SERVAMP

□おめでとう
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「おい、クズネズミ!」

ソファーに寝転んでいたオレは主人の呼ぶ声にふと顔を上げた


「なんスかリヒト?」


相変わらず不機嫌そうな顔っスねー…


「……」

「あのーリヒト?しゃべってくれないとわかんないっスよ?」


しばらく2人の間に微妙な空気が流れる

え…マジでなんなの?


「…やる」

「え?…ぶっ…!」


突然しゃべったと思った瞬間オレの顔面になにか柔らかいものがぶつかる


「…なんスか?コレ」


どうやら投げられたのはプレゼント用のラッピングがされた袋のようだ

開けていい?と聞いても何も言わないのでとりあえず開けてみる


「…コレ、タオル?」


入っていたのはオレンジ色のバスタオルだった よく見ると、ハリネズミらしき刺繍が施してある


「…今日お前誕生日なんだろ?だからソレやる」


…誕生日、確かにちょっと前にリヒトに誕プレが欲しいとねだった覚えがある

でもまさか本当に貰えるとは思ってなかったから驚きだ


「ロウレスー、それリヒトがわざわざ他のイヴの子たちにプレゼント何がいいか聞いて手伝ってもらいながらも一生懸命つくったんだぞー」

「クランツっ!!」


突然ひょこっと顔を覗かせたクランツの発言にリヒトが少し顔を赤くしてクランツを怒鳴りつける

オレはというと、頭がついていけず混乱状態だ


「…リヒト、ホント?」


リヒトは顔をそらしたままこちらを見ない

けど、さっきの赤い顔と未だに赤い耳がなによりの証拠だった


「リヒト」


名前を呼ぶとピクリと反応するがやはりこっちを見ない


「ありがとう…大切にするっス」

「…当たり前だ」


ふんと鼻を鳴らしてぶっきらぼうに呟き、チラリとこっちを見たリヒトは少し嬉しそうで


「〜っもう、リヒト大好きっ!!」


そう叫びながらオレはリヒトに飛びつき

ほっぺにキスをした


「な、…な……?!」


真っ赤になってパニックに陥ってるリヒトにオレはにっこり微笑みかける


「でさ、なにか言い忘れてないっスか?」


オレがなにを言いたいのか理解したらしくリヒトは うっ、と顔をしかめる


「リヒトー?」

「…た、誕生日…おめでとう」


これでいいだろ、と言わんばかしに睨みつけてくるリヒトにオレは満足そうに笑うと


「ありがとう リヒトの誕生日プレゼント、楽しみにしててね」


と言って今度はでこにキスを落とす


「っ…自分とか抜かしやがったら蹴るからな」

「言わないっスよ?だってオレはもうリヒトのだし」


…リヒトどんどん赤くなっていくっスね かーわいっ


「ねぇ、リヒト」

「…なんだ」

「愛してるっス」


リヒトは驚いたように顔を上げ、それから


「…オレも」


あーヤバイ、本当にリヒト天使…



それからクランツが呼びにくるまで2人はそんなやり取りを続けたそうな

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