BL小説
□君と出会えて...
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敦が事故に遭ったと聞いて、
僕はすぐ、病院へ向かった。
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「...つし!あつし...!」
僕は必死になって、敦の名前を呼ぶ。
「あつし..!敦...!」
涙がポタポタと零れ堕ちる。
「頼むから...目を、開けてくれ...。」
「あか...ちん。」
「っ....!」
敦の声がして、顔をのぞきこむ。
「赤ちん...泣かない、で?」
手を伸ばし、僕の涙を拭う。
僕はその手をギュッと握りしめた。
「ねぇ、赤...ちん。」
「なに?」
「大好き。」
弱々しい声だが、はっきりと聞き取った。
「!?どうした?急に。」
「うーん、言いたかった、だけー。」
いつもの様に無邪気に笑う。
「赤、ちん...は?」
僕は握りしめていた手を、強く握り、
「僕も、敦の事、大好きだよ。」
笑ってみせた。
「えへへ、ありがと。」
すると、
「ゲホッ...ゲホッ...。」
急に咳き込み出した。
「敦!」
「だ、ダイショーブだし。心配しなくていーし。」
ふぅと大きな息をついてから、
「赤ちん、オレがいなくなったら、寂しい?」
当たり前の様な事を、聞いてきた。
「そんなのっ、当たり前だろ?」
お前のいない世界なんて...、
「オレも赤ちんが、いなくなったら、寂しい、な...。」
声が震えて、どんどん、かすれていく。
「赤ちん...今まで、ありがと...。」
「なに、を急に...、言い出すんだ!」
僕はとっさに大声を出してしまった。
「敦、生きろ!僕の命令は絶対だろ...!」
ボロボロと涙を溢す。
「うん...、そーだね。...げほっ。」