NL小説

□指切り
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「なんで、泣く必要があんだよ!」

「私は、大ちゃんに食べてもらいたいの!」

ポロポロと涙を流す。

「大ちゃんは、忘れちゃたかも知れないけど、
私が、料理上手くなったら結婚してくれるって、
言ったの大ちゃんだもん!」

は?
今、なんて言った?
コイツ、覚えてんのか。

「おまっ、覚えてたのかよ。」

「えっ...?」

「え?じゃ、ねぇよ。その約束だよ!

数年前もの、約束を。

「覚えてるって...。大ちゃんもしかして、
テツ君に妬いてたの...?」

「わりぃかよ。」

俺は、さつきから、目をそらす。
すると、さつきは、クスクスと笑う。

「なんで、笑ってんだよ。」

「だって、大ちゃんが。
それに、約束を覚えてくれてるのが、
嬉しくて、つい。」

「ったく...。」

さつきを引き寄せ、抱きしめる。
ほんと、コイツには勝てる気がしねぇ。

「苦しいよ、大ちゃん//」

「知るか。」

「もぅ。」

そして、何故かお互い、笑っていた。
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