black and white 本編


□07.黒の教団壊滅事件
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『手術♪手術♪とにかく手術♪』

小さなコムイがそんな歌を歌いながら小躍りしている。
この部屋の中には本物のコムイ、それから小さなコムイが沢山。

(う・・・なんて悪趣味な・・・)

ゆめのそんな考えは、口には出さずに心の中に仕舞っておくことにした。

「うっ・・・ イノセンス発動!!」

アレンは、身の危険を感じてか思わずイノセンスを発動させた。

「おおっ、新しい対アクマ武器!」

形を造り変えたばかりの左腕に興味津々のコムイは、おもむろに何かを取り出してアレンに向けた。

プス

「ふにゅら?しびれるる・・・」

コムイが取り出して、アレンに向けて放ったのは吹き矢。
それは見事命中して、アレンは発動を止めて倒れ込んだ。

「室長ぉ――――――っ!!!」
「吹き矢なんかもってたぞ!」
「奪え!!」

それと同時に科学班のメンバーが部屋になだれ込んできた。

「だって、だって、あんなの撃たれたらコムリンが・・・っ!!」
「大人になってください、室長!!」

そんな光景を前に、ゆめはふつふつと込み上げる怒りを必死に抑えながら、イノセンスを発動させた。

「イノセンス発動!」

ゆめのその一声に、ぎゃあぎゃあと騒いでいた科学班がピタリと動くのを止めた。

「! ゆめがやるぞ・・・」
「ああ、やるな・・・」

漆黒の瞳が銀灰に変わる。
それから、小さく呟いた。

「――――――夢ノ銃(dreaming gun)」

それから左手でピストルを作り、今度はリナリーに襲いかかろうとしているコムリンに向けた。

『エクソシストは、手じゅ・・・つ?』

ドドドドドッ

容赦なく夢ノ銃を数弾発砲すると、コムリンがプシューという音を立て始めた。
ゆめはコムリンの足元で気を失っているリナリーに近寄った。

「リナリー!!大丈夫?」
「ん・・・、ゆめ・・・」

何とか意識が戻ったようで、フラフラと立ち上がる。
それからイノセンスを発動させたリナリーに、ゆめはほっと安堵の溜め息をついた。
リナリーの意識さえ戻れば、もう大丈夫だ。

「ゆめ、後は任せて」

そう言うリナリーに頷いてから、ゆめは急いでアレンの元に向かった。

ズバン!!

夢ノ銃によって動きが鈍くなってはいるものの、それでも尚ビームを出すコムリンにリナリーが蹴りを入れる。

「へっへ、ばぁか。イノセンスを発動したリナリーを捕らえられるもんかよ・・・」

それを見ながらリーバーが得意げに言う。

「胡蝶のように天空を舞い、鋼鉄の力で地に落ちる。それがリナリーの対アクマ武器『黒い靴』だ!」

ギュオ!!!

「いいぞ、リナリー!ぶっ壊せー!」
「かっこいい―――!」

コムリンを真っ二つにしたリナリーに歓声が上がる。

「待つんだリナリー!」

そのまま最後の一撃を繰り出そうとしたリナリーに、泣きながらコムイが縋り付く。

「コムリンは悪くない!悪いのはコーヒーだよ!!罪を憎んで人を憎まず、コーヒーを憎んでコムリンを憎まずだリナリー」

そんなコムイに、リナリーは怒ったような呆れ顔で言う。

「兄さん・・・ちょっと反省してきて」

リナリーはそう言って、容赦なくコムイとコムリンを蹴り落とした。
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