もっと短い話


風鈴、ちりん 

鬼灯+唐瓜&茄子



「…あの、鬼灯様」
「なんです」
「それは…もしかしなくても風鈴、ですか…?」
「そうです、金魚草デザインの特注品です」
「おー、ちりんて鳴らない、不思議っていうか精神抉る音がする」
「うっわ、何だっけこの音、絶対知ってるこの音…!」
「黒板を爪で引っ掻いた音、と言われましたよ」
「それだぁぁぁ!」
「言われた、って事は誰かに聞かせたんですか?うー脳ミソかき混ぜられてるみたいなイヤな音…」
「差し上げました」
「だ…誰に…」
「桃源郷にこの音色が響いているはずです」
「わぁ…(鬼灯様からしたら好意のプレゼントかもしんないけど…)」
「おおー…(白澤さんからすると複雑だよなー)」
「とても愛らしいでしょう、窓辺に飾れば夏の爽やかな風で歌を奏でてくれます」
「鬼灯様の部屋には、」
「ありません、寝れなくなりますから」
「「あ、純粋な嫌がらせの方だった」」



***
いいえ純粋に好意からのプレゼントですよ…!(笑)
南部鉄器の風鈴が奏でる高い音が好きです。7月になって部屋の窓に吊るしましたが、夏って感じでとても良いです。まだ梅雨も明けてませんが。笑

2014/07/10(Thu) 03:46 

知識の神の己の知識の使い方センス 

白鬼前提
白澤+桃太郎



「…白澤様」
「んー?」
「仕事して下さい」
「してるよー、頭脳労働」
「携帯眺めて頭脳労働たぁボロい商売だなオイ!ちょっとぉぉ!大体携帯の画面見てるだけで電話掛けるでもなし、ボタン弄るわけでなし…!!」
「うん、画面“見てる”んだもんねー」
「は…?」
「ふっふっふ、桃タローくんには特別に見せてあげちゃおっかなぁ」
「え、嫌な予感しかしないんで結構です」
「そう言わずにー。ジャーン!ほら、鬼灯の寝顔ー!!昨日ちょろっと鬼灯の部屋に忍び込んできたんだ、顔色はどうかなー体調はどうかなーって」
「……」
「ちょっと隈が出来てるから、また滋養強壮の料理フルコースでもご馳走しようかなぁって、あ、ねぇ辛いの苦手な人ってどのラインまでなら食べれるかな」
「……し、」
「茄子くんに聞いたらご飯はちゃんと食べてるの見掛けたって言ってたから、まぁ粥とかじゃなくても大丈夫だとは思うんだよね。それに栄養たっぷりのもの食べさせてやりたいから、何がいいかなぁと思ってて、で、鬼灯の寝顔見ながら必死に献立考えてたってわけ!」
「知るかぁぁぁあ!だからっ!!仕事しろこのアンポンタン!!」
「えぇっ!?ひ、ヒドイ、久しぶりに必死でアレコレ考えてたのに!」



***
力はあってもその力の使い方にセンスがあるかないか、でいったら白澤さんはセンスないと原作できっぱり言われてるのを見て「あー…」ってなりました。
そうね、無さそうね。全てを知っていてもそれを表現するセンスの無さ。切ない。笑
ただ当サイトではお料理の腕前、センスはあるという事で。薬膳粥の露店出してからそこはセーフのはず。

2014/06/29(Sun) 04:50 

五感総てが、 

白鬼前提
白澤+桃太郎
鬼灯+閻魔大王



「…今、」
「うん?どうかしたの鬼灯君」
「いえ、今呼びませんでしたか」
「えー?呼んでないけど…何か聞こえたの?」
「えぇ、いえいいんです、空耳でしょう」
(確かに聞こえた、「鬼灯」と名を呼ぶ声が)
(その声の主が誰か分かるくらいにハッキリとした温度をのせて、けれどどこか掴み所のない余韻を漂わせて)




「…あれ?今そこに、」
「はい?あ、お客さんいらっしゃいました?」
「え、いやお客さんて言うか、窓に影が…あー、や、木漏れ日が揺れてただけかな」
「一応見て来ましょうか、休みだと思われて帰っちゃったら悪いですし」
「いや大丈夫、外には兎達しか居ないよ。お客さん来たらガサガサ逃げる音するはずだし」
「そうですか?」
(そう、だって分かるんだ、アイツなら躊躇せず扉を抉じ開けてくる)(閉じた扉に怯むような奴じゃない)(あの真っ黒な姿を、閉じた扉の向こうに探してしまう)



いつだってこの耳が声を探す
この目が姿を追ってしまう
住まう世界は違うけれど、耳を澄ませば私の名を呼ぶ貴方が現れる
目を瞑ればお前がふわり、瞼の裏に現れる

逢いたい、
逢いたいと焦がれるのすら、
なかなか悪くないと思えるのは
(貴方が)
(お前が)
きっと同じように五感総てをもってして
自分を探していると確信出来るから。



