銀魂二次創作(NL)

□次会うときは
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今井信女。
アイツのことがずっと頭から離れない。
なんなんだろうか。

アイツは、強い。
俺と互角に渡り合える腕だ。

強いものに興味があるのは当たり前だろう。
だけど、決してそれだけじゃないはずだ。
だってチャイナや、それ以外にも俺の周りには強い奴がいるから。

それでも俺が興味あるのは、アイツだけだ。



見回りにでも出るか。
見回りっつっても、まぁ適当にぶらぶらしながら公園行って寝よう。

屯所を出てしばらく歩いていると甘い香りが鼻をくすぐった。

「ねぇ、あなた」

この声、

「お前、…リベンジか?」
「そうね。それもしたいわ」

今日こそ、今日こそは、
素直に、普通に喋れるように。

馬鹿にするのとか、ドSはちょっと自重して。

「ご無沙汰で。エリート様」
「あなた今とても楽しそう。人殺しには見えない」
「お前もな」
「そう?」
「なんだ。甘ェ匂いすんな」
「あぁ。ドーナツ…いる?」
「じゃあ一個」
「ポンデね」
「ありがとうごぜぇやす」

「はい」
「は?」

手を目の前に出された。
え、手繋ごう的な…?

「お金、払って」
「え、あぁ、100円?」
「100円でいいわ」

…でいい、って何でィ。

「じゃあ私は」

きっとこいつの目は絶対俺に向く事はないんだろう。
アイツのいう人殺しの目が捕えるのは標的とドーナツだけだ。

標的としてしか、俺を見ないんだろ。
殺す時しか俺のこと、見ないんだろ。

「おい!」
「何」
「次、」
「……」
「次こそ、お前の事殺す」
「そう。私もそのつもり」

死神が少しだけ微笑んだ。




***


ここ最近ずっとドーナツ屋に通っている。
アイツに会えるかと思って。

でも会えねぇ。
見廻組って一体何処で仕事してんでィ。

本当に俺は何も知らねぇんだな、と思う。
真選組と見廻組って仲悪いし。

ちぇ、つまんねぇ。


「信女さん、このドーナツとても美味しいですね」
「…ふぁらふぉふぁっふぁ」
「飲んでから喋りなさい」

目の前に流れた夜色の髪。

隊服を着ていないからか、俺には気付いていないようだ。

だがあちらも色違いの隊服は身に付けていない。
佐々木は着てるけど。

「これはこれは。真選組一番隊隊長の沖田さんではないですか」
「どうも」
「近藤さんや土方さんはお元気ですか」
「まぁ元気でさァ」
「それなら何よりです。では行きましょうか」
「待って異三郎」
「何です信女さん」
「先に行ってて」
「分かりました。では」




「おい。今やるつもりか?」
「いいえ。今日はやめておく。これ」
「うわーどうしたんでィ」

着物の袖をぺろりとめくると、アイツの腕は、包帯でぐるぐる巻きにされていた。

「考え事してたら、あっさり切られちゃった」
「エリート様が珍しい」
「やっぱり、考え事はいけないわね」
「当たり前でさァ」

「なぁ、信女」
「何よ、総悟」
「一つだけ質問してもいいか」
「?」
「ドーナツと俺の●●●、どっちが欲しい?」
「…ドーナツ。だってあなたの●●●なんて百個あってもドーナツ一個の価値にならないわ」
「はは、そりゃひでぇや」
「ただ、」
「ただ?」
「あなたが、私のことをどう思ってるかで●●●の価値も変わるかも」
「…へぇ」
「あなたは、何がしたいの?」
「その質問お返ししまさァ」
「ただのド変態人殺しじゃないでしょ?」
「当たり前でさ。お前もただの下ネタ連発人殺しじゃねぇだろ?」
「ええ。当たり前よ」
「っは、次こそは」
「私のこと、殺してみてよ」
「お前の●●●をな」
「下品」
「お前も」
「じゃあまた」
「おう」

死神の耳が少し赤かったのは幻覚でもなく血でもないと信じたい。

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