Novels 短編
□目も眩むほどの熱を
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なぜかこの人の近くにいるといつもピリリと電気が走る。
能力者じゃあるまいしそんなこと気のせいだとおもっていた。
……でも、
倉庫でサンジくんの手伝いをしていたとき、急に後ろから聞き慣れた声がして
何しに来たのかと思い振り返ったと同時にものすごい力で抱き寄せられたとおもえば、
そのまま硬くて大きなマメだらけの手が後頭部に滑り込んだときには唇に熱い感触があって、目の前の男にキスされているのが分かった。
その時もやはり、ピリリと電気が流れ込んできた。
「……んっ、…はぁっ、ちょっと!………っ、いきなりなに?!」
「……っ、おまえ…さっきコックとなにやってた」
「……は?」
「コックとこんなとこに二人きりで……なにやってたんだってきいてんだよ…」
どうして、目の前の男はこんなに怒っているのだろうか。
眉間に血管を浮かばせて今にも人を殺しそうな目つきがあたしを捕まえる。
「……………そんなことゾロには関係ないじゃん…」
「……へぇ、おまえ………」
負けずに睨み返したあたしなんか御構い無しにざらりと唇を舐めてきた男は、極悪人という言葉がふさわしい。
きっと悪魔も震え上がるほどの不気味な笑みをしてこういった。
「……おまえ、あいつが好きなのか?」
見透かすような瞳がすぐ鼻の先でこっちをみてる。
ゾロの吐息が顔にかかってそれが心臓を速くする。
少し前から気づいていた自分の気持ちはどうやらこの男にはバレていたみたいだ。
「…………好き……」
「……っ、」
「……好きだよ、あたしは…サンジくんが…っ!」
だからこういうことされると困る。
今日という今日は言うつもりだったのに、言葉をつなげる前にかき抱いてきた大きな体に
意図も簡単に拘束されて動けなくなった。
「渡すかよっ……んな簡単にコックに持ってかれるくれェなら…っ、今…んん、」
「……待って…っ、ゾロ……やぁっ」
大きな手が包むように胸のふくらみを触った。
あまりにいやらしいその手つきに出したこともない甘い声がとっさにもれた。
そのままゾロに押し倒されて、掴んだ足を開かれたと同時に一番敏感なとこに顔を埋められた。
「…んぁっ、ゾロっ、待って…」
「……あいつばっか…見てんじゃねェ…」
「…やぁっ、んぁっ……はぁ…」
吐息を漏らしながら下着のホックを外したゾロと目があって、その瞬間なんとも言えない想いが胸を痛くした。
熱くて鋭い瞳や奪うような唇とは裏腹に、優しくなでる手つきやすがるように伸びてくる腕がどうしても振り払えない。
「やっ、……ぁっ、んん……」
じゅるっとゾロがそこを舐めあげる度に聞こえるいやらしい音が
誰もいない倉庫に響いては耳に入って恥ずかしくて顔を覆った。
「ん……やめっ、……あぁっ、」
「はぁっ……ちぃ…っ、」
嫌なのに、拒まないといけないのに、切なそうに吐息を漏らすゾロの顔が見える度、
なにも考えれなくなる。
引き離そうとしている自分の身体はさっきから敏感に反応して熱く濡らしていく。
誰か来るかもしれない、そう思えば思うほどたまらなく気持ち良くてゾロの頭をかき抱いた。
「…ゾロ……っ、お願い…やめて…」
「……おまえ…こんなに濡らしてよく言えるよな」
舌先で胸の突起を転がしながら戸惑うことなく中に一気に押し込んだゾロの指がズプズプと音をさらに大きくした。
「っ、んぁあっ、…〜〜っ!」
その瞬間、絶頂に達した身体が大きく跳ねてゾロの指をぎゅうぎゅう締め付けた。
「……はぁ、…ちぃ、おまえ…エロい…」
「もぅっ、やだっ……ひどいよ、ゾロ」
「あ?……ひどいのはおまえだろ」
泣きじゃくるあたしの言葉にピタリと動きを止めたゾロはくしゃりと苦しそうに顔を歪ませた。
「俺の心掴んで離さないくせに他の男なんか見やがって……そのくせそんな甘い声で鳴きやがる」
ねっとりと舌を絡ませて熱くて長いキスをされ、その間いつ取り出したのか硬くなっていた自分自身を入口にヌルヌル擦り付ける。
「…っ!んんん、ん〜っ!」
塞がれた口から漏れる声はもう彼を欲情させることしかしない。
ピリピリと敏感なとこをつつかれる度に電流が背中を駆け抜ける。
抵抗していた手はいつの間にか彼の背中を掴んでいた。
「……やっぱ…コックに触らせるくらいなら…今、」
今ここでおまえを壊してやる…
気づいた時にはもう遅い
身体中が彼の電流で麻痺してるから
いうことを聞かない手脚と、なにも考えることのできない頭……
そして……わかってることはひとつ。
この刺激なしではもう生きていけないということ。
ピリリとまたゾロの触れたところが痺れる。
さぁ、目も眩むほどの熱をください。
END