***
両想い以上ラブラブ未満の焦れったい感じ。
閻魔さまと桃太郎はそんなふたりの内心に気付いてます。焦れったいような青いような、いい歳した鬼神と神獣なのになんとまぁ可愛いこと、と見守ってる保護者ズ。

2014/06/25(Wed) 23:29 

◆胃袋を捕まれた 

鬼灯+唐瓜&茄子



「うー腹減ったー」
「茄子、シャンとしろよ。もうちょっとで終業時間だろ」
「あと二時間この空腹を耐えなきゃいけないなんて…もう気分的には閉店がらがらお会計なのに…」
「あのなぁ」
「どうしました」
「あっ、鬼灯様!」
「いやぁ、腹の虫を慰めてて…」
「腹の虫を慰めるより亡者を責めて下さい」
「頑張りますー」
「そういや、鬼灯様が空腹でふらふらしてるとこなんて見た事ないっすね」
「いつご飯食べんの?ってくらい忙しそうな時もあんのにな」
「空腹を感じる時もありますよ、勿論」
「あーあれ食べたい!って思い付くような好物とか、あります?焼き肉とか串揚げとか」
「激務明けに脂っこいものを食べたいと思う事もありますけど、実際は胃に優しいものから口にするようにしてます」
「へぇー、流石理性の塊みたいだなぁ鬼灯様」
「胃に優しいものですか」
「えぇ、まぁあなた達は若いのでがっかりするかもしれませんが。薬膳粥や薬膳鍋を出されるので。出されたものを食べるようにしてからは体調も良くて、実に悔しいですが」
「ふーん…ん?」
「今なんかサラッと…」
「私も漢方の研究はしてますが、薬膳料理に関してはからっきしなので。徹夜で取り組むような仕事の後は、大概食べに行きますよ。むしろ行かないと体調はどうだとか五月蝿く言ってきますし」
「…美味しいですか、あそこの薬膳粥」
「えぇ、盂蘭盆の時に出店に出していたのとは違うものも色々出してきます」
「へぇ…」
「…専任のドクターがついてんだもん、鬼灯様が元気なはずだよなー」



***
お料理は男の料理レベルの鬼灯さまと、繊細な味付けとかも出来ちゃう白澤さん。
ちゃっかり餌付けされてる鬼灯さまも可愛い。

2014/06/24(Tue) 16:11 

どっちがどっち 


白鬼+鳳凰+桃太郎



「なぁ本当に大丈夫か?辛いだろ、腰」
「あからさまな心配しないで下さい、そんなに柔じゃありませんよ」
「でもさぁ…心配なんだよ、お前の仕事場危ないもんしかないし」
「まぁその中で一番危ないのは私達獄卒でしょうけど」
「そういう事じゃなくて」



「……旦那の身体の心配をする妻のようだな、アイツ」
「えぇ…甲斐甲斐しいんですよね、白澤様って。根は優しいし」
「妻と旦那の夜の役割的には逆だろう」
「ちょ、何てことを!」
「?何を今更、知らん訳でもなしに」
「いや、鳳凰さんのその見た目で生々しい事を言われるとちょっと…」
「見た目は子供だが中身は大人だ」
「高校生探偵みたいな事を」
「なんにせよ、補佐官殿が居てくれて良かった。瑞獣がほいほいと種をばら蒔いてはかなわんからな」
「だから生々しい事を言うなと!」



「兎に角大丈夫ですよ、そろそろ行かなくては」
「うー」
「…良い子で待ってるんですよ」
「ん…いってらっしゃい、気を付けてな」
「はい」



「いってらっしゃいのちゅーか、新婚お約束のお見送りだな」
「僕は毎回あれを見てる内に感覚が麻痺してきて今では当たり前の風景にしか見えません。新婚ていつまでが新婚なんですかね」
「新婚期間というか、あれをやるには仲の良さによるだろうが…お帰りなさいの三ヵ条もやるのか、まさか」
「やりますよ、つうか鬼灯様が来る日は夕飯がやたらめったら豪華です」
「うきうきし過ぎだろう」
「だから聞かずともわかるんです、あ、今日来るんだ、って」
「そうか…頑張れ若人」
「アリガトウゴザイマス…」



