□優しさ
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私は東邦学園サッカー部のマネージャー

明和にいて日向君と若島津君と仲がよかったのもあって東邦に入学

一番は若島津君と一緒にいたかったっていう事なんだけれど

所詮ただの片思いで

「名前、飲み物くれ」

「はい、日向君。あとタオルもどうぞ」

「ああ、悪いな」

日向君は怖い人に見られるけど実際はすごい優しい。

お兄ちゃん、というよりは皆の兄貴分っていう感じかな

「名前ちゃん俺にも飲み物頂戴!」

「あっ若島津君!はい、どうぞ」

「あれっ俺にはタオルは無いの?」

「勿論ありますよほら」

「へへっさんきゅ!」

「日向君も若島津君もまだまだ部活頑張ってね!応援してるから!」

「名前もあんま無理すんなよ?」

「そうだよ雑用ばっかやってたら大変だろ?」

「ううん、いいの。皆に気持ちよくサッカーやってもらいたいから」

「名前ちゃんは良い子なんだからー」

「そろそろ行くぞ若島津」

「はい、キャプテン!」

そうして二人は去っていったけれど遠くから若島津君と日向君の会話が聞こえてきて


「あーやっぱりいいですよね、疲れた時に甘いものは!日向さんもやっぱり糖分補給したりするんですね」


甘いもの....か......


「クッキーでも焼いてみようかな....」

私はあまりお菓子作りとかした事はないけど

若島津君がもしかしたら喜んでくれるかもしれない

そう思ってその夜にクッキー作りに挑戦してみた



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次の日の部活終了後



「あーやっぱり上手くいかなかったなぁ...食べてみて味は大丈夫だったけど形が歪すぎて大丈夫かなこれ.....」

可愛くラッピングしたつもりのクッキーを眺めて歩いていたせいで人にぶつかってしまった

「..あっ!ごめんなさい!」

幸いにもお互い怪我はなかったものの

「あ.....」

弾みでクッキーを落としてしまい粉々になってしまった

思わず涙が出る
折角頑張ったのに

落ち込んでいると誰かが近づいてきたのがなんとなく分かった

「名前ちゃん?...泣いてる?!
どうした?!何があったんだ?!」

「わ、若島津君...」

思いもしなかった人の登場に驚きを隠せない

「大丈夫?どこか怪我とかしてないか?!」

「大丈夫だよ怪我なんてしてない」

「じゃあなんで泣いて」

「なんでもないの...ちょっと」

「そっか...なぁ、その、持ってるやつなんだ?」

「...これはその...クッキーを焼いてきたんだけど...お...落としちゃって...」

「まったく名前はドジだな落とすなんて、折角作ったのに」

必死に涙を拭いているとひょいっとクッキーだったモノを取られてしまった

「えっあっ若島津君っ...」

「いただきます」

「ええっ?!...そんな...もう粉々で...」

「大丈夫まだ欠片残ってるよ、へへ、部活の後に甘いもの食べたくてな!おっ!美味しいなこれ!」

「若島津君....」


欠片を食べて美味しい、と優しく微笑んでくれる若島津君

さっきの悲しみはどこへやら

鼓動はどんどん早くなる

「ま、またちゃんと作ってくるから....」

「ん?」

「またクッキー....食べてくれる?」

「ああ勿論、名前ちゃんの作ってくれたものなら何でも喜んで食べるよ」

そういってまた微笑む彼にドキドキさせられる


本当に優しい人なんだから....



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