂しい?」

当たり前の様な事を、聞いてきた。

「そんなのっ、当たり前だろ?」

お前のいない世界なんて...、

「オレも赤ちんが、いなくなったら、寂しい、な...。」

声が震えて、どんどん、かすれていく。

「赤ちん...今まで、ありがと...。」

「なに、を急に...、言い出すんだ!」

僕はとっさに大声を出してしまった。

「敦、生きろ!僕の命令は絶対だろ...!」

ボロボロと涙を溢す。

「うん...、そーだね。...げほっ。」
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