***
性格的に鬼灯さまは頼れる旦那さん、白澤さんは可愛い奥さん、って感じ。
鳳凰好きです、可愛い。ちょいちょい極楽満月にハ○ンケアを買いに来てはお茶を飲みながら桃太郎に最近のふたりの話を聞いてたりして。


2014/06/24(Tue) 15:04 

構って、構って 


白鬼+桃太郎&お供トリオ



「フンフンフーン」
「おいシロ、真っ直ぐ歩けよー!」
「あっちにふらふらこっちにふらふら…こういう犬連れてあたふたしてる子供いるよな。どっちが散歩されてんのか、みたいな」
「あっ、桃太郎ー!遊びに来たング」
「シーッ!シロ、声落とせっ」
「桃太郎、どうしたんだ」
「どうして芝刈り?今日は店休みか」
「…いや、うん」
「ぷは。口を鷲掴みされるのってくつじょく…」
「あぁ、悪い、ごめんな」
「桃太郎、顔色悪いけど本当どうしたんだ?」
「あ、いや、その…」
「追い出されちゃったの?桃太郎」
「いや追い出されたわけじゃなく、むしろ最初に追い出してくれた方がいいんだけど」
「空気扱いされるんだ!」
「そうなんだけどはっきり言うなよ…」
「?」
「?」
「ん?どうしたのふたりとも、首かしげて」
「なぁ、何の話?」
「俺達にもわかるように話してくれ」
「言わせるのかそれを…」
「鬼灯様の匂いがするよ!ルリオも柿助も気付いてると思ってたんだけど、わかんなかった?」
「…あ、もういいです」
「桃太郎、飯食いに行こうぜ。な?元気出せよ」
「空気読んでくれてありがとな…」
「そっかぁー鬼灯様にも白澤さんにも遊んで欲しかったけど、ふたり揃っちゃうといっつも結局遊んでくんないんだよなぁー」
「シロ、お前のハートマジストロングな」
「俺もお腹ナデナデして欲しいなぁ」
「…ちょ、それどっちがどっちをナデナデしてたんだ!?」
「いや言うな!どっちにしろ想像しちゃ駄目な気がする!」
「でも神獣姿の白澤様がナデナデされてる方がまだ精神衛生上マシだったね、桃太郎!」
「俺は何も見ていないと言いたい」
「「ソレ言ってるも同然だから!」」
「お腹ナデナデ〜スベスベ〜スベスベマンジュウガニ〜」
「「想像掻き立てる即興ソングやめろーっ!」」



***
シロは白鬼に好意的。
柿助とルリオは、「え、突っ込んでいいんすか」とおっかなびっくり。
桃太郎は主に白鬼の大っぴらなアレコレの被害者です。でもふたりが幸せならいいなぁとは思ってる。大体巻き添え食うのに、いい人だなぁ桃太郎。


2014/06/24(Tue) 03:19 

恥ずかしスイッチ、ポチッとな 


鬼灯+閻魔大王+唐瓜&茄子



「鬼灯君、お疲れ様」
「お疲れ様です」
「今日はもうこれで最後だから、後はワシに任せて上がっていいよ」
「大王…」
「大丈夫、任せて任せて!」
「かつてない不安を感じる大丈夫ですね」
「信用ゼロか!ちょ、失礼だな相変わらず君は!大丈夫ったら大丈夫!ほら、行った行った!」
「何を企んでいるんですか」
「なっ、何も」
「……」
「……」
「…目を合わせない所があやしさを倍増させてますよ」
「いや、ジト目の鬼灯君と目が合うと何もしてなくても謝っちゃうから…」
「……わかりました、折角お気遣い頂いたので、今日はこのまま有り難く上がらせて頂きます」
「本当?」
「はい、ありがとうございます」
「うん、じゃあほら、これ」
「……なんですこのタンクは」
「桃源郷から温泉汲んできてよー、お泊まりでしょ?最近また腰痛が酷くて、桃源郷の温泉は腰痛にも効果があるって白澤君が言ってたからさ」



「鬼灯様ーってわぁぁぁ!閻魔大王!どうしたんですかボコボコじゃないですか!」
「いや…余計なお世話を焼いた上にうっかり恥ずかしスイッチ押しちゃったみたいで…大丈夫、ありがと」
「鬼灯様の恥ずかしスイッチって何だろうなぁー」
「お前もお前で邪推すんな!」
「あいたた…」
「でもじゃあ、大王様の余計なお世話に乗っかって鬼灯様は不在?」
「うん、今頃のんびり温泉でも浸かってるんじゃないかな。ここの所忙しかったのは本当だしね」
「何だかんだいって大王様が言わなきゃ梃子でも休んでくれないですもんね、鬼灯様」



「鬼灯ー、はい追加の酒ー」
「…この徳利…」
「金魚柄、可愛いだろー。よっ、と。こないだ見掛けて、お前好きそうだなと思ってさ」
「誉めて使わす」
「上から鬼神だなお前!」
「あのアイドル好きです」
「ショートヘア可愛いよな。お前の髪もサラサラで可愛い」
「逆上せましたか」
「へっへー、照れちゃう?照れちゃう?恥ずかしスイッチ押しちゃった?」
「ウザい」
「ヒドいなオイ」



