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□過去拍手ネタ
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2014.11.25〜2014.12.18
HP短編、トリップ、蛇寮



初めてここに来たのは一年前、衣装棚を通って出てきたのは違う小説の世界でした。何故だ。
衣装棚と言ったらあっちだと思うんだ。確かにあっちもこっちも魔法を使うけれども‥‥。

まあ、それは良しとして。こっちへ来て最初にあったのがダンブルドア校長で、
良くわからないままこちらに来てしまったと訴えると親身に聞いてくれたというのに、
何故か私の体には魔力があると言われ、魔法の使い方を学ぶべきだと諭され、
気付けばホグワーツに入学していた。
大人って怖いわァ。
私があれ可笑しいなと思ったのはひと月たった後だった。
ハロウィンだった。気付くのが遅すぎたんだ。私が悪かったんだ。なんて割り切れるか!!
すべてダンブルドアが悪いんだ。チクショウ!! 私を家に帰せ!!

と、私が訴えたのは我が寮監スネイプ先生だった。

「吾輩にはどうすることも出来ませんな」

「見捨てないでください。今すぐ家に帰る魔法薬をください」

涙ながらに懇願する私をどう扱っていいのかわからないらしい
スネイプ先生は顔を顰めながら取り敢えず泣きやめと零した。

「だって、だって、もう一年たったのに‥‥。学校は夏休みになっちゃうのに、家が無いんだよ‥‥!?
死活問題だよこれは!」

「‥‥校長と話をしてくる。大人しく、くれぐれも大人しく待っていたまえ」

「はい、別に問題なんて起こしたことないけど大人しく待っています。早く帰ってきてください」

数時間後帰ってきたスネイプ先生は酷く顔色が悪かった。
まあ、顔色がいいところなんてそうそう見ないけど。

「駄目だったんですか? わたしもう夏休みの間干物になるしかないんですか‥‥?」

「ああ、戻ることは叶わん」

それからまだ何か言葉を続けようとしたが、躊躇うように口を閉じて私を見た。
なんだなんだ、校長に何を言われたんだ。

「言ってください先生」

さあ、言うんだ。これ以上私を苦しめないでくれ。
スネイプ教授は大きなため息を吐いて何か決心したように口を開いてくれた。

「夏休み中は‥‥吾輩の家に泊まるように」

視線を逸らしてまたため息を吐き出す。
え、なに、私を家に招くのがそんなに嫌か。

「お世話になります」

でもよく考えればいやに決まってるか。
一年、四六時中生徒と顔を合わせて、やっと休みに入ったというのに
大切なプライベートの時間が無くなるのだから。

「でも、私のせいじゃ無くてダンブルドア先生のせいだと思います」

ああ、やっぱり家に帰りたかったな。
それもこれも全部ダンブルドアのせいだ。
スネイプ先生の眉間に皺が寄って取れないのも、スネイプ先生がストレスで実は胃が痛くなってるのも絶対ダンブルドアのせいだ。

だから、私がダンブルドアにイタズラを仕掛けたのは大目に見てくださいスネイプ先生。
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