□くっつき虫
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「せんぱーい!!名前先輩!!!」

「....」

「無視しないでくださいよー!」

この男、新田瞬。

今年入ってきた1年生、要するに後輩なんだけど

「先輩ってばー先輩のそんなポーカーフェイスも好きですよ俺」

「はいはいありがとう」

始業式があってから3日....ぐらいからずっとこの調子

なんで私はこの男にこうまで好かれているのか....!!

確かに私はサッカー部のマネをやっているけど

接点はなかったはずだ

「名前先輩今日も俺の練習ばっちり見てて下さい!!」

私は新田君だけのマネージャーじゃないんだけど....

「皆の練習をばっちり見ます」

「えーたまには俺だけを見てて下さいよー」

口を尖らせながら言う新田君

いや可愛いんだけどね

「ちゃんと新田君の事も見てるからいいでしょ」

「物足りないです」

「我儘言わない」

「...はい...」

「あら名前ちゃん!」

「あっ弥生ちゃん!」

「やぁ相変わらずだね」

「三杉君も!相変わらずって」

「三杉先輩...」

「新田は相変わらずマネージャーにくっついているのか」

「くっついてる訳じゃないですよ三杉先輩!!俺はただ名前先輩の傍にいるだけです!」

「あまり変わらないと思うが...マネージャー、頑張るんだよ」

「あぁはい...三杉君ありがとう」

「名前ちゃん、私応援してるわ」

「えっ?」

「それじゃあまたあとで」

「またね名前ちゃん」

「またね...ってえっ...」

「せ、先輩やっぱり俺の事好きだったんですね!!やだな照れるな」

「ちょっと待って待って私そんな事言ってないからあの二人勘違いしてるって」

「いやー名前先輩照れなくてもいいんですよー俺分かってましたから」

「ちょっとちょっとそんな赤面しないでって」

「恥ずかしいんですいません!!!!!」

「ちょっと新田君ってばああああ」

赤面したまま走って行っちゃったよ

「もう何なんだあの子は...」

「何一人でぶつぶつ言ってんだ?」

「日向君じゃん、なんでもないよ」

「どうせ新田だろ」

「分かってんなら聞くな」

「怒んなって」

「やだー怒るーもう日向君やだー」

「駄々っ子かお前は」

「日向君長男だから駄々っ子に弱いかなって思って」

「お前なぁ...」

「実は効果アリでしょ?」

「....いや」

「嘘つかなくてもいいんだよー日向君も可愛いとこあるもんねー」

「何か今のお前新田に似てるわ」

「うっそ」

「マジ」

「えー私あそこまでじゃ...」

「やっぱホラ類は友を呼ぶとか言うだろ」

「新田君ってなんか友達っていう存在超越してるよね」

「は?お前等付き合ってたのか?」

「いやそういう意味じゃ」

「名前先輩は俺の彼女になりますよ!!」

「あ?」

「新田君なんで戻ってきてんの」

「だって俺の名前先輩が日向先輩に独り占めされてたんで!!!急いで戻ってきました!!」

「独り占めしてた訳じゃねーよこいつに興味ねーから安心しろ」

「日向君それはそれで酷くない?」

「そうっすよ名前先輩は素敵な女性なんですから興味持つべきですよ!!いやでも名前先輩は俺のです!!」

「うん?!何かよくわかんないけど色々待って」

「お前本当好かれてんな」

「うん....うん?」

「名前先輩も本当は俺の事大好きなんですけど日向さんがいるからちゃんと言えないんですよ!!ね!!??」

「いや日向君がいなくても何も言わないんだけど....」

「先輩...」

「あー....俺は先部室行くわ....」

「えっ日向君待ってよ...」

「名前先輩!」

新田君に手首をがっしり掴まれる

「ちょっと新田君」

「...先輩...」

新田君は俯いている

今どんな顔をしているのかわからない

「新田君...?」

「...先輩...そんなに俺の事嫌いですか?...」

「えっ...?!」

も、もしかして新田君泣いてる?!

ええっどうしよ....

「新田君!?ごめ...ごめんね?」

「いいんです....先輩がそんなに嫌なら俺諦めますから....」

「に、新田君っ?!えっ?!どうしたの?!」

いつもの新田君じゃなくてすごく焦る

「新田君そんなに傷つけちゃった?ごめんね?新田君そんな顔しないで...」

「....だって先輩俺の事嫌いなんでしょう...」

「そ、そんな事ないよ別に新田君の事は嫌いじゃないよ」

「じゃあ好きですか?」

「えっ?うんまぁ好きだけど...」

「....名前先輩」

あれなんか新田君ニヤッとした気がするんだけど

「なんて嘘ですよせーーーんぱいっ!!!俺が先輩の事諦める訳ないじゃないですか!!」

「えっ?ええ?はぁああああっ???!!!!」

「押して駄目なら引いてみろって言うじゃないですか!!本当にその通りでした!!」

「ちょ、ちょっと新田君ってば!!!」

「名前先輩俺の事好きっていいましたよね?」

「それは友達としてであってね!!」

「またまた照れちゃって!!」

「っもう!!新田君のバカ!!」

「えー先輩もう諦めて俺と付き合っちゃいましょうよー」

「.....」


可愛い後輩に今日もまた振り回される私です


このくっつき虫め!!!





(最初の文に戻る、尚無限ループの模様)

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後書き


新田君のイメージが先輩♡しかないです!どうしましょう!!

とりあえずギャグっぽいのが書きたかったんです
 

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