□徴
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※中学生設定だけど若林君います




「おい名前」

「なに?」

「お前俺の独占欲の強さ知ってるよな?」

「うん....知ってるけど....」

「しばらく俺の家に泊まっていけ」

「えっ?!で、でも」

「お前に拒否権はない」

「ちょ、ちょっと源三っ」






事の始まりはその日の学校に遡る____



「名前おはよ」

「滝おはよう、今日は早いね?」

「今日も練習あると思って早く来ちまった」

「滝ならやりそうだわ」

「ひっでぇなお前、それよりさ、今日の放課後ちょっとでいいから空いてねぇか?」

「放課後?まぁちょっとなら...」

空いてる事は空いてる、けど源三の事を考えると滝と二人で残るのはまずいなと思う

若林源三、私の彼氏。

付き合ってから気づいたのはその独占欲の強さ

皆といる時はあんまり発揮しないその強さだけど

二人きりの時はとんでもない

私はそんな源三も好きなんだけど

「来週さ、テストじゃん?数学わかんねぇから教えてくれよー」

「うんわかった、でもほんとにちょっとだけだからね」

さすがに少しだけなら、と承諾した

「おう、ありがとな」

滝が修哲トリオである井沢、来生の所に行ってすぐ後ろから声が聞こえた

「名前、今何話してたんだ?」

「あっ源三、今度のテストの話してただけだよ?」

「ふーんそうか...お前あんまり俺を嫉妬させんなよ」

「私そんなつもりじゃ....源三はほんと嫉妬深いんだから...」

「それほどお前が好きなんだからしょうがないだろ」

「ちょっあんま公共の場でそんな事言わないでって」

「悪い悪いお前照れ屋だったもんな」

「源三はもう少し羞恥心を持ちなさいって」

「周りの奴等に名前は俺のものだって分からせないといけないからな」

「もう皆分かってるって」

「いや、まだ駄目だもっと思い知らせてやらねぇと」

俺は知ってるんだ

この学校には名前の事を諦めてない奴がまだいるって事をな

名前は無駄にモテるから俺のストレスは減らない

そろそろ馬鹿な奴等を痛い目に合わせてやろうか

「源三、変なこと考えてないよね?」

「あ、あぁ…」

むっとした顔でこっちを見てくる名前

本人は睨んでるつもりかもしれんが俺にとってはただの天使だ。全てが愛しい

「酷いことしようとかかんがえてないよね?」

名前は変なとこ鋭いから困る ついでに優しすぎるんだ

「別に考えてねぇよ、いつも頭ん中はお前だけだよ」

「っ…!だからもうっ…!」

本当に源三には恥ずかしいっていう事が無いのか!!!






そして放課後_____


「ホント悪いな」

「いいよ少しぐらい」

「だってよー井沢と来生も数学できないからよー名前に聞くしかないんだよ」

「源三でもよかったんじゃないの...?」

「おま....若林さんは何か....怖いだろ!」

「えー源三?怖くないよ優しく教えてくれるよ」

「お前それはなぁ」

「ほらいいから数学でしょ!早く準備!」

「お、おう」


それから30分ほど数学を教える


「これをこっちに移動させて」

「なんでこの数字移動させちゃうんだよ....」

「なんでってそういう決まりが」

「コイツはここに居たいって思ってるかもしれないだろ可哀想だ」

ずっとこんな調子で呆れを通り越して笑いが止まらない

「滝、ほんと馬鹿だよ」

「うるせー!!」

「あ、そろそろ時間だから」

「ん?もうそんな時間経ってた?」

「滝が馬鹿なことばっか言ってるから無駄に時間過ぎてたよ」

「俺のせい?」

「うん」

「ありゃー」

「ありゃーじゃないよ」

「おい名前」

「えっ?」

「わ、若林さん」

「源三っ」

なんというバッドタイミングなんだろう

別にこそこそ隠れてやっていた訳じゃないけど

今、この状況はとても

「名前、帰るぞ」


源三に手首を掴まれてグイグイ引っ張られる


「う、うん、またね滝っ」

「お。おうありがとな...またなー....」


若林さんに手首掴まれて視界から消えていく名前

なんか若林さんいつもより怖かったような

「....気のせいか」







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