book of lights…

□2章:独走
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良「…ん?あの制服は…如月学園の!篠崎か?」

俺はすぐに近寄るが、その人物は篠崎ではなかった。

良「…おーい、鈴本!鈴本なのか?」
繭「…き、岸沼君?よかった!岸沼君も来てたんだね。」
良「元気そうじゃねぇか!…森繁とは一緒じゃねぇのか?」
繭「…繁兄ぃ、まだ…会えてないんだ。」
良「あ…、すまねえな。」
繭「…ううん、いいの。岸沼君がいてくれるだけで心強いから。」
良「そうかよ。(早いとこ森繁の奴を探してやらねぇとな…)」
良「そういや、鈴本。篠崎は見なかったか?」
繭「え?見てないよ。」
良「一階にはいなかったからな、二階かと思ったんだが…」
繭「ごめんね、わたしも いま教室を出たばかりでわからないんだ…」
良「篠崎、何かに取り憑かれてるみてぇだったからな。急がねぇと…」
繭「そう…だね。急ごう!」

俺達は二階の探索を始めた…が、篠崎は見当たらず、三階のトイレを調べに上がってきた。

良「…男子トイレは板で塞がれてんな。篠崎が通れるわけもねぇか。」
繭「女子トイレにも誰もいなかったよ。」
良「しかたねぇ、降りるか。」
繭「うん。」

俺達は二階へ戻ると、誰かが 保健室の方向から走ってきた。

繭「あ、そこの人!待って!」
?「い、いや!?…あれ?人…ですか?」
良「あぁ、俺は如月学園2年の岸沼良樹。んで…」
繭「鈴本繭だよ。よろしくね。」
?「わ、私は…白檀高等学校 の 卜部恵美です。」
良「…卜部か。お前、なんで走ってたんだ?」
ト「…友達が、友達を…」
繭「友達?もしかして、卜部さん達も[しあわせのサチコさん]をしたの?」
ト「…はい。そうしたら、そのあとに雷が鳴って…それで。気がついたらここにいて。刻命君が…」
良「刻命裕也が…」
ト「はい。…え?岸沼さん、なんで 刻命君の名前を知ってるんですか?」
良「…刻命裕也。あいつには近寄っちゃだめだ。…智史の妹は、あいつに殺されかけた。」
繭「え?由香ちゃんが…大変だよ。早く探しに行かなきゃ!」
ト「刻命君…なんでそんなことを。今まではこんなこと…」

卜部は泣き出してしまった。俺達は卜部を慰めながら歩いていると、資料室の扉が開いていることに気がついた。恐る恐る中を覗く。そこには…二人の影があった。
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