black and white 本編


□07.黒の教団壊滅事件
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「おかえり、アレン・ウォーカー・・・、芹澤 ゆめ・・・」
「「ただいま、ヘブラスカ」」

ゆめとアレンは今、コムイに連れられてイノセンスを保護してもらいにヘブラスカの元へ来ていた。

「昨晩は・・・大変だった・・・な、コムイのせいで・・・」
「あはは、やだなあヘブくん」
「「・・・・・・」」

愉快そうに笑うコムイに、ゆめとアレンは冷ややかな目線を送る。

「イノセンス・・・を・・・」

そう言うヘブラスカにアレンがイノセンスを手渡した。

「適合者が不明のイノセンスは、次に元帥達が帰還する時まで私が保護することになっている・・・」
「クロスを含め、元帥は5人いてね。彼らは任務がてら不明イノセンスの適合者探しも兼ねてるんだよ」
「へ――・・・」

アレンにそんな説明をしているコムイに、ゆめはふと浮かんできた疑問を口にした。

「そういえば、わたしの師匠って誰なんですか?」
「あ、言ってなかったっけ?クロス元帥だよ」

(え・・・・・・)

コムイの衝撃の言葉に思わずフリーズするゆめ。
暫くしてから、大声を出した。

「ク・・・クク、クロス元帥!?言ってなかったっけじゃないですよコムイさん!!?」

クロス元帥と言えばアレンの師匠で、簡単に言うと酒好き、女好き、さらには放浪癖まであるという、かなり型破りな人物だ。
そんな師匠のせいでアレンは常に借金まみれだ。

「てへ」
「てへじゃな――――いっ!!!」
「ゆめ、ご愁傷さまです・・・」

(嫌だ・・・借金まみれは嫌だ・・・!)

ゆめが頭を抱えているうちに、先程のイノセンスはヘブラスカの体内へと入ってゆく。

「わあ!」
「ヘブくんの体内には、109個のイノセンスの孔(ホ-ル)が印されているんだ」
「私の中で・・・しばし眠れ、イノセンス・・・」

キュイイイイイン

ヘブラスカの言葉に呼応するように、イノセンスが音を立ててスッポリとひとつの孔に収まった。

「これで回収したイノセンスは41個・・・。世界にはまだまだイノセンスが在る・・・」

収まったイノセンスは、そこに十字架を描いた。


――――――・・・


ここはこの世であってこの世でない場所にあるひとつの家。
そこには人であって、それと同時に人てないものが住んでいる。

サクッ

その家の中で、ひとりの男―――スキン・ボリックが卵を掬ってパクリと口に入れた。
そしてその途端、ゲロリと吐き出す。

「・・・甘くねェじゃん」

そして椅子から立ち上がり、卵を作った1体のアクマを思い切り殴った。

ドキュ!ゴッ ガッ!メキメキッ

「このポンコツがぁ!!!このクソッ!ボケアクマ!甘くしろっつったろーが!!」
「おいおい、食事中にグロいもん見せんなよ。剥けてんぞ」

悲痛な音を立てて壊されてゆくアクマを見ながら、もうひとりの男―――ティキ・ミックが言った。

「帰る!お前達とは味覚が合わない」
「ンだよ。タマゴくらい食えってのこの甘党!」

帰ろうとするスキンに、ティキが呆れたように言った。

「落ち着きなよぉ、せっかく家族でメシ食ってんだろぉ」

そんな男2人に、ひとりの少女―――ロード・キャメロットがのんびりとした口調で言った。

「なあ、千年公?気分直しにさぁ、そろそろ僕達をメシに誘った理由を教えてよぅ」

ロードに千年公≠ニ呼ばれた男は、何も言わずにもぐもぐと卵を食べている。
そんな千年公に、ロードが楽しそうに言った。

「もしかしてさぁ・・・そろそろ始動ってやつぅ?」


To be continue ...
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