カゲプロ

□暑っ苦しいですご主人
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「…なぁコノハ」

「なに?シンタロー」

「あの、暑いんで離れてもらえませんかね…?」


6月も終盤にかかり、日に日に暑さが増していく今日この頃、何故か俺はアジトのソファ…の上に座っているコノハの膝の上に座らされ、ぬいぐるみのように抱きしめられていた


「?なんで…?」


いや、なんでって…え?俺がおかしいの? …そんな不思議そうな目で見るなよ!自分に自信がなくなるから!!


「…シンタロー、大丈夫?」

「あーうん…もういいよ……」

「?」


本当にわかっていないご様子で…コノハは 変なシンタロー、と凄く心外なことを呟いたがさほど気になってるわけでもないらしくポスンと俺の肩に頭を…って


「なにやってるんだよ?!」

「え?眠いから…」

「ちゃんとベッドで寝なさい!!」


あぁ…全国のお母さんたちの苦労が少し わかった気がする…


「ヤダ」

「いや、ヤダじゃなくて…」

「シンタロー気持ちいいから…」


そんな訳のわからないことを言いながら頭をぐりぐりと擦りつける


「ちょっ…くすぐってぇだろっ!」


思わず叫ぶとコノハの動きがピタッと止まる

やっとわかってくれたか…と安心したのも束の間、


「シンタロー、くすぐったいの苦手なの?」

「は?って、ちょっやめ…」


そう聞くなりコノハは俺の脇や首などをくすぐりはじめる


「ちょっ本当に、無理…だっ、からっ!…ぁ?!」

「…シンタロー声なんかエロい…」

「ひっ、な…ふ、ふざけ……」


「いい加減にしろ!2人とも!!」


突然の怒号に俺とコノハはびくっと動きを止め、おそるおそる後ろを見る

そこにいたのは…


「少しは俺達のことも考えてくれ…」


とお疲れ気味のキドに


「も、もうお兄ちゃんなにやってるの?!」

「キド、ジャマしちゃだめだよー」


などとと言いながらビデオカメラを持ったモモとマリーがいた

そして俺のジャージのポケットからバイブ音が…

さーっと青ざめていく俺の心情なんて露知らずコノハは


「シンタロー、また皆がいないときにしようね」


と楽しそうに微笑む


「ふざけんなぁぁぁぁっ!!」


俺の叫び声は暑っ苦しい青空に響きわたった

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