black and white 本編


□07.黒の教団壊滅事件
3ページ/4ページ

トンテンカン トンテンカン

そんなリズミカルな音と、額に感じる冷たさにアレンはゆっくりと目を覚ました。

「・・・ん・・・」
「わっ!ビックリした」

ガバリと起き上がると、リナリーが驚きの表情を見せる。

「リナリー」

アレンは額からずり落ちそうになる濡れたタオルを手で押さえた。
きっと、リナリーが介抱してくれていたのだろう。

「ごめんね、兄さんの発明のせいで・・・まだシビれる?」
「ここは・・・?」
「科学班の研究室。城内の修理でみんな出払っちゃってるけど。ほら、あの音」

先程のトンテンカンというリズミカルな音は、どうやらトンカチで城内を修理している音だったらしい。

「これ・・・コートの中に入ってた」
「あ!イノセンス!よかった、壊れてなくて・・・」

リナリーが差し出したイノセンスを見てほっと一息つく。

「ヘブラスカの所に持っていけば保護してくれるよ」
「分かりました。あ、そういえばゆめは・・・?」
「ここで寝てるわよ」

隣のソファーに目をやると、すやすやと眠っているゆめの姿があった。

「さっきまでアレンくんの看病してたんだけど、疲れちゃったみたいで。だから私と交代したの」
「そうだったんですか・・・」

むにゃむにゃと寝言を言うゆめに、頬が緩む。

丁度そのとき、ガチャリとドアが開いてジェリーさんや科学班の皆が入ってきた。

「おー、アレン、目が覚めたか」
「一体夜に何があったのアレンちゃん。もー城内ボロボロよ」
「アレン、お前の部屋壊れてた。ボロンチョ」
「ええ!!」

(ボ、ボロンチョ・・・)

アレンがジョニーの言葉にショックを隠せないでいる間に、リーバーがまだ寝ているゆめを起こしにかかった。

「おーい、ゆめ。起きろー」
「・・・んん〜、リーバーしゃん、もうちょい寝かせてくらさい・・・」
「アレンだってもう起きてんだぞ、いいのか?」

まだ寝ようとしていたゆめだが、リーバーのその言葉を聞いた途端むくりと起き上がった。

「アレンくんおはよー・・・大丈夫だった?」
「はい、もう大丈夫です。看病ありがとう」

ふああ、とひとつ欠伸してから言ったゆめに、アレンが笑顔で返した。
ゆめはそれに うむ・・・と一言だけ返したが、まだ眠たそうだった。

「「「「おかえり。アレン、ゆめ」」」」

笑って言う科学班の皆に、アレンとゆめははにかんだように笑った。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