***
大王は鬼灯さま可愛くてつい気に掛けちゃって、鬼灯さまは何だかんだ大王には素直に従ったりして。バイオレンスではあるけど親子みたいな関係に思えてほのぼのします。
白澤さんには「嫌われる事はない絶対の信頼」を於いているのでツンとしたりいけずな事を言うけど、白澤さんはそんな鬼灯さまも可愛くて甘やかしちゃう、年上(笑)の余裕ですね白澤さん。年上…年齢とかそういう概念が追い付かない(笑)


2014/06/24(Tue) 02:52 

くしゃみ三回 


白鬼+唐瓜&茄子



「はっ……」
「……鬼灯様のクシャミ前の顔コエー」
「ばっ、茄子お前」
「ックション!!あー…っ、っ〜、クシュッ」
「あれ、風邪ですか鬼灯様」
「っ、いえ、体調管理は人一倍気を付けているのですが、体調を崩して薬に頼りたくないので」
「あ。風邪なんかひいたら桃源郷から使者が来るからですね!」
「えぇまぁ……っ、〜っ」
「……」
「ハックション!……」
「……やっぱり風邪じゃないっすか、それ」
「いやー、風邪じゃないよ」
「なんで言い切れるんだよ」
「だってほら、言うじゃん、クシャミ三回恋の噂って」
「悪寒がします」
「えぇっ、やっぱり体調悪いんじゃ」
「いえ悪寒と言うか、嫌な予感と言いますか」
「噂してた本人が来るんじゃないですか?」

「ほーずきー」

「ほら!」
「うわ本当だ」
「病原菌はお前か……そこへ直れ」
「えっ、皆反応酷くない?」



***
鬼灯さまなら、本当にただただ嫌いなら空気のように扱うよな、構うって事は少なくとも気になっちゃってるわけだもんな、とニヤニヤしながら録画したアニメ鬼灯〜を見返してます。
どっちも可愛くてまったくどっちが右だか左だかorz
高麗人参のくだりで落とし穴に落ちる、落とすのあの辺りが大好きすぎてリピートしまくり。あと滅びの呪文。バ○スで手を握り合っ…私の心臓がバル○です。笑


2014/06/23(Mon) 19:48 

鬼さんこちら、 


白鬼



「桃タローくん」
「はい」
「閻魔庁への納品日、いつだっけ」
「…俺昨日言いましたよね、明日ちゃんと届けて下さいよって。今晩中に仕上げて下さいよって。知りませんからねって!」
「え、えへ」
「誤魔化しても可愛くねーから!もーっ!どうすんですか、時間が、まさか精製までは終わってますよね!?仕分けしてまとめて、ちょっ…何ケータイいじくってんだ!」
「あ、もしもし鬼灯?」
『何ですか電話なんぞ掛けてきて、さぞお暇なんでしょうね。こちらは頼んでいた薬品がなかなか届かないので腸が煮えくり返っていた所なんですが』
「そ、その薬なんだけどー…」
『……』
「……えへ…」
『首洗って待ってろこの白豚が』
『ワーッ!鬼灯君おち、落ち着いてっ!柱折れる!折れるからっ!』

プツッ…ツー、ツー

「…俺、芝刈りに行ってきます」
「あっ、逃げないでよ!」
「知るか!自業自得ですよアンタの場合!」

ガラッ!バタン!

「あーぁ…皆してまぁ早とちりしちゃって」



(頼まれた薬なんかとっくに出来てる)(あとはもう渡すだけにしてある)(でも“向こう”に届けに行くと、仕事の山に囲まれたお前、書類片手に相手をされてハイおしまい、なんて事もザラで)(分かってる、お前もちゃんと会いたいって思ってくれてるって)(でも忙しい身の上で、僕ひとりに構ってられないんだって)(だから、こっちに呼び出せば、)(仕事の延長だとしても、ほんの一時だとしても、)
(お前の事、独占出来るだろ?)
(然り気無く、狡猾に、)(罠とまではいかないけれど、仕組まれた逢瀬の時間を手繰り寄せる)
(ほら、)




「鬼さんこちら、ってね」



***
構って欲しいけどお仕事が大事なのも分かってて、有能な鬼灯さまは閻魔庁では必ず誰かに某かの問題で捕まってるのも知ってて、だけどどうしても独り占めしたい白澤さん。
たまぁにこうしてうっかりを装おって桃源郷に鬼灯さまを召喚しちゃあ独占してたり。
鬼灯さまも実はちゃんと分かってて、大体ふたりともが“あぁそろそろ充電したいなぁ”と思うタイミングが同じだったりして、なので敢えて何も言わず白澤さんの罠に嵌まってあげてたりしたら禿げ萌えるorz
短い話のつもりが盛り込み過ぎた。


2014/06/23(Mon) 03:41 

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