硝子の心を

□4:剣士としての戦い
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「そうはいかなさそうだ…。」名無しさん(貴女)がポツリと言い、幽助がリングを見るとそこには既に飛影が立っていた。
「鬼蛇対飛影始め!」樹里が言うと毒に気付いた鬼蛇が震え始めた。
一方リング場外では、名無しさん(貴女)が手に霊気を込め始めていた。
「名無しさん(貴女)…。治療はありがたいが、毒は妖力で殺さないと…。」
「…黙ってな…。私を誰だと思ってるんだ。」
「クスッ…それは気になるな。」
「…笑ってる場合か。」
蔵の傷口は癒え始めた。しかし毒は取れなかった。
「毒、とれんのか?」幽助が珍しく深刻な顔をして尋ねた。
「さあな…お前…もう少し霊気を強めるが耐えられるか。」
「ああ…。」
名無しさん(貴女)は霊気を強めたが駄目だった。
その頃飛影は上手く動けない鬼蛇を容赦なく剣で切りつけていた。
「飛影選手!鬼蛇選手に容赦ありません!!ああぁ…痛そう…。」小兎の実況にも震えが混じっていた。
「苦しい…もういい、殺せぇ!」
「俺に指図するな。」飛影はそう言ってさらに痛め付けた。
「ぐあっ!頼む、殺ってくれぇ…!」
「なら答えろ…あの毒の解毒方法を…。」
鬼蛇の答に浦飯チームの全員が耳を傾けていた。
「その毒は…霊力では…死なない…体内の妖気でしか死なん!!」それだけ言わせると飛影はとどめをさした。
「体内の妖気だと!?そんなんじゃ蔵馬の妖力が回復する前に蔵馬がやられちまう!!」幽助がどうすればいいんだと叫ぶと名無しさん(貴女)がおもむろに口を開いた。
「毒を誰かに移せばいい…。」
「なら俺に移せ!俺にも、体内になら妖気はある!」
「毒を移す技術は消費する霊気の量が少し多い…もし、それによって霊気を消費したあと毒を体に入れれば毒を殺せるかどうか…。」名無しさん(貴女)が言うと幽助が口を開いた。
「毒を移す奴と受け入れる奴を別に出来ないのか!?」
「出来ない。つまり…この中でその技術を持つ私以外は毒を受け入れることは出来ない…。」
「そんな!お前さっき傷口の治療でも霊気を消費しただろ!?」
「ああ…。」名無しさん(貴女)がチラりと蔵馬を見ると、蔵馬は苦しそうに呼吸を荒くしていた。
「蔵…。…。お前、少し痛むが耐えろよ…。」そんな蔵馬を見て名無しさん(貴女)は思わず声を出した。
「おい名無しさん(貴女)!」
「幽助、やらせてくれ。思ったより時間がない…。」そう言って名無しさん(貴女)は蔵馬に手をかざした。
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